2014年08月23日

「将棋伝来再考」等(16)

ところで、2014年版で清水氏は、

 「かくいう筆者(清水氏)も、伝来年代に関連した視点から、「簡素な立像形駒で庶民層を中心に遊ばれていたならば、奈良時代以前に将棋が伝来した可能性」がわずかながら残っているとした(清水2002年 p.147)この条件以外には奈良時代以前の将棋伝来は想定しがたい。この時の筆者の記述も「庶民の遊戯である将棋」というドグマの影響を受けており、反省しなければならない」

と述懐するが、清水氏と同様に、私も反省しなければならない。

なぜなら、このブログの「はじめに」に、「史実の積み重ねによって『将棋の歴史』が構築されるのが理想ではあるが、容易ではない。なぜなら、将棋は庶民の文化の一つであり、日本書紀や古事記などといった公文書はおろか、なかなか文献等に表されるものでないからである。又、盤・駒等の材質は基本的に木材であり、朽ち果てやすいものだからである」

と記載しているからである。

 一方で「第三段階(文字化)の改良者は一握りの知識階層に属し、盤上遊技を嗜む余裕のあった者、たとえば貴族・僧侶・役人・富豪等と想定する」

http://blog.livedoor.jp/r_onuma/archives/50532797.html

とも記載しており、やや一貫性に欠けている。

 日本に伝来した原将棋の資料がなかなか発掘されない言い訳として「庶民の文化」という言い回しをしたことは余り適切でなかったと反省している。
(つづく) 



この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/r_onuma/51714269