レインボーの絵本大好き!

2014年01月

表紙ダジャレもここまで来ると脱帽

おしろとおくろ』が衝撃的だったので、思わず手に取ってしまいました。
題名は???ですが、表紙を見て、あ、またあのお城さんたちが登場ね、と合点がいきました。
城相撲かな、と読み進めていくと、ん?おしりふりふり?
こ、これはもしかして、「しりずもう(尻相撲)」のダジャレ?
ダジャレもここまで来ると脱帽です。
「おしろう」という城の相撲修行に至っては、グローバルなダジャレ炸裂です。
大仏様、サイ、スフィンクス、太陽。
みんな、ダジャレを言いたいがための登場といった様相です。
苦しいダジャレもありますから、やはり読者も心して聞いていないと、
おもしろさをスルーしてしまいます。
ということで、やはり小学生以上くらいからでしょうか。


表紙宝の正体

折り紙と忍者の組み合わせ。
意表を突かれますが、意外に納得させられてしまいます。
七変化の忍者の術こそ、折り紙ならではの特技ではありませんか。
折り紙の国の殿様から、幸せそうな隣国の秘密=宝を見つけてくるよう命ぜられた折り紙忍者。
折り紙を駆使して、忍者の任務を遂行し、あずき城に潜入します。
そして、あずき姫のところにまでたどりつきますが、
このあずき姫、なかなか手ごわいのです。
どんな術を使っても、お菓子を使って、忍者を丸め込んでしまうのですね。
とうとう折り紙忍者もお菓子をほおばって遊びだす始末。
そう、宝の正体を感じ取ってください。
華麗な折り紙、幸せの源のお菓子。
素敵なコラボです。
もちろん、各種折り方の資料も載っていますから、折り紙体験もできます。
折り紙忍者の造形も完成度が高いです。


表紙だるまさんが・・・だ

表紙から、個性的なだるまたちにインパクトがあります。
題名からうすうす推測はできますが、
「だるまさんが・・・だ」で綴るストーリー。
オーソドックスな序盤から、一気にドラマチックに進むところは見事ですね。
特にラストは、なるほど、その気持ち、わかります。
私的には、「ねこんだ」の光景が印象的でした。
七人の色合い、容姿、なかなか絶妙です。
独特のだるまワールドに、脱帽。

表紙フクロウだから

日本人ですが、米国で活躍されている作家さんのリノリウム版画で描かれた作品です。
『THE MIDNIGHT LIBRARY』が原題。
「MIDNIGHT」のニュアンスがいいですね。
真夜中から夜明けまで開館する図書館の様子が描かれます。
スタッフは、女の子カリーナと、3羽のフクロウたち。
知の象徴ともいわれるフクロウがスタッフなんて、ぴったりですね。
そうそう、夜行性だからこそ、開館時間が夜というのも納得です。
静かで整然とした図書館。
時々ハプニングもありますが、スタッフの的確な誘導で、見事解決です。
図書館、読み聞かせの心地よさがいっぱい伝わってきて、嬉しくなりました。
MIDNIGHTの図書館らしく、版画の黒・黄・青だけの色彩がマッチしていますね。
石津さんの軽快な訳文もキュートでした。

表紙やりたいことがたーくさん

表紙に題名、とってもキュートです。
甘い香りまで感じませんか?
お城で暮らす、クッキーの王様と女王様は、コックさんたちに何でも必要なものを焼いてもらえるのです。
そこで、焼いてもらったのが、こども、つまり、クッキーひめだったのですね。
そのかわいい姫のために、いろいろ焼いてもらうのですが、物足りない、
というわけで、妹を、ということになるのです。
クッキーで何でも作れるという発想が素敵です。
しかも、50人も!
「やりたいことがたーくさん」のセリフも実感ですね。
クッキー作りの楽しさが伝わってきます。
もちろん、レシピもちゃんと添えられていて、読者の夢をかなえてくれます。
幼稚園児以上くらいなら、いっぱい共感してもらえそうです。
もちろん、スイーツ女子にはお勧めです。


表紙建築家の描くだまし絵

建築家の経歴のある青山邦彦さんがだまし絵!?
専門的なことはわかりませんが、確かに、完成度が高いような気がします。
家づくりの現場に新入りの男の子が紹介されます。
名前はハンヅ。
handsを連想させますね。
ところが、このハンヅが手伝うと、現場はだまし絵の世界へ。
立体が揺さぶられ、柱をたどっていくと、空間がゆがみ始めます。
すっかり落ち込むハンヅですが、火事では大活躍!
無事みんなの信頼を回復するのですね。
不思議な建物も、視点を変えれば面白いのです。
なぜかずっと降りつづける階段など、やはり考えれば考えるほど不思議です。
全頁だまし絵の宝庫。
じっくり楽しんでほしいですね。
大人も引き込まれますよ。

表紙積み木の技

題名がいいですね。
しかも、表紙のつみきたちの表情の凛々しいこと。
つみきくんたちが、たんすの上に残された仲間を助けるストーリーです。
高いところなので、積み木パワーで、高い塔を作るのです。
もちろん、最初は失敗。
でも、鮮やかに、工夫しますよ。
パーツの形がバラエティ豊かで、なかなか難易度が高そうです。
他のおもちゃたちももちろん、手伝ってくれますよ。
仕掛けも使って、ハラハラドキドキ。
それだけに達成感はひとしおです。
いしかわこうじさんの『つみきくん』で、積み木の素晴らしさを再認識しましたが、
この作品でも、その魅力は十二分に体感できます。
裏表紙ではちゃんと木箱にきれいに収まります。
この見事さも、しっかりと味わってほしいです。
やはり、高度な積み木も理解できる幼稚園児以上くらいからでしょうか。


表紙誕生日

マイペースな、ねこのモグの家族が紹介されています。
祖父母、両親、兄弟、おじ・おば、と、なんてたくさん!
しかもそれぞれ、個性的ですね。
コメントが飄々としていて、おもしろいです。
一通り紹介されたところで、みんなそろって、おでかけ!?
いえいえ、ちゃんと素敵なラストです。
ケーキにも注目!
お、お魚入りケーキ!?
家族に祝ってもらう、その雰囲気にほっこりです。
この家族がいての、モグなんですね。

表紙消防の鐘に思わず反応

曽祖父のエピソードから紡がれたストーリーのようですね。
馬車が主流だった時代の、バーモントという町でのおはなし。
行商人のレヴじいさんは荷車を馬にひかせていたのですが、
その馬が老化で使えなくなり、代わりにやってきたのが、
元しょうぼう馬のマクシミリアン、通称マックスだったのですね。
ところが、前歴が染みついていたマックスは、行商中も、消防の鐘に反応、
暴走してしまうのですね。
そのハプニングがたっぷりと描かれます。
のどかな行商風景だからこそ、そんなハプニングも、みんなおおらかに受け止めていますね。
マックスの注意をそらすためのアイデアはなるほど、です。
バイオリンの音色もまた、物語にスッと溶け込んでいます。
やや込み入った、古き良き時代のストーリーなので、
小学生以上くらいからでしょうか。

表紙ことわざにもなっている民話

ことわざにもなっているベンガル地方の民話だそうです。
ダーという名のぐうたら男が主人公です。
ダーは楽をしたいと、市場で馬を買おうとするのです。
そこで、悪徳商人に言いくるめられて買わされたのが、「馬の卵」。
じつはかぼちゃなのですが、すっかり信じ込んだダーは、
持ち帰る途中、卵がかえったと勘違い、その場から逃げる動物たちを
次々と追いかけるのですね。
しかも、それぞれ隠れた場所で、違う動物とすり替わってしまい、
最後にはトラになってしまうところは、やはりベンガルですね。
テンポの速い展開はまるで落語です。
オチのセリフも巧いです。
とにかく、勘違いとはいえ、足の速い馬を追いかけるという前提なので、
スリリングな様子につい乗せられてしまいます。
絵もユーモアたっぷり、臨場感も伝わってきます。
「まゆつば」に近いこのことわざ、興味深いですね。
幼稚園児くらいから、楽しめると思います。


表紙善良な人々

インドの「ジャータカ」という説話集の中のおはなしを紹介した作品。
お釈迦さまが生まれる前のおはなしですが、
善良な人々がたくさん登場し、心が清々しくなります。
夫と二人の息子たちを次々と亡くしたおばあさんは、
仏様の教えを思い出し、自分より不幸な人々に尽くすのです。
ある日、家に泊めた馬商人の馬が出産し、仔馬が生まれるのです。
息子のようにかわいがってくれるおばあさんと、仔馬は心を通じ合わせるのですね。
立派になった仔馬は、王様に所望されますが、やはりおばあさんのもとへ。
王様も無理強いしないところが、素晴らしいです。
アジアの風景をたくさん描写している小林豊さんの絵には、
インドの風景や人々の暮らしが活写されています。
瀬戸内寂聴さんが丁寧に書き下ろした文章は、とてもやわらかい印象でした。
やさしい心がいくつも重なりあって織り成すストーリー。
子どもたちに届けたいおはなしだと思います。

表紙森の行動

題名からインパクトがあります。
ましてや、内田麟太郎さんと長新太さんコンビです。
表紙から、読者を惹きつけます。
大きな山と山、その間に森。
そこに、52日間、雪が降り続いたというのです。
もちろん、森の動物たちは穴蔵で寒さをこらえています。
その時、森が異常行動をとります。
そして、動物たちは、その原因を推理し始めます。
ところが、ラストで明らかになる真相は唖然です。
あとがきを読むと、内田麟太郎さんと長新太さんが製作した様子がうかがえます。
その発想、厳かに語られる数値も含めて、ナンセンス、たっぷり感じてください。




表紙な・い・し・ょ

題名に???となります。
作者を見て、あ、ナンセンスな何かが始まるな、と思いました。
捨て猫2匹の哀れな様子がプロローグから唐突に始まります。
住む場所を追われ、行く先々で、暴力的に追い出される捨て猫たち。
このあたりの描写は少し生々しくて、
子どもたちはどう受け止めるか、少し不安はあります。
仕方なく川上で、傷口を癒していると、不思議なことが。
水をなでると、海魚が降ってくるのです。
川が海のしっぽだから、という視点に、びっくりです。
くすぐったいという感覚が、なんとも斬新ですね。
この秘密を「な・い・し・ょ」とする感覚が、読者に寄り添っていますね。
内田麟太郎さんの、哀愁を帯びた、奥の深い文章に、
長新太さんが、独特の画風で寄り添っています。
不思議な読後感でした。


表紙モーツァルト

日本画家である東山魁夷さんの作品を、いわさきちひろさんの息子である松本猛さんが物語風に構成、
文章を添えた作品。
あとがきにもありますが、東山魁夷さんの作品には、モーツァルトの影響があるとのこと。
ドイツやオーストリアの風景の絵が、ストンとストーリーに溶け込みます。
東山魁夷館の館長もされて、研究書もある松本猛さんだからこそ、
紡ぎだされるストーリーが素敵なハーモニーでした。
「ぼく」という主人公が、幻想的な森で出会った白い馬に導かれ、ヨーロッパの風景の中を旅し、
自分探しをするのです。
絵本ですが、大人向けの重厚な作品です。
東山魁夷ファンとしては、作品の一解釈として、興味深かったです。


表紙宮城県の昔話

宮城県に伝わる昔話の再話です。
荷物を運ぶ馬方が、山道でやまんばに出会い、
積み荷の魚や馬まで奪われてしまいます。
やっとのことでやまんばから逃げて
一軒家に隠れていると、そこはやまんばの家だったのです。
かくして、馬方の仕返しが始まります。
横長と縦長の画面を効果的に使い、
スリリングな展開となっています。
語り口も、展開も、昔話の繰り返しのリズムが心地いいです。
小学校のおはなし会で読みました。
馬方、火の神、萱(かや)など、難しい言葉もありましたが、
丁寧な描写で理解してくれていたようです。
何より、心地いい文章を読むだけで、その世界観が伝わってきます。
子どもたちもしっかりと聞き入ってくれました。

表紙どんぐりいっぱい

小さい子向けおはなし会用にセレクト。
しっぽがぐるぐるのリスだから、ぐるぐるちゃん。
この視点、ありそうでなかったので、新鮮です。
そのぐるぐるちゃんが、お母さんと一緒にどんぐり拾いするストーリー。
どんぐりをほおばって、しっぽにも巻きつけて。
リスの習性でもありますが、ぷくんとふくらんだほっぺがかわいいですね。
独特のコラージュと筆使いで、秋の森の様子や、リスの毛並みも見事に表現されていて、
素敵です。
どんぐりの季節のおはなし会で、ぜひ読んでみたいです。

表紙チベットの穀物の由来

チベットの主食である大麦の由来についての民話を丁寧に再話した作品。
チベットのプラ国のアチョ王子は、国の人々のために、穀物の種を得ようと、
山の神のところに出かけます。
同行の家来も脱落していくほどの、険しい道程を経て、
ついに山神のところへたどり着きます。
山神は、穀物の種のありかを教えてくれますが、またまた、難関が待ち受けます。
竜王に犬に変えられても、山神の忠告に従い、根気よく目的を達成するのです。
穀物の種のありがたさが伝わってきます。
妻となるゴマンという娘との交流も丁寧に描かれます。
アチョ王子、ゴマン、山神、竜王、犬など、それぞれの造形が素晴らしいです。
特に、アチョ王子、犬の気品高さは美しいです。
物語がやや複雑で長いですが、じっくりと味わってほしい作品だと思います。



表紙甘すぎず、辛すぎず

ほんわかしたキャラクターが味わい深い西村敏雄さんの作品。
今回はくまたちのパン屋さんですね。
幼馴染のくまさんとしろくまさんがパン屋を開くのです。
甘いアンパンが得意なくまさんと、辛いカレーパンが得意なしろくまさん。
それぞれにおいしくて、評判になるのですが、
「店で一番おいしいパン」と聞かれて、けんかしてしまうのですね。
そこへやってきたカバの王様が、王様という威厳を利用して、見事解決!
「甘すぎず、辛すぎず」となる展開、なかなか哲学的です。
くまさんとしろくまさんが作ったパンだから、くまくまパン。
仲直りの味もちょっぴり入っているのではないでしょうか。
文章もリズミカルで、読み聞かせにもぴったりだと思います。


表紙冬のいないいないばあ

小さい子向けおはなし会用にセレクト。
冬の朝、りすのぐるぐるちゃんは、白うさぎのふわふわちゃんと出会います。
真っ白な雪景色の森で、雪遊びする2匹の様子が、
すてきなコラージュの絵で描かれます。
雪遊びの楽しさが伝わってきます。
しっぽがぐるぐるだから、ぐるぐるちゃん。
毛がふわふわだから、ふわふわちゃん。
この感性が素敵です。
お互いに素敵なところをほめあう視点もうれしいです。
遊んでいる時の擬音も、丁寧に展開し、耳に心地よいです。
後半は、いないいないばあも登場して、お楽しみもたっぷり。
色彩もやさしく、筆の跡が残る絵は、冷気の雰囲気を感じさせてくれます。
五感をたっぷり使って楽しんでほしいです。



表紙毎月の蔵

みるなのへや』の昔話を取り上げたので、同じ再話も読んでみようとセレクト。
貧しい若者が鶯の声に誘われて、山道で迷います。
日が暮れて見つけた大きな屋敷に泊めてもらうのですが、
次の日、そこに住むあねさまから留守番を頼まれるのです。
ただし、条件があるのです。
12の蔵のうち、最後の蔵だけは決して見ないように、と。
許可を得た11の蔵には、それぞれ、1月から11月までの情景が幻想的に広がります。
お正月、節分、桃の節句、花見、端午の節句、田植え、七夕、夏祭り、大嵐、刈入れ、秋祭り。
やはり、禁断の12の蔵も開けてしまう若者。
あねさまの正体がわかります。
重厚な赤羽末吉さんの絵がやはり素晴らしいです。
その絵の世界を大切にした、小沢さんの再話の語り口も研ぎ澄まされています。
日本の行事が織り込まれた物語、やはり、耳で聞いて楽しんでほしいです。


表紙うぐいす

小学校のおはなし会で読みました。
昔話の再話絵本です。
旅人が山道に迷い、やっと見つけた館。
そこで泊めてもらったものの、次の日、女主人に留守番を頼まれます。
条件が一つ。
奥の部屋は見ないこと。
そう、昔話によくあるシチュエーションです。
そして、やはり、我慢しきれなくて、のぞいてみると、
次々と不思議な光景が。
桜、緑の田んぼ、海、たき火、泉…。
女主人の正体が、鶯というのも、実に幻想的です。
梅の花に鶯、初春にぴったりの題材でした。
片山健さんの絵が斬新で迫力があり、
次々と展開する部屋の様子が、実に鮮やかです。
呆然としたラストも、シュールな旅人の姿が、???ながら、
妙に共感してしまいました。
子どもたちも神妙に聞き入ってくれました。

表紙暦を体感

小学校のおはなし会で読みました。
暦の各月のキャラクターが登場し、友だちになる趣向。
1月の正月の光景から始まるので、1月の最初のおはなし会にはぴったりでした。
各月の行事や自然が、心地よい文章で紹介され、
昔話のように繰り返される展開は、子どもたちも興味深く聞き入ってくれました。
12月に至っては、その月々を象徴するごちそうでパーティー、
これは素敵な光景です。
しかも、みんなで交流を深め、一緒に住もうとなる展開はうれしいです。
ラストでは、ちょっとした仕掛けがあり、これもまた、子どもたちの興味を引き付けていました。
まさしく暦を体感できる作品だと思います。


表紙雲の上でのピクニック

つんつく先生、今回は、まほうのじゅんたんでの活躍です。
空から落ちてきた不思議な布、でも、それに乗ってみましょうというのが、
つんつく先生らしいところ。
しかも、でたらめなおまじないを唱えて、浮かび上がっても、動じません。
それどころか、動物園に飛んでいこうとするのですから、びっくりです。
そうそう、『つんつくせんせい どうぶつえんにいく』の舞台、あの動物園です。
やっぱり、パンダ好きなんですねえ。
そして、バクの提案で、みんな一緒に雲の上へ。
これは素敵です。
持ち主の魔法使いが現れても、ピクニックのご馳走をおねだりするとは、
恐れ入りました。
かくして、雲の上でのピクニック!
帰る時間もきっちり、さすが園長先生です。
やはり、つんつくパワー、すごいです。


表紙動物のうんちく

おもちゃ、ぶんぼうぐ、のりもの、おばけ、と、ここまで来たら、シリーズですね。
いちにちシリーズ、今度は動物です。
いつものように、主人公の男の子が、動物になってみる訳ですが、
動物のうんちくが語られ、さながら、図鑑を読んで、そうなんだー!という気分になります。
シマリス、キリン、パンダ、あたりは大人でもだいたい察しはつきますが、
コアラやラッコ、カンガルーのうんちくは大人も勉強になります。
ラストはなかなか考えさせられますね。
動物園にいると、自分は「ヒト」なんだ、と実感する、とおっしゃっていた、
旭山動物園飼育係の経歴を持つあべ弘士さんの言葉を思い出しました。

表紙おいしそうな変身

へんしんシリーズ第13作目。
まだまだこんこんと湧き出るネタに脱帽ですね。
もちろん、同じネタもありますが、場面が変わればちゃんと収まりがいいのも見事です。
お、早速ウェイターは、常連の「きんぞう」さんではありませんか。
なるほど、紳士風の衣装がバッチリ決まっています。
そして、彼こそが、今回の変身のキーパーソンなのです。
彼のメニューの語り口こそ、この作品の醍醐味ですね。
お客様とのやり取りも楽しいです。
何より、おいしそうな変身が魅力的です。
ラストのセリフも、さすがです!

表紙やっぱりね

へんしんシリーズ第4作目。
くぐり抜けると変身する趣向はいつも通りですが、
ひとひねりもふたひねりもあります。
まず、入るのが、おばけ洞窟。
ね、雰囲気たっぷりです。
今まで見たような変身も、お化けテイストにすれば、また違った味わいです。
極めつけは、やぎ。
その気持ち、わかります!!!
スープがぷすーと変身したおしりおばけはやはり、子どもたちには大ウケでしょうね。
そうそう、ドラゴンもかっぱも「お化け」の類ですね。
ラストは、「やっぱりね」で終わらせない、見事さです。

表紙トイレの切迫感

へんしんシリーズ第2作目。
初期の作品の初々しさが感じられますが、どっこい、かなり練り上げられた奥深い変身です。
いつもの通り、トイレに入ると、言葉遊びで変身するのですが、
何より、トイレならではの切迫感が笑えます。
穏やかな前半に比べ、とんぼあたりからの急展開は脱帽です。
トイレのそばの葉っぱだって、ちゃんと意味がありますよ。
おおかみ、ボートに至っては唖然です。
なるほど、トイレの形にも、ちゃんと理由があったのですね。
もちろん、裏表紙の絵もちゃんと見届けてくださいね。

表紙へんしんシリーズの原点

へんしんシリーズの原点である第1作目。
トンネル(大きな土管のようでもありますが)をくぐると、変身する趣向。
「かっぱ」を連呼すると「ぱかっ」と馬になってしまうのですが、
読み方にややコツがありますので、しっかりと練習して読むのがポイントです。
聞いている子どもたちもコツを理解したら、一緒に呼びかけてくれますよ。
途中突っ込みどころもありますが、ご愛嬌ですね。
第1作らしく、ラストは綺麗なフィニッシュです。
その後の作品を知っている者にとっては、やはり洗練された印象があります。
その後の膨大なシリーズでは、ネタが同じものもありますが、視点を変えれば全く違和感がありません。
読み聞かせ初級者にもオススメです。

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