表紙ぐらぐらした歯とはまぐり掘り

1952年の作品ですので黒一色なのですが、
その表情の豊かさ、動きを感じさせる絵はやはり見事です。
最初に目に飛び込んでくる、ハマグリの絵なんて最高です。
原題は『One Morning in Maine』、
そこでの人々の息遣いが聞こえてくるようです。
アメリカのカナダ国境に近いメーン州の島に住む一家の様子が、
生き生きとした絵で語られます。
おや?このくせ毛が愛らしい少女、見たことありますね。
『サリーのこけももつみ』のサリーじゃありませんか。
朝起きて歯磨きをしていて、サリーは大変なことに気づきます。
歯がぐらぐらしている!
誰もが経験する、ちょっぴりスリリングな気持ちが、
サリーの行動に素直に現れています。
そして、昼食用のハマグリを掘っているお父さん。
ボートでお買い物?
しっかりと描かれた自然が素敵です。
妹のジェインはなかなかのお転婆さん。
絵を見ているだけでヒヤヒヤしますね。