2014年09月04日

玄怪録将棋(5)

玄怪録は怪奇小説であるが、作者は当時の世相を織り込むことによって、現実感・臨場感を確保しようと努めている。

そこで、玄怪録の記述から、当時(唐代)、中国に実在した「将棋」について、ある程度、類推することは可能である。しかし、そもそも当時実在した「将棋」の忠実な再現を意図したものではないから、玄怪録のみで、当時実在した「将棋」の全貌を知ることはできない。

ところが、‘鹵耄鯊臂棋で銀将の頂に置かれた「猛虎」は銀将の祖先であり、玄怪録に記された「六甲」は寅であり、「日本に伝来した将棋」と「玄怪録将棋」は同一種である。そう解釈することにより、日中双方の資料から、二人制チャトランガの原型や、二人制チャトランガの基礎である四人制チャトランガの内容を把握することが可能となる。
http://blog.livedoor.jp/r_onuma/archives/50453360.html
http://blog.livedoor.jp/r_onuma/archives/50453369.html


ウィキペディアに記載された「チャトランガ」にも、駒の性能の記載がなされている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AC

「欧米の研究家の説を日本の有力な研究家が紹介したもの」を記載したに違いないが、象、馬、船?(⇒車)等について、上記「玄怪録将棋」の駒の性能よりも、相当に強力なものとなっている。
 欧米の研究家は東アジア将棋史等に疎く、現行チェスを基礎として類推しているため、当初から駒の性能を強力なものと捉えがちであるが、より素朴な性能の「玄怪録将棋」をルーツと考えるのが自然であろう。
 

なお、船・将について、「東南アジア伝来説」を基礎に記載されているものと思われる。
船:前後左右に何マスでも進める。(中略)マークルックのルアと同様の動きである。
将:斜めに1マスずつ動ける。マークルックのメットおよびビアガーイと同じ動き。
 しかし、これらは史実と異なる。〜イ玄怪録の記述「輜車直入无回翔」及び日本将棋の「香車」等から、香車と同じ直線一本やりの性能の「車」とすべきである。⊂は玄怪録の記述「上将横行系四方」から、「縦に1マスずつ動ける」とすべきであり、共に修正されることを期待している。

(つづく)



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