三十三間堂・豊国神社

2006年01月15日

三十三間堂

実家の火事をふくめ、先週はプライベートで嵐のような日々が続いた。気がつけば、
去年に起こした人身事故から丸一年たっていた。この時期は毎年災厄があるのかも。
ともあれ今日は、数年前までは成人の日。誰が決めたかくだらない移動休日制度は、
文化破壊を進ませるだけだ。とはいいつつ、十数年前の成人式には出なかったが。

朝から気持ちのよい天気だったので、三十三間堂での弓引き初め観覧へむかう。
去年にさんざん京都へ出向いたが、降りる駅は阪急河原町ばかりだったので、
ひさしぶりに降りたったJR京都駅には圧倒された。あまりの下品さが異様だ。
京都市民はすっかり街並みにとけこんだと済ましているそうだが、やはりケバい。
そばに東寺や東西本願寺がある古都風景には、派手すぎる駅ビルは似合わない。

複雑な思いを抱えたまま駅から東へ歩くと、晴れ着姿の娘さんにたびたび出会う。
なかには弓矢を納めた道具袋を抱えた嬢もおり、その姿が大和撫子を感じさせる。
参道を進むにつれてその数が多くなり、境内に入ると女性ホルモンが充満していた。
今日は全国の弓道者が一同に会する日。旧成人の日と相まって晴れ着がまぶしい。

まずは、無料開放されている本堂に足を踏みいれた。手に靴を持ちしばらく歩くと、
最大の見所である千一体の千手観音像が、本堂を覆いつくす勢いで安置されていた。
一体ごとに造りが微妙に異なり、自身と似た顔の像を見つけると功徳があるそうだ。
とりあえず探索してみたが、あまりの数の多さに途中であきらめてしまった。
「きっと、どこかにおられるだろう」との思いが、ともすれば救いにつながるのかも。

本堂の出口そばで、柳の御加持が行われていた。堂の高僧が手に持つ柳の枝で、
清めの水を参詣者の頭に注ぐもの。「お金をいくらほど置いとけばいいんやろ」と、
はじめて灌頂される老女たちが心配する。あの世に近い者ほど三文銭をやりたがる。

ひととおり境内を見回ったのち、堂の裏側で行われている弓引き初めを観覧。
60メートル先の的へ袴姿の娘たちが、緊張の面持ちで一心不乱に弓を引く。
だが、まともに的へ当てる者は一割程度。順位はコスプレ度で競われるのだろうか。
周りを見れば、あちこちでナンパ合戦が。どうやら恋の弓引き初めでもありそうだ。

境内を出ると向かいに京都国立博物館があり、余りの時間をそこでつぶす。
入館料がたった420円のわりには見所が多く、すべての鑑賞に一時間ほどかかった。
とくに古代の遺物へ興味がひかれ、縄文式土器と銅鐸の想像以上の大きさに驚く。
帰りに豊国神社へ寄り、祀られる秀吉のような今後の成り上がりを祈願する。
だが賽銭をケチってしまい、あだ名のハゲネズミにならないか今から不安だ。


のほほん京都・名所案内 三十三間堂
通名の由来となった柱の数同様に、トイレの数ももう少し多くしてほしい。

Kyoto National Museum
日中の古代鏡も展示されていたが、完成度ははるかに中国が上だった。歴史が深い。

豊国神社
国宝の唐門は見事だが、なぜか地味な印象がぬぐえない。

radio13 at 22:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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