第6章 パンク☆キッズ #1

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 夏休みもいつの間にか、後半の後半に入ってしまった。さんざん遊びほうけて、宿題は手付かず……という現実に、打ちのめされる時期である。

「宿題は、朝の涼しいうちにした方がいいわよ」
 いやそんなエアコンのない時代の話をされても……などと思いつつ、初めのうちは母の助言に従って、得意分野の宿題に取り組む。国語のドリルに関しては、たったの1日で終わらせた。巳咲は漢字テストの類が大好きなのだ。
「夏休みだからって、ダレちゃいけないよね!!」
 毎年、最初の第1週は、がんばる。今年こそ、最初の1週間で宿題を終わらせよう!! と、決意する。決意するんだけどね……。

「夏休みなんだから、休ませてよ!!」
 今となっては、『夏休み』の意味すらわからない。
「宿題のせいで、最終的には休めないじゃない!!」
 中でも意味不明な宿題が、夏休みの計画表……というか、プチ日記? ママの時代にもあったらしいけど、一体何のためにお天気まで書き込んでプライベートライフを担任に(あのブキミなオペラーマンに)報告しなくちゃいけないんだ。
「……こんなの毎日マメに書くの、アキオと委員長ぐらいじゃないの?」
 巳咲も含めて大多数はテキトーにまとめ書き、おかげで誰かが『晴れ』と書いた日に隣近所じゃ『くもり』だったり『台風』だったり……あげく真夏なのに『』と書くアホ(つーかハル)もいたりして……気づくと毎年異常気象である。
「……最初から、やり直そうよ、夏休み」
 思わず五・七・五でつぶやきながら、巳咲は計画表を見つめた。ほとんど白紙の中で唯一、しかも解読不可能なほどコト細かに書き込まれた、ある日のお天気欄を。
「……戻るなら、あの日がいいよ、ハハロック……」

 ハハロック。巳咲は、あの日を、忘れない。
 8月8日……巳咲は、あの目が覚めるような青空を、忘れない。あの夕暮れの、オレンジと紫色のグラデーションを、忘れない。あの排気にくぐもる星空と、肌にからみつく生ぬるい風を、忘れない。
 そう、特別な日は、天気でさえも、特別な思い出となるのだ。異常気象どころか解読不可能になるほどに。

「……ハハロック、パイナップルの、アロハシャツ……今では遠い、淡い思い出……」
 今度は五・七・五・七・七でつぶやきながら、巳咲は『ハハロックのしおり』(秋生・作)を開いた……。


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