今日も曇り空から始まり
昼過ぎには
予報よりはるかに早く小雨が降り出した
もう何日 青空を見ていないだろ
そしてこの先 何日 この薄暗い空の下で
太陽を待ち望むのだろう
七月も十日余り過ぎたというのに肌寒い
そしてもうすぐ裕子を迎えるお盆だ
17回目の迎え火もまた
母一人なのだろうな…




磐音シリーズもようやく30作目の作品「侘助ノ白」を読んだ

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江戸の尚武館の門弟「重富利次郎」は
父「重富百太郎」に伴い国許の土佐へと
旅に出ていた
ようやく南国土佐に辿り着いた百太郎親子を白い侘助が迎えてくれた
時は安永七年 師走を迎えようとしていた頃の事
利次郎は父の帰国の訳を聞いていないが
それが藩御用に関わる事であろうと推測していた
その藩内では
百太郎の国入りを良からぬ事と思っている者が居る事を
利次郎は従兄弟から耳にした
城上がりしている父百太郎が
戻らないので小者の治助と共に城まで迎えに行く
ようやく通用口から現れた父百太郎から
手に下げたずっしりと重い風呂敷包みを受け取り帰路についた親子の前に
6・7人の黒い影が現れる
風呂敷包みを奪う為に 切り掛かって来た刺客
「細心にして 大胆迅速」と江戸を出る時に磐音から
真剣による稽古を受けた利次郎は 
落ち着いて立ち向かい
向かって来た三人に深手を与えた
その時 城下がりの家臣が通り掛かり
大喝し
刺客達は引き下がった
藩改革の始まりだ

一方 江戸尚武館では
正月を迎える準備が忙しい
中でも餅搗きが
大工の棟梁銀五郎や
門弟等の手により行われていた
搗き上がった頃
尚武館を一人の男が「一手御指南を」と訪れた
西国訛りのこの男「槍折れの小田平助」
と名乗り
磐音と一手まみえた
その腕前は磐音が想像したより上手の達人だった
小田平助は飄々とした侍だった
剣をまみえた後 餅搗きを手伝うなどし
酒を飲み交わしたりするうち
その人柄と棒術の腕前を見込まれ
尚武館に居住まう事となった


土佐藩の内乱は
藩の物産である紙、漆、茶などを
城下の御用商人と結託し私服を肥やしている深浦帯刀による藩改革反発から起こった事
その深浦を信奉する御馬廻組頭 「東光寺無門」の剣術の師である「麻田勘次」は利次郎を従え東光寺無門との話し合いに向かうも
刃向かう東光寺と剣を交え倒す

深浦帯刀は屋敷内に軟禁され
深浦と密接な関わりを持っていた紙問屋
と漆問屋茶問屋は即刻商い停止処分となり家財没収の厳しい沙汰が下された
一件落着

利次郎の成長振り
尚武館に新たな人材として現れた小田平助の人柄
楽しみが増えて
次号に向かう