2009年07月11日

小笹屋竹鶴 生一本 番外 純米無濾過原酒3

竹鶴 生一本 池袋東武で試飲・購入。

 2月の試飲販売の際に購入したものを開栓。 家でも外でも、暑いときこそ燗酒です。

 試飲販売では「竹鶴」の竹鶴敏夫専務が来店。 そして、今年も刺激的なお話をうかがえた。

 お題は、名づけて「製造年月日っていつ?」

 しぼった日、ビン詰めした日、出荷した日。 少なくとも3種類の「製造年月日」が思いつくが、どの日付を記載するかは法令で規定されていない。

 製造年月日が古いと「売れ残りなのか」といってクレームが来るという。 だから、大多数の蔵は「製造年月日=出荷日」としている。

 2008年3月にしぼったお酒でも、1年熟成させて出荷すれば「製造年月 2009年3月」。 出荷日がいちばん新しく表記できる。

 一般の認識では、しぼってまもなく出荷した「製造年月 2008年3月」はイヤで、熟成後に出荷した「2009年3月」なら満足らしい。

 同じ中身なのに(苦笑)。 新しい日付じゃないと不安ですか。

 じゃあ「寒造り純米 製造8月」という表記で安心するわけ?

 ホンマかいな〜!? まったくもってあいまいな酒造界です。

 大阪「秋鹿」は製造年月日=出荷日のほかに、しぼった日を記載する。 埼玉「神亀」は製造年月日=ビン詰日を印字した後に、ビンで熟成させてから出荷する。

 広島「竹鶴」や兵庫「奥播磨」をはじめ、製造年月日=出荷日のほか、酒造年度(BY)をビンに記載する蔵もある。

 結局のところ統一感なし。 多くの蔵が不透明な状況です。

 この際、しぼった日・ビン詰め日・出荷日、全部記載してください!





 閑話休題。

 硬い(味乗りが遅く、熟成しない)お酒をつくる「竹鶴」は、熟成していざ出荷しても「まだ若い」という印象の商品ばかり。 それほどゴッツイ酒質。

 しかし、さすがに7年間常温で熟成した「竹鶴 番外」は飲みごろ。

 無濾過の「竹鶴」は新酒のときから色濃いが、古酒になったこのお酒はさらに濃い色になっている。

 古酒独特の焦げた香りは少なめで、上品で複雑な香り。

 稲ワラ、松葉、藤の花。 色んな香りを感じる。

 トロリとした口当たりに、クリアな旨味が広がり、しっかりとした酸が骨格を整える。 甘ったるくならないのは、苦味・酸味がちゃんとバランスを取っているから。 長い余韻も心地よい。

 激しさや重さのない、やさしく深い味わいの古酒だ。

 たしかに、個性的すぎる蔵の中でも個性的なお酒。 古酒が苦手な人、日本酒になじみの薄い人には、おすすめできません。

 古酒好き、「竹鶴」ファン、覚悟のある方におすすめします。


【広島県竹原市 竹鶴酒造】
 純米酒(無濾過、原酒、古酒)
 1800ml:2,600円(5%消費税込2,730円)
 720ml:1,300円(5%消費税込1,365円)
 アルコール度数:16.3%
 日本酒度:+7
 原料米:山田錦(広島県産)
 精米歩合:60%
 酵母:協会7号
 酸度:1.9
 アミノ酸度:1.9

rain_of_tears at 22:47│Comments(0)clip!広島のお酒 | 好み度3★★★

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
blog内検索
Archives
Recent Comments
訪問者数

    アクセス数