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続・今でもしぶとく聴いてます

ジェラール・レーヌ

24 2月

ペルコレージのスターバト・マーテル レーヌ、ジャンス

1802z23ペルコレージ スターバト・マーテル ~ ソプラノ、アルト、弦楽と通奏低音のための

ヴェロニク・ジャンス:ソプラノ
ジェラール・レーヌ:アルト(CT)

イル・セミナリオ・ムジカーレ

(1997年2月2-6日 パリ,ドミニコ会修道院 録音 Erato - Parlophone)

 ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルコレージ(Giovanni Battista Pergolesi 1710年1月4日 - 1736年3月17日)は、J.S.バッハよりも四半世紀後に生まれていながら26歳で亡くなったためにバッハの創作期間に生涯がすっぽりおさまってしまします。ペルコレージがその短い活動期間に残した作品の中でスターバト・マーテルは一番有名かもしれません。このCDは同作品とサルヴェレジーナ(アルトと弦楽)、3声のシンフォニア(チェロと通奏低音)が収録されていて、カウンター・テナーのジェラール・レーヌと彼が創設したアンサンブルのイル・セミナリオ・ムジカーレ、ソプラノのヴェロニク・ジャンスらが競演しています。

 CD付属冊子の曲目には「ソプラノ、アルト、弦楽と通奏低音のための」と編成が注記してあるのは原典、そもそもの編成での演奏を念頭に置いてのことかと思いますが併録のサルヴェ・レジナ共々に感銘深い演奏です。作曲者の最晩年(といっても25,6歳)の作品なのでこういう編成、スタイルの演奏の方がより魅力的だと改めて思いました。それにやっぱりジェラール・レーヌの歌唱、声質が独特で、ルソン・ド・テネブルやスターバト・マーテルといった四旬節・聖週間の作品に不思議にふさわしく聴こえます(何がそう思わせるのか??)。

 レーヌが古楽(最初はフォーク、ロック等でファルセットの声で歌っていたらしい)に転向してからのレパートリーはフランス、イタリアのバロック作品なのでこの曲もド真ん中ということになります。今頃になってジェラール・レーヌのCDを探してみると大抵が廉価盤化していて、録音データも限られ、情報量が少ないのが残念です。

 競演のヴェロニク・ジャンス(Véronique Gens 1966年4月19日,オルレアン – )はバロック期の作品を主なレパートリーにしてきたフランスのソプラノで、当然他にもジェラール・レーヌ(Gerard Lesne 1956年7月15日,パリ - )との共演がありました。先月のフランソワ・クープランのテネブルですっかり魅了されたレーヌの参加した録音を探していてこれを見つけたわけですが、ジャンスのソプラノも見事で、この作品との相性も素晴らしいと思いました。
25 1月

F.クープラン 聖水曜日のルソン・ド・テネブレ ジェラール・レーヌ

1801z25aフランソワ・クープラン “ Lecons de Tenebres(聖水曜日の三つのルソン・ド・テネーブル)

アンサンブル・イル・セミナリオ・ムジカーレ
ジェラール・レーヌ(CT) 
スティーヴ・デュガルディン(CT)/グレゴリオ聖歌,第3ルソン 
ジュゼプ・カブレ(Br)/グレゴリオ聖歌
マルコム・ボズウェル(B)/グレゴリオ聖歌 
ブルーノ・コクセ(バス・ド・ヴィオロン)
パスカル・モンテイエ(テオルボ) 
ジャン=シャルル・アブリゼル(オルガン)

(1991年5月6日-8日 メーヌ=エ=ロワール県,フォントヴロー=ラベ,フォントヴロー修道院 録音 HARMONIC CLASSICS)

1801z25 今年の「灰の水曜日」は2月14日なのでまだ二週間以上先ですが、思いがけず「暗闇の朝課」、聖なる過ぎ越しの三日間のための聖務日課の素晴らしい作品、演奏に出くわしたので前倒しで取り上げました。フランスのバロック期の作曲家であるフランソワ・クープラン(François Couperin 1668年11月10日,パリ - 1733年9月11日,パリ)はクラヴサン(チェンバロ)作品が有名ですが、教会音楽の作品も残っています。この作品は聖木曜日から土曜日まで、三日分の朝課があったところが最初に出版された「聖木曜日」分だけが現存していてクープランだけでなく、フランスバロックの代表作として有名です。「聖水曜」という語が使われているのは、典礼上日没後は翌日の典礼になるという規則(あるいは運用上の取り決めか)があったのでフランスでも当時から聖木曜の朝課を前晩に行っていたからだとされています。ちなみに現在の日本でも土曜の夕方に行うミサは翌日の主日ミサと同じになっています。

 この作品、録音ともに古楽愛好家の間ではかなり有名だったようですが、今回これを聴くまで自分の中ではあまりクープランの声楽作品自体が印象に残っていませんでした。「1声と2声のためのルソン・ド・テネブル」という作品名表記もあるように、旧約聖書の「哀歌」から抜粋した歌詞を独唱、二重唱が歌うというシンプルな構成ながら、耳から入って心情に溶け込むような感動的な作品だと今回初めて実感しました。このCDは下記のトラック分けになり、グレゴリオ聖歌による聖木曜日の朝課のレスポンソリウム等を組み合わせて聖務日課を再現しています。

①グレゴリオ聖歌:アンティフォナ
 わたしの神よ、あなたに逆らう者の手からわたしを逃れさせて下さい
 主よ、御もとに身を寄せる(詩篇唱)
 わたしの神よ、あなたに逆らう者の手からわたしを逃れさせて下さい
②F.クープラン:聖水曜日の第1のルソン
③グレゴリオ聖歌:聖木曜日の第1のレスポンソリウム
 わたしは、飼いならされた子羊が屠り場に引かれていくように
④F.クープラン:聖水曜日の第2のルソン
⑤グレゴリオ聖歌:聖木曜日の第2のレスポンソリウム
 あなたがたのうちの一人が、わたしを裏切ろうとしている
⑥F.クープラン:聖水曜日の第3のルソン
⑦グレゴリオ聖歌:聖木曜日の第3のレスポンソリウム
  今夜、あなたがたは皆わたしにつまずく
⑧グレゴリオ聖歌:ヴェルスス
  キリストはわたしたちのために僕の身となられた

1801z25b クープランが作曲した三つのルソン(トラック②④⑥)はフランスの代表的なカウンター・テナーであるジェラール・レーヌ(Gerard Lesne 1956年7月15日,パリ - )が歌っています。第3のルソンはもう一人デュガルディンが加わっていますが、このCDを最初に再生した際にトラック①のアンティフォナが終わって第1のルソンが始まった時、独唱者の声に強烈にひきつけられました。男声歌手であるカウンター・テナーはバロック期の作品ではおなじみですが、これほど鮮烈な印象を受けたのは初めてでした。おかげで作品自体もシュッツのドイツ語受難曲やビクトリアらと同じくらい感銘深い教会音楽だと思い、生涯の一枚に相当しそうです。

 ジェラール・レーヌのプロフィール紹介には「ロック歌手から転身」といことが付いて回っています。バンド名とか出したアルバムは知りませんが、ソルボンヌ大学で音楽学を学び、在学中からクレマンシック・コンソートのメンバーとして、古楽演奏を始めました。その後アンサンブル・オルガヌム、アンサンブル・クレマン・ジャヌカンらと共演を重ねて、1980年代半ばには、レザール・フロリサンのメンバーとして活動しています。1985年にこの録音のアンサンブルである「Ensemble II Seminario Musicale(イル・セミナリオ・ムジカーレ)」を自ら結成しました。イタリア・バロックのレパートリーが多いということですが、残念ながらこれ以外には聴いたことがありません。
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