180613グレゴリオ聖歌~教会堂開基祭のミサ

ゴーデハルト・ヨッピヒ神父 指揮
ミュンスターシュバルツァハ修道院聖歌隊

①イントロイトゥス「ここは、なんと畏れ多い場所だろう」
②キリエ 第14番
③グローリア第14番
④グラドゥアーレ「この所をつくりたもうたのは」
⑤アレルヤ「聖なる神殿に向かって」
⑥オッフェルトリウム「わたしは正しい心をもって」
⑦サンクトゥス第14番
⑧アニュス・デイ第14番
⑨コンムニオ「わが家は祈りの家と呼ばれるべきである」

(1981年1月,6月、1982年1月 ミュンスターシュバルツァハ 録音 Archiv)

 「巡礼橋」という小さな橋、いちいち名前が付いているのも不思議なくらいの橋が宇治市内の北部の住宅地域にあります。弥陀次郎川という細い川(何年か前堤防が決壊した被害が出たので決して侮れる川じゃない)の上を通る市道の橋で、その道も含むのかどうか分かりませんが「頼政道」という古道もあり、巡礼橋もそれに関わるものなのか、あるいは西国三十三カ所の札所の寺が南方にあるのでそこへ向かう道という意味
かもしれません。それにしても巡礼と言えば告解してからの償い、免償に関わることと思っていたら段々そんな堅苦しい巡礼が減ってきたのかどうか、言葉自体もあまり目にしない気がします。

 このCDは多数あるヨッピヒ神父とミュンスターシュバルツァハ修道院聖歌隊によるグレゴリオ聖歌の録音から、「教会堂開基祭のミサ」と「聖母被昇天」の固有文聖歌を中心に集めたものです。今回は前者を聴きました(全然別の機会なので一応分けました)。「教会堂開基祭」という用語は見慣れないもので同じ聖歌の構成のレコード、CDで「献堂式」と銘打たれたものもありました。過去記事ではフランスのフォンゴンボー・ノートルダム修道院聖歌隊のCD(「グレゴリオ聖歌 その伝統の地を訪ねて」の中の一つ)を取り上げていましたが、それは「ソレーム唱法(定量リズム)」による歌唱だったのに対して今回のものはミュンスターシュバルツァハ修道院に伝わる唱法(ソレームではない計量リズム)で歌っています。

 とりあえず聴いた印象では空中に浮遊するように響くフォンゴンボー・ノートルダム修道院聖歌隊の歌に対して、もっと力強く規律的?な印象を受けます。ソレーム唱法とは違うとしても極端に別な唱法とかグレゴリオ聖歌と違う聖歌だと間違う程ではないので、ミュンスターシュバルツァハ修道院の聖歌歌唱も独特だと思います。「グレゴリオ聖歌 その伝統の地を訪ねて」に収録された歌唱法の中にはもっと歌唱、演奏効果の違いが顕著なものもありました。

 曲目の内で「固有文」は両者で同じ聖歌のようですが、ミサの通常文は今回は第14番を使っているのでその点でも印象が違います。現代の典礼では特に教区の教会ならグレゴリオ聖歌は滅多に聴く機会は無く、通常文の第14番にしろ第12番もどういう機会に充てられるのか全然分かりません。それから「教会堂開基祭」と「献堂式」はどう違うのかも同様によく分かりません。ただ、後者は新規に建設、或いは再建されてこれから聖堂としてささげるという機会のように読め、前者は新築後も周年行事的に行うことも含むように読めます。

 教会堂開基祭の固有文と通常分を組み合わせているものの、開基祭のミサそのものを再現するまでには至っていないので、どこかの聖堂で実際に開基祭ミサが行われたらどういう具合なのか今一つイメージできないのはやむを得ないところです。ちなみに新たに司祭になる叙階式の場合は「五体投地」と言うらしい、聖堂の床に体を投げだして横たわる動作をしたり、聖木曜日の「主の晩餐のミサ」なら洗足式があったりします。