2010年02月16日

無手無冠 純米生原酒5

無手無冠 蔵へ毎月注文している「無手無冠 純米生原酒」。

 写真が傾いているのではありません。 ラベルがずれているのです。 キレイなラベルに出会ったのは、いつだろう?

 注文してからラベルを張るためか、生乾きのまま箱詰めされたラベルはよっしん宅に届いたらはがれている、なんてことも通常。

 これが「無手無冠」の個性(苦笑)!

 ちなみに、四万十の山奥に注文したら翌日に埼玉へとどくという、宅配便の速さにはおどろくばかりです。

 よっしんが今まで飲んできた750以上の蔵、3000以上の商品のなかでトップのお酒。 無名なことが残念でもあるし、ホッとする部分でもある。

 2003年秋、京都二条の「とおる蕎麦」の冷蔵庫に「無手無冠 純米生原酒」を見つけ、「酒BAR よらむ」のヨラムさんや「鵜飼商店」の鵜飼さんと出会った。 鵜飼さんもヨラムさんも「無手無冠」ファン。

 冬に仕込んで、次の冬まで熟成させて出荷するから、最低でも約1年の熟成生酒。 新酒(といっても1年熟成)に切りかわる直前は、約2年熟成のお酒が楽しめる。 生を熟成させて出荷するところが、ヨラムさんにとって好印象らしい。

 そんな貴重な出会いを与えてくれた、思い出もつまっているお酒。


 銘柄は「冠におぼれず、飾らず、素朴な心を大切に、ひたすら自然を生かした地の酒造り」という姿勢を表している。 鑑評会には出さず、無農薬・無化学肥料・無動物性堆肥で栽培された米だけを、削りすぎずに大切に使う。

 人里離れた四万十で醸される地の酒。 環境・生態系への配慮、循環型農業を続けてきた。 酒蔵のあるべき理想像のひとつかもしれない。


 いつも飲むお酒だから、いつ記事にしても良いし、その反面いつ投稿すべきかがわからない。 今回は、似た風味の「一本義 純米無濾過生原酒」の登場によって、その機会を得た。

 前回の記事から数年、「無手無冠」にはちょっとした変遷があった。

 ラベルのマイナーチェンジ・・・は傍論。 原料米の変更、焼酎ブームの2つが大きな要因だったと思う。

 かつて使われてきたお米は、新潟生まれの酒米一本〆、伝統的な飯米黄金錦。 高知のイメージとしては薄いものだった。

 2004年秋の造りから、高知生まれの酒米風鳴子、有機栽培に適した西日本の飯米ヒノヒカリに変更。 たしかにこちらのほうが、蔵の目指す「地の酒」のイメージに近い。

 ところが、折しも焼酎ブームによって蔵の栗焼酎「ダバダ火振」が大人気となったことが、純米酒の改革に影を差したのかもしれない。

 以来、急に味がやせ、色も薄れてしまった。 以前なら夏でも生酒を常温で配送してくれていたのが、クール便で届くようになった。 夏の暑さでへこたれる軟弱な生酒ではなかったのに。

 鵜飼さんの「焼酎が売れてお酒がいいかげんになっている」との指摘もうなずける。


 しかし2008年の冬、2年続いた暗い気持ちは吹き飛んだ。

 お米の扱いに慣れてきたのか、それともどんな理由があるのだろう? あの濃厚すぎる「無手無冠」が帰ってきた!


 ナッツ様の油脂を感じる濃厚な旨味にくわえ、ラムレーズンのような熟成感があって複雑さを増している。 甘味を排した力強い旨味、濃厚で余韻も豊かなのに爽快な後口。 まとまりのある豊かな味わい、圧倒的な存在感。

 ヨラムさんの説明では「香りは全然無い。 後から味が広がる、不思議な酒」。 ヨラムさんは、お店にある数十種類の純米酒の中でもっとも濃厚なお酒として「無手無冠」を紹介・提供している。

 日本酒評論家の松崎晴雄氏によると「豆を焙ったような独特の香りがあり、口中にはクルミを思わせる油気を帯びたナッツ系の風味が広がる。 現代的な嗜好を反映した淡麗型酒質の対極にある酒と言える」。

 ヨラムさんの指摘のとおり、最初の香りにインパクトがなく、後半に劇的な味わいが現れる。 しっかりした酸と圧倒的な旨味は、他のお酒の追随を許さない。

 「無手無冠」を飲んでしまうと、次に他のお酒が飲めなくなってしまう。 だからまた「無手無冠」を飲む。 冷温、常温、ぬる燗で。 弱点がない。


【高知県高岡郡四万十町(旧:幡多郡大正町) 無手無冠
 純米酒(無濾過、生、原酒)
 1800ml:2825(2966)円   720ml:1324(1390)円
 アルコール度数:18.2   日本酒度:+5
 原料米、精米歩合:
  (麹米)風鳴子[無農薬・無化学肥料栽培]、60%精米
  (掛米)ヒノヒカリ[無農薬・無化学肥料栽培]、70%精米
 酵母:協会7号   酸度:1.6   アミノ酸度:2.4


「無手無冠」の過去の記事
「無手無冠 純米生原酒(純米 生の酒)」
 (↑2005年08月2004年11月2003年12月
「無手無冠 宇宙酒」(2007年04月
「無手無冠 酒槽一番汲み」(2006年08月2005年03月
「無手無冠 特別純米酒」(2006年08月

rain_of_tears at 22:31│Comments(0)TrackBack(0)clip!高知のお酒 | 好み度5★★★★★

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