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リスナーインタビュー企画【11】Kさん(20代後半/フリーター)の場合

「学校にいた時も全然イケてなくて、会社でもいい成果を残せてなくて、
初めて『ちゃんと評価されている』という感覚があったのはラジオだったんです」

男性
山形県在住
リスナー歴16年

■ラジオにハマったキッカケ
風邪で寝込んでいたら、オヤジが勧めてきて・・・・・・

 中学1年の時、風邪を引いて寝込んだのがキッカケです。うちのオヤジがもともとラジオ好きで、昔はあのねのねとか、(笑福亭)鶴光さんとかのオールナイトニッポン(ANN)を聴いてたらしいんです。だから、寝込んでいたら「ラジオでも聴いてみたらどうだ?」と勧められて、パッと付けた時にたまたま流れてたのが『ネプチューンのANN』でした。そこからハマっていった感じですね。

 なぜハマったのか? 自分の知らないネプチューンがそこにいたというか。あと、シンプルにコーナーが面白いというのもありました。番組の最後に「ペンネーム供養」というコーナーがあったんです。面白いペンネームをただただ読み上げていくだけだったんですけど、何とも言えない面白さがあって、それにハマっちゃいました。それで、「他の曜日は何がやっているんだろう?」ってチラッと聴いたら、月曜日はロンブー(ロンドンブーツ1号2号)さん、火曜日が西川貴教さん、木曜はSILVAさん、金曜はゆずさんがやってて。ちょうどLF+R(22時台から若者向けの番組が3部制で放送されていた)の頃で、ある意味、運が良かったのかなと思います。リスナーからはダメな時期だったってよく言われますけど、自分は逆に早い時間からやっていたからこそ聴きやすかったので。

 それから段々ハマっていって、聴く時間が遅くなっていきました。中3ぐらいまではANN一本だったんですけど、「ラジオ局ってニッポン放送だけじゃないよな?」と思い始めて。高1ぐらいかな、「ニッポン放送以外に他の局ってあるの?」ってオヤジに聞いて、文化放送とTBSラジオの存在を知ったんです。家では文化放送の入りが悪かったんですけど、TBSラジオはそこそこ聴けたので、『伊集院光 深夜の馬鹿力』とか、『爆笑問題 カーボーイ』とかも聴くようになりましたね。

 それからもずっとラジオを聴き続けてたんですけど、専門学校を卒業した時にちょっと離れたんです。やっぱり働き出したというのもありますし、その時は仙台に住んでたんですけど、電波の入り具合が悪くて、東北放送しか聴けなかったんですよね。それでも、その頃でも『ナイナイのANN』は絶えず聴き続けてました。

離職したタイミングでPOAROに出会い・・・・・・

 その後、何度か転職しまして、ちょうど5年前に会社を辞めてしばらく暇になったんです。ちょうど同じぐらいのタイミングで、『ポアロのあと何分あるの?』(BBstation)にハマったんですよね。このラジオは面白いなと。今まで聴いた中でも一番じゃないかっていうぐらい好きになったんです。ラジオ界では僻地も僻地の番組ですよ。でも、僕にとって1番の番組なんです。

 『あと何分』に辿り着いたのもちょっと特殊な流れで。『ミュ~コミ+プラス』(ニッポン放送)に浅野真澄さんがゲストに出た時、事前に浅野さんについて調べていたら、鷲崎健という人と一緒にやっている『アニスパ!』(文化放送)が面白いんだという情報を見つけたんです。「鷲崎健さんって誰だろう?」と検索したら、伊福部さんとPOAROというユニットをやっていると。「じゃあ、POAROって何をやっているんだ?」と調べたら、CDの情報などの中に『あと何分』というラジオをやっているというのを見つけて。

 番組の内容をWikipediaで調べていたら、「パーティーのコーナー」のまとめが目に入りました。それを見ているうちに凄く面白くなっちゃったんですよね。腹抱えて笑い出しちゃって。ウィキで笑うなら、本編を聴いたらもっと笑うんじゃないかと思って、聴き出したんです。そうしたら、これは投稿しなきゃいけない面白さだなと。僕が投稿し始めた時点で、「パーティーのコーナー」は終わっちゃったんですけど、後続の「インタビューのコーナー」に送り始めたんです。これが投稿し始めたキッカケですね。

初採用の時に感じた「嬉しい」と「申し訳なさ」

 最初に送ったネタは今でも覚えてます。木村拓哉のNGワードを考えるというテーマだったんですけど、ゴシップをいじるようなネタを書いて、一発で読まれましたね。初投稿で初採用。これってネタを投稿する上で結構重要だと思うんです。初めて送った時にどういうリアクションが来るのかで変わってくると思うんですよね。

 初めて読まれた瞬間、まず「嬉しい」って気持ちがありましたけど、そのあとに「でも、申し訳ないなあ」という感情が湧いてきて。今、読み返しても思うんですけど、つたないネタだったんですね。番組のバランスを崩しちゃったかな、なんて思っちゃいました。

 1年ぐらいは『あと何分』中心に送ってました。『Hi-HiのANN0』や『本村康祐・西岡隼基のANN0』にフツオタを出してまれに読まれるぐらいで。ただ、『アルコ&ピースのANN0』が始まって、そこでほぼ毎週のように読まれるようになったんです。それで勢いがついて、自信もつけて、いろんな番組に送るようになりました。

 だから、僕にとって投稿の支えになっていたのは、POAROとアルコ&ピースの2組なんです。その分、去年は地獄でしたね(苦笑)。どっちの番組も終わってしまったので……。なんて仕打ちを神様は僕に与えるんだと思いました。


■自分が思うラジオの魅力
あの番組があるから頑張れたところがある

 本当に言葉にするのは難しいんですよねぇ。支えてくれる……と言ったら、凄く漠然としているんですけど。友達なのかなあ、なんて思ったり。このラジオがあるから頑張れるな、みたいなところがあります。特に『アルコ&ピースのANN』はそんな感じでした。「あっ、木曜日が来た。今日の夜にはANNがある。頑張らなきゃ」って。ホントに命綱みたいなところがありました。日常がつまらなかったんですよ。何か満たされていたら、たぶん投稿なんてしないと思うんですよね。

 投稿するという部分では、やっぱり承認欲求の気持ちがあるんです。僕は学校にいた時も全然イケてなくて、会社でもあまりいい成果を残せてなくて。初めて「ちゃんと評価されている」という感覚があったのはラジオだったんです。

■一番好きな(好きだった)番組
1位:サンドリ、2位:SDB、3位:不毛

 ベスト3まで決めてて。今、放送されている番組だと、1位は『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系列)。最近はリアルタイムで聴ける機会が減ってしまっているんですけど。有吉さんって毒を吐くにしても、切れ味が常に抜群で、勢いよく振り抜いたビンタみたいな感じなんです。それが大好きで。爽快っていうか、聴いてて気持ちがいいんですね。

 2位は『伊福部・向のラジオ スターダストボーイズ』(BBstation)。『あと何分』とは全然違う進化をしていて、自分が今まで知らなかった伊福部さんを見れるんです。本当はストイックな人のはずなのに、好きなことに関してはこんなデレデレなんだって思っちゃいますね(笑)。コーナーも面白いんです。いろんなコーナーがあるんですけど、『ジョイマン池谷の「なんだこいつー!」』っていうのがあって、いい感じに崩れてきていて、自分の好きな崩れ方なんです。原形が影も形もないような感じで。

 3位は『山里亮太の不毛な議論』(TBSラジオ)。山里さんに距離の近さを感じるんですよね。頼りないけど、憎めない近所のお兄ちゃんみたいな……。一番落ち着くというか。もし「オススメの入門的な深夜ラジオある?」と聞かれたら、『不毛』を薦めると思います。一番深夜ラジオのフォーマットを知られるかなと思って。

過去を含めると『あと何分』がぶっちぎりで1位!

 過去を含めると完全に変わってきます。やっぱり1番は『あと何分』(笑)。あの番組を聴き始めて、自分の考えが全部が入れ代わっちゃったんですよ。「こんなラジオがあったんだ!」って。POAROのやりとりも凄く新鮮だったし、コーナーの壊し方が明らかに異次元の方向に行ってて。それが極端すぎて、全然メールが来なかったみたいなんですけど、僕はそこも凄い好きだったんです。なんて言ったらいいのか……うまく表現できないんですけど、こんな番組は2度と作れないんじゃないかって。

 2位は『サンドリ』、3位は『アルコ&ピースのANN』になります。アルコ&ピースも聴いててビックリしました。初回から「このラジオは凄いな」って。面白いラジオを聴くと、体に電流が走りますよ。

 最近だと『ユニゾン!』(木曜/文化放送)や『10年続くラジオ』(ラジオ関西)、『ヨルナイト×ヨルナイト』(超!A&G+)も好きです。声優さんのラジオでも、そういう文化に触れてない人にも楽しめるんで。あんまりこういうことを考えちゃいけないですけど、普通の深夜ラジオしか聴いてない人にはちょっと優越感を感じます。「このラジオは知らないだろ?」って。特に『ヨルナイト×ヨルナイト』の水曜日はなかなかですよ。今、この番組を聴いているリスナーさんにはぜひ他の番組にも投稿してほしいですね。この番組で培っているテクニックは他のラジオでも行けるぞって。

■ラジオが聴いて心が震えた瞬間
#netsuのジングルとノリタカキャノンボール

 2つあります。1つ目は好きなラジオとはまた別の話なんですけど、『ダイノジ大谷ノブ彦のANN』なんです。どの回とかじゃなく、ジングルで「負けても負けてもギブアップはしませんから」っていう言葉があったじゃないですか。あのワードがずっと印象に残ってまして。その頃、全然仕事がうまくいってなくて、もうダメなのかなと思った時期があったんです。でも、大谷さんの言葉を聞いて、「ギブアップってカッコ悪いかもな」と思って粘ってみたら、なんだかんだでうまくいって。いろいろ言う人もいますけど、いい番組だったなって思います。

 もう1つは『ニューヨークのANN0』のノリタカキャノンボール(『テレクラキャノンボール』にあやかった企画で、ディレクター、サブ作家2名の3人が女性との接近や恋愛を点数化して争う企画)。あれって本来はそういう企画ではなかったと思うんですけど、聴いててなんか恋しようと思ったんですよね(笑)。下世話な企画だったんですけど、聴いているうちに「俺もちゃんと恋愛しなきゃ」と思って。初めて恋愛を意識したんです。自分にとってラジオで人生が変わった瞬間はこの2つです。

■ラジオ界へのメッセージ
横に並ばずに向かい合わせで喋ってほしい

 これが一番難しいです(苦笑)。偉そうに言える立場じゃないんで……なんだろう? 自分がここ数年聴いてて感じるのは、思っているよりもラジオって注目されているなって。あまりネガティブに思わないでほしいです。たぶんラジオはなくならないんで。

 ただ、ブレないでほしいですね。変に一般化しないでほしいなって。みんなに聴かれるとなると、そこに寄り添う形になっちゃうじゃないですか。『ANN0』がLINE LIVEで配信しているのも一種そういうことだと思うんです。あれはあれで悪くないというか、勉強になるところがあるんですよ。構成作家さんのメールさばきが見られたりして。とはいえ、映像を配信してばっかりになると、「もうそれはテレビじゃん?」ってなってしまうんですよね。

 個人的に好きじゃないのは、声優のラジオでたまにありますけど、横に並んで話している時があるじゃないですか。それってもうラジオじゃないと思うんですよ。ラジオって向かい合わせで喋ってもらいたいんです。ラジオって盗み聞きみたいなところがありますからね。
(取材/構成:村上謙三久)

※過去のリスナーインタビュー※
【1】Aさん(20代後半/会社員)の場合
「なにがあっても『メガネびいき』は聴いていくし、僕の人生の一部になっていくんだろうなと思います」
【2】Bさん(20代前半/大学生)の場合
「冗談抜きでラジオと出会ってなければ、今頃、何をしていたんだろうって思うんですよ」
【3】Cさん(20代前半/大学生)の場合
「いろいろと技術が発達している中で、ラジオの発想が逆に古くさくてよかったんです」
【4】Dさん(20代後半/会社員)の場合
「僕が何となくつぶやいたことを、学校のヤツらは『何を言ってんだ?』って言うけども、パーソナリティは『面白い』と言ってくれたんです」
【5】Eさん(30代前半/大学院生)の場合
「ラジオを聴いたら、『もうちょっと生きてもいいかな?』って死にたいと考えている人でも思う気がするんです」
【6】Fさん(20代前半/大学生)の場合
「何にもなかった日でもラジオを聴いて笑うと、『ああ、今日もいい一日だったなあ』って思うんですよ」
【7】Gさん(30代前半/事務職)の場合
「山里さんが本音に近い話をしてくれて、弱っていた僕はシンパシーを感じたんです」
【8】Hさん(20代前半/会社員)の場合
「ラジオから秋元康さんの物語は始まっているんですよね。それを知った時、『俺もああいう風になれるんじゃないか?』って。これ、文字にされたら恥ずかしいなあ・・・・・・(笑)」
【9】Iさん(30代後半/会社員)の場合
「就職して仕事が忙しくなると、一旦ラジオから離れてしまったんですよね。また本格的に聴くようになったキッカケは中村繪里子さんなんです。不思議なもので、10代の頃は声優さんのラジオって嫌いだったんですよ」
【10】Jさん(30代前半/会社員)の場合
「投稿が読まれる喜びって凄いんですよ。たとえ何回も読まれていたとしても、そのドキドキは変わらないのかなと。決して当たり前にはならないですね」