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2010年03月11日

『ハート・ロッカー』

THE HURT LOCKER
『ハート・ロッカー』公式サイト

監督・製作:キャスリン・ビグロー

脚本・製作:マーク・ボール

出演:ジェレミー・レナー 、アンソニー・マッキー 、ブライアン・ジェラティ
   レイフ・ファインズ 、ガイ・ピアース 、デヴィッド・モース

2008年/アメリカ/131分

おはなし Yahoo!映画

2004年夏、イラク・バグダッド郊外。アメリカ軍爆発物処理班・ブラボー中隊のリーダーに、ウィリアム・ジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)が就任する。まるで死への恐怖などないかのように遂行されるジェームズの爆発物処理の様子に、仲間のサンボーン軍曹(アンソニー・マッキー)らは不安を抱くようになり……。

*******

先日のアカデミー賞で元旦那の撮った『アバター』との一騎打ちで勝利に輝き
作品賞、監督賞などでオスカーを手中にした『ハート・ロッカー』。

監督賞では女性初ということで騒がれているが私はあまりピンと来ない。
監督がキャスリン・ビグローだからかもしれないし、私が男性だからかもしれない。
でも初めてなのだからそれは否定できない。それはアカデミーでの女性監督の評価が
低かったというよりもハリウッドでの女性監督の割合が少ないというのが現実として
あるのだろう。男性社会といってもおかしくはない。
だからといって女性監督がいないわけでもないことも事実。
アカデミーの保守的な一面が、彼女が始めてアカデミー賞の監督賞を女性としてはじめて
受賞したことによって露呈したというだけだと思う。

考えてみれば、女性監督で世界的に評価のある監督は男性の監督よりも少ないとはいえ
いないわけではない。
例えば、良い悪いや好き嫌いは別にしてジェーン・カンピオンというニュージーランド
生まれの映画監督は『ピアノ・レッスン』でアカデミー賞では脚本賞、主演女優賞、助演女優賞
を受賞したが監督賞は受賞していない。だが、第46回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞している。

カンヌがよくてアカデミー賞がダメというわけではない。事実としてそうなっているというだけで
その事実が象徴的なように思えるだけなのだ。

それに映画は男性や女性という枠組みなど関係ない。というか相手にしてない媒体である。
それは『ハート・ロッカー』という映画を見ればわかるであろう。この映画を見て男性が監督した
とか女性が監督したとか 考えてみるだろうか。 そんなものは映画を前にしたらぶっ飛ぶだけ。
それにアメリカというよりか、アカデミー賞というものがやっと気づいたということなのだろう。
アカデミー賞というものも危ういものである。

映画のほうはちょっと長いしグロいシーンもあるけど私は嫌いではない。
主役の無軌道ぶりや戦時下での爆弾解体シーンの緊張感は悪くない。
死は突然やってくる。恐ろしく簡単で恐ろしく単純に。
それは爆弾解体の緊張感とは違う、長距離での銃撃戦での緊張と弛緩の合間にやってくる。
死は恐ろしく近くに存在する。その戦争の麻薬性を体験すると平和な普通な生活など退屈なの
かもしれない。主人公の爆弾処理班の長にとっては緊張感溢れる爆弾解体作業は快楽でもある
のかもしれない。死と隣り合わせの戦争は麻薬であるのかもしれない。

映画は麻薬である。この映画においてそれらがシンクロしたかどうかは見る人によって
異なるかもしれない。だが映画は麻薬であることは事実であるし、そこには一部でも快楽も
あったのかもしれないし、だがこの映画がその水準まで昇華できた映画であるかは なんともいえない。

差別など意味を成さない映画を前にして 我々は映画で国境を軽々と越えて快楽を求める。
この映画はどうなのであろう・・・。
私は言えるのは 手放しで評価することはできないが、悪くはない。それだけだ。
この映画に快楽が存在するかどうかは よくわからない。
ありそうでなく、なさそうである。そんな感じだろうか。だけど嫌いになれない何かはある。


rabiovsky at 01:32│Comments(4)TrackBack(9) アメリカの映画 

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  □作品オフィシャルサイト 「ハート・ロッカー」□監督 キャスリン・ビグロー □脚本 マーク・ボール □キャスト ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティ、レイフ・ファインズ、ガイ・ピアース、デヴィッド・モース■鑑賞日 3月...
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この記事へのコメント

1. Posted by acine   2010年03月17日 13:21
こちらにもお邪魔します。
うーん、深い感想ですね。
確かに、これを見て、男が撮ったとか、女が撮った
とか全然関係ない話で、こういう骨太な映画を撮る監督でよいですよねー。
しかし、あの驚異のアラ還ビグローさんの美貌には
ビックリしたけれど・・・。
そして、rabioさんが書かれてる、この映画のテーマ同様、映画も快楽である・・・当ってますね。
だけど、映画は相手に危害を加えるものではないし、
まだ平和ですよね。この映画を見つつ、中毒化
していく過程はわからないでもないけど、何故
爆弾を仕掛けないといけなかったのか・・・?と
いう根本は放っておかれたままで、映画自体は
いい出来だと思うんだけど、その辺が自分の頭の中で
グルグル廻ってましたねぇ。
2. Posted by rabiovsky   2010年03月18日 01:14
>>acineさん

>こちらにもお邪魔します。
どうぞどうぞ!
この映画を男性が撮ろうが女性が撮ろうがこの映画はそれほど
変わることのない映画だったと思います。
今更、女性が監督っていう時代でもないですし、アカデミーが
遅れているという風にしか思えません。
ヨーロッパには評価の高い女性監督はゴロゴロいますからね。
日本のおいても同じ状況ではないでしょうか。だから映画を作るにおいて
性別は関係ないと思います。

>驚異のアラ還ビグローさんの美貌には
“アラ還”に爆笑してしまいましたが、あんなにハードな映画を
撮っておきながら あのドレス姿で登場するアラ還ビグローさんは
ある意味 女優に負けず劣らずって印象がありました。
ですが、彼女の受賞スピーチには違和感がありました。

戦うアメリカ人は他国でやっているということに違和感はないのでしょうか?
そこらへ辺が描かれていないのがこの映画の欠点であると思います。
これじゃ、ザ・アメリカ以外の何者でもないですしね。

acineさんが仰るように根本的なことが抜け落ちているというのが
驚異のアラ還ビグローさんの限界なんだと思います。無自覚だったら
ある意味怖いけど・・・。見たときは「こんな映画だったのか」と思った
のですが、見終わって考えると他国と戦争しているなら相手側も
もっと使うべきだと思いましたよ。
頭の中グルグルは驚異のアラ還ビグローさんの限界のせいだと思います。
3. Posted by 丞相   2010年03月22日 21:56
TB&コメントありがとうございました。
アカデミー賞が決まったときに、rabiovskyさんから
この作品を自然体で臨むようにとアドバイスをいただいたので、
できるかぎりリラックスして見たのですが、
やはりドン引きしてしまいました。ラスト15分のくだりがまた別の
ものならば、ごくごく普通の映画という評価だったのですが…。
少なくとも、こののっぺりとした話に脚本賞をあげるというのは
ありえないですね。
キャラクターの造形といい、ストーリーの運び方といい、
『ハート・ロッカー』よりも『マイレージ、マイライフ』のほうが
良かったですよ。

ちなみに、今日私はフランス映画祭で、おととしのカンヌ国際映画祭の
パルムドール受賞作『パリ20区、僕たちのクラス』を見てきたのですが、
こちらもドン引きしてしまいました。岩波ホールで劇場公開されると聞いて、
少し嫌な予感がしたところ、その予感が見事当たりました。
いわゆる「岩波的」or「日教組的」な作品でしたよ。
『パリ20区、僕たちのクラス』は去年のアカデミー賞の外国語映画賞にも
ノミネートされたのですが、これならまだ、人畜無害な某国の受賞作品
のほうがマシだと思えるほどです。

これから公開されるアカデミー賞関連の作品も、どうやら地味な作品
ばかりのようですが、とりあえずキャリー・マリガン目当てに
『17歳の肖像』は見るつもりです。
『NINE』は評判がイマイチなので、スルーしそうなのですが…。
4. Posted by rabiovsky   2010年03月23日 22:58
>>丞相さん

TB&コメントありがとうございました。

やっぱりドン引きでしたか。いやね、多分お嫌いな映画だと思ったん
ですよ。(笑)だからなんと書こうか悩んでね あのようなことを
書いたのです。ラスト15分は帰国してからのやつですね。
わからないことはないんですよね〜
今回は見ていない映画が多かったのでなんともいえませんが
脚本賞は『イングロリアス・バスターズ』でよかったのではと私は
思っております。まあ、流れには簡単に逆らえなかったのでしょう。

『パリ20区、僕たちのクラス』がカンヌでパルムドールを受賞したのは
お覚えています。なんか面白味に欠ける選出だな〜と思いましたから。
そして またもやドン引きですか!岩波ホールとは相性があわないみたいですね。
だけど“「岩波的」or「日教組的」な作品”とは逆に見てみたいような気が
してきますよ(笑)
アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートですか。映画関係者はこういうのが
お好きなんでしょうかね。私は、受賞してもなんとも思いませんよ。
あきらめていますから(笑)
今回のアカデミーは全体的に日本で公開されていない映画が多かったからか
地味という印象は拭えないですね。
私も見たいと思うのは同じでキャリー・マリガン目当てに『17歳の肖像』
ぐらいですね。
『NINE』は私は見ませんよ(笑)
予告編を見て、見たくないな〜って思いましたから。

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