2009年10月29日

THIS IS IT ≪最高のL-I-V-E、全てのファンにL-O-V-E≫4

THIS IS IT

評価:80点

誰も見たことのない彼に逢える。

th1【監督】ケニー・オルテガ
【製作】ランディ・フィリップス
【振付】トラビス・ペイン
【出演】マイケル・ジャクソン
【製作】アメリカ(2009)
【日本公開日】2009/10/28
【鑑賞劇場】立川シネマシティ

 2009年6月25日、世界中に衝撃が走ったマイケル・ジャクソンの突然の死により、幻となったロンドン公演“THIS IS IT”。本作は、死の直前まで行われていた長時間に及ぶリハーサルを記録した映像を基に、今回のステージでクリエイティブ・パートナーを務めていたケニー・オルテガ自ら監督として幻の公演を再現する音楽ドキュメンタリー。(allcinema ONLINE)




th2


マイケル・ジャクソンは年代的に、その黄金期を知らないんだよね。だからアーティストと言うより、ゴシップで騒がれる有名人というイメージが一番強い。本人より、そのモノマネをしている人を見た方が多分多い。遡って、その偉業を追体験した事もなかったからね。故にこの映画が製作される発端、その製作期間の短さ等から、結構うがった見方をしていたりした。

けれど、そんな考えは速攻でブチ壊された。

希代のエンターテイナーたる所以が理解出来た。いや、体感出来たと言った方がいいのかな。まさかここまで熱狂してしまうとは思わなかった。当初は、こういった背景の中で作られるドキュメンタリーはどのような仕上がりになるのか、という興味のみだったからね(作品外の興味としては、シネマシティがどのような音響設計をしてくるのか?というものもあったけど)。

先程、ゴシップ的な印象しかなかったと言ったけど、昔はその整形遍歴に苦笑していたし、常に拭い切れない“あの疑惑”も強かった。それなのにリハとは言え、ステージ上のMJは、あんなにもオーラを発するものなのか。一つ一つの仕種が“キュー”となり、まるでコンダクターのように踊る様が、いちいち痺れる。あのMJが高音で発する「Fooooo!」も、ここまで突き抜けるような快感を味わせてもられるものだったとは。……ホントに縁が無かったから、恥ずかしいくらいにトーシロな感想になってしまっているけど(笑)

そして当然の事ながら、そんなトップクラスのスターを支えるのだから、そのスタッフも超一流なんだよな。リハでも充分スクリーンに耐えられる画、演奏、ダンスは圧巻としか言いようがない。特に『Black Or White』で、MJ直々にアドリブを任された女性ギタリストのプレイは昇天もの。気持ち良過ぎる!

さて、じゃあその当初の目的であった“短期間で作られたドキュメンタリー”という見方をすると、これまた充分な出来だったと思う。いきなり日本の話になるけど南田洋子とは違い予期せぬ最期だっただけに、映像の在庫は無いわけで、そうすぐに製作に取りかかれるわけでもない。だから予定されていたコンサートのリハを、そのまま編集してしまおうというのは苦肉の策だったはず。べつにそれは一般に公開する予定が無いものだったわけでもあるんだしね。

だからもっとMJ抜きの映像で、尺を稼ぐと考えていた。冒頭で、まずコンサートのために集まったダンサー達のインタビューから始まるんだけど、こういう路線でいくのかと納得したんだよね。周囲の人間の証言を屋台骨にするわけだ。でもそれは、それ以降を観れば分かるようにそう多くはなかった。とにかくMJ、MJ、MJ。

けれど、ただMJだけを追っていたわけじゃない。編集により、雑多な映像がちゃんと作品になっていた。どれだけクオリティーが高いとは言え、リハはリハ。でも打ち合わせの映像から始めて、リハのそれに繋げていく編集により、とてつもなく華やかに見えるんだよね。本来こういう編集をするなら“リハ→本番”にするんだろうけど、それが出来ないため“打ち合わせ”という、さらにその下の段階を用意して、リハの役目を押し上げたんだよね。これも苦肉の策ではあるけど、遜色無い程にカッコイイ。そのリハの映像に、本番で使う予定だったバックスクリーン用の映像も挿入され、なんとか本番を再現する事に力を入れた。

せめて擬似体験だけでもとね。

そう、これが本作を短期間で作り上げたスタッフの目的だろうし、最大のプレゼントだと思う。もっとMJを祭り上げたり、湿っぽくする事は、いくらでも出来ただろう。でもそういったものは、ほとんどスルーしたんだよね。ここが好感をもてるよ。

それよりも、とにかく観客との一体感を追及している。けどリハであるがために、そのパフォーマンスが綺麗に決まることはなかったりする。そこで不都合が発生して途中で止まってしまう事もあるし、MJの進言、ディレクターの指示が入ったりもする。しかしそれらが時に、こちらに語りかけられているように錯覚してしまう事があるんだよね。「観客のリアクションを待て」とかね。それによって、ライブのようなリアクションを映画館で出来てしまう、それをやってもはばかれない土壌が作られているんだよね。そういうシーンが面白いくらいに抽出されていて、ちゃんと“拍手→手振り→掛け声”と段階的に出来るように配置されている(笑)最後には『Man In The Mirror』では、「Stand Up!Stand Up!」と、自然とスタンディング・オベーションまで出来る作りになっている。俺が観た初回では、前述の三点は体験出来たけど、さすがにそこまでにはならなかったけどさ(笑)でもアメリカの映画館じゃ、きっとそれが巻き起こっているんだろうなぁ。

ファンのみが楽しめる垂れ流しの映像ではなく、配られた少ない手札の中で、最大限のものが仕上がったと思うよ。企画の発端的に、その製作期間の短さ的には垂れ流しでも構わなかったのにね。でもおかげで、こうして無知な奴が見事に呑み込まれてしまったんだけどさ(笑)



Posted by radiotube at 23:59│Comments(4)TrackBack(1)この記事をクリップ!映画レビュー 

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マイケル・ジャクソン。世界で唯一無二のスーパースターであり、最高のライヴに世界で一番心血を注いだ偉大なるエンターイテイナー。そして世界で一番愛された人であり、世界で一番愛に溢れた人。 2009年6月25日に旅立たれてからわずか4ヶ月で公開に至ったこの映画には世....
マイケル・ジャクソン THIS IS IT【めでぃあみっくす】at 2009年10月31日 20:58
この記事へのコメント
こちらにもお邪魔します。

マイケルどころか音楽すらあまり聴かない愚か者であるにもかかわらず観に行ったんですが、マイケルの圧倒的なエンターテイナーとしての情熱に圧倒されてしまいました。
曲が終わるたびに拍手をしたくなる衝動に駆られたんですが、ミツさんはしっかりそれを体験したんですよね。物凄く羨ましいです。

2週間限定公開なんてもったいない。是非ロングランして、多くの人にこの感動を味わって欲しいです。
Posted by えめきん at 2009年10月31日 08:29
スタッフはみんな超一流なのに、自分の才能を見せ付けたいとかではなく、純粋にマイケルファンだから彼と仕事をしたいという思いで集まっているところが凄く素敵でしたね。

そしてみんなにそう思わせるマイケル・ジャクソンの魅力を改めて心から体感させてもらった作品でしたよ。
Posted by にゃむばなな at 2009年10月31日 20:58
えめきんさん、こちらにもありがとうございます!

いやいや僕もえめきんさんと同じ愚か者みたいなものですよ。でもだからこそ、えめきんさんも僕も圧倒されたってのもあるんでしょうね。
観客のリアクションに関しては、有り難い事に存分に体験させてもらいましたよ。映画ではなく、完全にライブのノリでした。こんな“にわか”がここにいてもいいのかと、若干心配してしまう程に(笑)

めでたくロングランは決まりましたね!対応があまりに早過ぎて、これを見越した上で敢えて飢餓感を煽るために最初は限定にしたんじゃないかと邪推してしまいますが(笑)
Posted by ミツ at 2009年11月01日 21:11
にゃむばななさん、コメントありがとうございます!

特にマイケルにあそこまで憧れる、あのバックダンサー達を見ていると、素敵と思うと同時に切なくなってもしまいました。こちらはその未来を知ってしまっていますからね。それでもリハだけだったとはいえ、かけがえのないものには変わりないでしょうけどね。
Posted by ミツ at 2009年11月01日 21:15

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