静岡県御殿場市中畑の陸上自衛隊東富士演習場(約8800ヘクタール)で20日、野焼き作業中の男性3人が死亡した火災で、現場付近は点火開始後間もなく最大瞬間風速16メートルの強風が吹き、風向きも変わったことが関係者への取材で分かった。「走って逃げるよりも早く火が燃え広がった」と証言する参加者もおり、県警は天候変化への対策が万全でなかった可能性もあるとみて、過失致死などの容疑で捜査を始めた。

 「風が強くて、立っていられないくらいだった」。野焼きの実施主体である東富士入会(いりあい)組合の勝間田祐一事務局長によると、現場近くにいた参加者は当時の現場の様子をそう語ったという。

 県警によると、死亡した勝間田和之さん(37)、勝間田嘉弘さん(33)、池谷慶市さん(32)はいずれも御殿場市川島田の会社員。死因は焼死だった。

 関係者によると、野焼きは約3000ヘクタールを焼く予定で、住民や自衛隊員ら約1100人が参加。亡くなった3人はほかの2人を含む5人1組で、演習場着弾地域の東南にある作業区を担当していた。現場は斜面で、5人は10メートル間隔で上って午前9時半ごろ風下側にあるカヤの枯れ草に点火。当時の風は南から北へ吹いており、火は5人の右手に燃え広がるはずだった。

 ところが、しばらくして上空で風が吹き荒れ、風向きが逆に。火は5人が歩いていた砂利道の防火帯(幅約10メートル)を飛び越え、反対側のカヤに燃え移った。県警によると、無事だった1人は「午前10時ごろ突然風向きが逆になり、炎が巻き上がった。約5分後に火勢が弱まったので前を見たところ、前にいた3人が焼け焦げた草の上に倒れていた」と話しているという。

 同演習場内の野焼きは毎年行われている。勝間田事務局長によると、午前9時ごろの風速は5~6メートルほど。例年だと実施する風速のため、午前9時25分に点火を指示したが、風が強くなり、午前10時5分ごろ点火中止を指示したという。一方、静岡地方気象台によると、御殿場市内では午前9時47分、16.4メートルの最大瞬間風速が観測されていた。

 防衛省によると、東富士演習場は面積の約6割を民有地や公有地が占める。地権者らに入会慣行が認められており、約5000人が野草の採取などに年間約125日立ち入れる。【田口雅士、山田毅、樋岡徹也】

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