第1章 熱帯夜 ♯1

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「ひ……必殺、内臓破裂、キーック!!」
 ゴツッ!! そのカタイ感触に驚いて、巳咲は夢から覚めた。
 夢の中で巳咲はキックボクサーであったが、どうやら技をキメた相手は人ではなく、壁のようだ。

 くそー、あとちょっとで『史上最年少、11才の世界チャンピオン誕生』だったのに。

 巳咲は額の汗をタオルケットで拭った。熱きバトルの名残なのか、とっくにエアコンが切れたせいなのか、もう暑くてたまらない。
「……うう、死ぬ……」
 手探りでどうにかリモコンを押したものの、しばらく眠れそうもない。だからってこんな時間にマンガ読んだりしたら絶対ママに叱られるし……。

 ……こんな時間?

 ネオンピンクで縁取られた壁時計は、午前2時を指していた。

 つまり今は……。

「う……うしみつどき?」
 草木も眠る丑三つ時……それはお化けのゴールデンタイム。
 巳咲は思わず息を殺し、枕にギュウとしがみつく。
 ああどうしてわざわざ聞き耳を立ててしまうんだろう、コワイのに変な物音とか怪しい気配を期待しちゃうのはナゼなの? 聞きたくないのに、つい、エアコンや時計の音の隙間に、呪いの声を探してしまう。それからほら、いつも見慣れたポスターに、じっと目をこらしたり。

 ……こういう時って、絶対そばに何かいる、って言うよね。

 恐怖を通り越して、なんだか楽しくなってきた、その時。
 ……キーッ、バタン。ヒタヒタヒタ……。

 ……ま、まさか?

 期待通りの展開に、盛り上がりかけた、その時。
 ……ゴホッ。

 明らかに生きた人間の咳払い。パパがトイレに行っただけか、いや……それとも。
 切り替えの早い巳咲は、すでに別の展開を期待していた。
「……ドロボーだったりして?」

 つい数日前、巳咲はキッチンのテーブルに、こんなチラシを発見した。
【先日、この付近で空き巣被害がありました。犯人はまだ捕まってません】

 そうだよ。いくらオートロックの7階だからって油断できないわよー? って、近所のオバちゃんだって言ってたし。ほんとコワイわよねぇ悪い人でも頭だけは良い人っているものねぇ、って、本当にそうだよねぇオバちゃん!

 もしドロボーだったら……巳咲はそろりそろりと起き上がった。


第1章 熱帯夜 
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