2013年01月04日
下北沢Ｘ新聞(2231)〜2013年、新年雑感〜
（一）
人口減、過去最大２１万人…出生最少１０３万人
年始めに流れたニュースの見出しだ。日々の街歩きの観察の中で何となく感じていることをこの数字が明確に示している。少子高齢化を端的に示したデーターだ。
シャッター街がますます寂れていく。住宅街の中にうち捨てられた家々、目にするのは老人ばかり、そして耳にするのは小学校の統廃合問題だ。社会、世の中が縮小に転じ始めている。
暮れ、大晦日に近くの大型スーパーに行った。男物の売り場でバーゲンをしていた。冬物の半額セールだ。二万円ほどのものが一万円だ。手頃な値段だと思って買おうとした。ところがあいにくその店のカードを忘れていた。次の日の元日からその店はやっている。売り場に行ってみると、その商品の値段が、半額の半額になっていた。元値の四分の一の値段で手に入れられた。幸先のよいスタートだともいえる。
羽毛ジャケットは自分の身体を暖めてくれる。だから私には幸いだ。が、すっきりはしない。このことの背後に大きな問題があるからだ。つまりはデフレだ。物が売れない、それで安値合戦が始まる。買う側にとっては好都合だ。が、このことが社会全体にとってよいことかは別だ。
つい最近の新聞の投書欄にあった。安値合戦でしのぎを削っている一人だ。結局利潤が出ないから人件費を削るほかはないと。かつかつ食っていた人がさらに低賃金を強いられる。格差社会の底辺は今相当に苦しい状況にある。
（二）
自分でも物を買わなくなった。買っても置くところがない。家中不要品だらけである。が、それらも捨てるには忍びない。
商魂というのも長年生きてくると奥底が見えてくる。もう騙されまいと思う。その好例は録画機器だ。まずはベーターに始まり、そして次はＶＨＳだ。これらのテープは何本捨てたのか分からない。今はブルーレイが売られているが購買欲はそそられない。また捨てる羽目になると思うからだ。テレビチューナーにＨＤ録画装置がついていてこれで間に合わせている。順次消していけばいいだけの話だ。
生きることはものを貯めるということでもある。このことで思い起こすのはリスの貯食行動である。冬の食糧難に備えて、秋口にエサを一生懸命に貯める。ところがそれをどこに埋めたのか全部は覚えていない。
この忘れ去られた食糧貯蔵庫が発芽して森林が保たれるという側面もあるようだ。
人間もリスと同じように貯物行動をしている。買い貯めてみたもののほとんどは忘れている。物置を見て、ああこんなものがあったのだと思うことはしばしばだ。
（三）
これまでの時代は、飽食、飽物の時代だったのではないかと思う。高速で回転してきた近代時間がぎりぎりまで達してきたように思う。人口の飽和、資源の払底など、自転車操業的なやりくりがにっちもさっちもいかなくなってきているように思う。先行きが見えない、五里霧中だ。
未来が見えない、それと中味が見えなくなった。機械近代は、素人に全く分からなくなった。かつては時計にせよ、発動機にせよ、分解できた。構造が分かって、理解もできていた。
ネジを緩め、機械を分解し、痛んだ部品を取り替え、潤滑油を塗る。それを再度、組み立てると発動機は勢いよくまわった。そういうアナログ機械時代は終わった。
今は中味は見えない。空気の毒性も分からない。ガイガーカウンターを当ててはじめてそれが分かる。見えないところで何かがなされている。
現代社会は、機械と人間とがあたかもうまくやっているように見せかけている。ところが本当は人間が機械にリードされているのだと思う。
（今朝、大岡山東工大構内から）
自分でも物を買わなくなった。買っても置くところがない。家中不要品だらけである。が、それらも捨てるには忍びない。
商魂というのも長年生きてくると奥底が見えてくる。もう騙されまいと思う。その好例は録画機器だ。まずはベーターに始まり、そして次はＶＨＳだ。これらのテープは何本捨てたのか分からない。今はブルーレイが売られているが購買欲はそそられない。また捨てる羽目になると思うからだ。テレビチューナーにＨＤ録画装置がついていてこれで間に合わせている。順次消していけばいいだけの話だ。
生きることはものを貯めるということでもある。このことで思い起こすのはリスの貯食行動である。冬の食糧難に備えて、秋口にエサを一生懸命に貯める。ところがそれをどこに埋めたのか全部は覚えていない。
この忘れ去られた食糧貯蔵庫が発芽して森林が保たれるという側面もあるようだ。
人間もリスと同じように貯物行動をしている。買い貯めてみたもののほとんどは忘れている。物置を見て、ああこんなものがあったのだと思うことはしばしばだ。
（三）
これまでの時代は、飽食、飽物の時代だったのではないかと思う。高速で回転してきた近代時間がぎりぎりまで達してきたように思う。人口の飽和、資源の払底など、自転車操業的なやりくりがにっちもさっちもいかなくなってきているように思う。先行きが見えない、五里霧中だ。
未来が見えない、それと中味が見えなくなった。機械近代は、素人に全く分からなくなった。かつては時計にせよ、発動機にせよ、分解できた。構造が分かって、理解もできていた。
ネジを緩め、機械を分解し、痛んだ部品を取り替え、潤滑油を塗る。それを再度、組み立てると発動機は勢いよくまわった。そういうアナログ機械時代は終わった。
今は中味は見えない。空気の毒性も分からない。ガイガーカウンターを当ててはじめてそれが分かる。見えないところで何かがなされている。
現代社会は、機械と人間とがあたかもうまくやっているように見せかけている。ところが本当は人間が機械にリードされているのだと思う。
（今朝、大岡山東工大構内から）
