2010年08月22日

とある飛空士への恋歌 4 (著)犬村小六

とある飛空士への恋歌 4 (ガガガ文庫) [文庫]とある飛空士への恋歌 4 (ガガガ文庫) [文庫]

「追憶」も「恋歌」1-3巻の感想も書いてはいないのだけれど、どうやらクライマックスらしい4巻の読後感想を書いてみる。
次巻で恋歌は最後らしいです。

表紙カバーからも分かるとおりクレアがニナ・ヴィエントであることを、カール・ラ・イールに明かしてしまうというお話。
あと謎キャラだったイグナシオが一気にヒートアップ。
展開としては温い恋愛劇のあとに超弩級戦艦対弩級戦艦の空戦、そしてクライマックスと次巻への転で終了。

見所の艦隊戦なのですが、水上でも砲撃したら揺れるだろうに空中で戦艦の主砲をぶっ放したらクルクル回転しそうなのですが・・・
水平射撃ってわけじゃないし、それだとしてもモーメント的に危険だよね。
コンピュータなしに射撃時の衝撃をどうやってフィードバックして艦の姿勢制御を行ってるんだろう。弾道計算も手計算のようだったしね。
浮いているとコリオリ力の計算なくて楽なんだろうなーとも思うのだけれど、そもそも地球と同じで自転している世界なんかどうかも怪しいんでしたっけね。
コリオリなんて気にしなくて良いのかもしれない。
地球半周分の距離を移動してもカレンダー通りに季節が巡る生活ができている世界だもの。

しかしそもそもの話、どうしてこんな大型の戦艦を浮かせてられるのか、ていうかどうして飛んでいる必要があるんだっけ?
なんて思ったんだけど、大瀑布を超えるためには飛行能力が無いと駄目っていう話ですよね。
失念していました。あまりにも自然に島が空を飛んでいるので。

まあ私は軍事の専門家ではないので戦艦のことなどどうでも良いのです。
今巻のことで言いたかったことは、表紙カバーについて。
「追憶」の表紙カバーでのファナ・デル・モラル(断髪後、結婚前のため旧姓)と、「恋歌」今巻表紙のヅラを外したニナ・ヴィエントって一緒の髪型なんですね、ということ。
戦艦をバックに両手を広げてる姿は同じ構図です。陽が射すとクレアの髪が白く見える、ってのを合わせると体の向きと乳のデカさ以外はまるきり同じになります。
ファナが髪を切ることで玻璃の城壁の向こう側からの傍観者たる人生に区切りをつけ主体性を手にしたのと同じく、装飾のつけ毛を外すことで置物である偽りのニナ・ヴィエントとクレア自身を一致させることで主体性を手に入れる、すなわち素の自分を取り戻したワケです。
つまるところ「恋歌」には引き伸ばしのためのエッセンスが追加されているだけで、身分ヒエラルキーの最高位と最低位の物語であり戦争の決着はヒロインの手によるもの、というところまでは「追憶」の焼き直しなんですね。
ファナとシャルルとの間での、またクレアとカルエルとの間での、二作品での「むかし会ったことないか?」という同じ疑念が、残酷なまでに違う展開を経て分かり合うという同じゴールに向かったのが面白いところです。

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い) [文庫]とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い) [文庫]
radical_weapon at 21:37│Comments(0)TrackBack(0)ライトノベル 

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