表紙自分のことより人のことを心配する

瀬戸内寂聴さんが紹介する民話です。
「玉石鹿(ぎょくせきろく)」という中国の本にある話で、
「西天開仏」という、西方の仏さまのところに行き、自分の悩みを訴えて教えを乞うストーリーです。
青年チンフーは、母の遺言通り、幸せ探しのため、仏さまのもとへと旅するのです。
苦難続きの旅でしたが、心優しく、勤勉なチンフーは、行く先々で、人にも恵まれ、
ついに、仏さまと出会うのです。
ところが、自分のことより人のことを心配するチンフーは、
出会った人々の願いを先に告げ、自分の願いは時間切れになってしまうのですね。
でも、それが、チンフーに幸せをもたらすのです。
幸せについて改めて考えさせてくれますね。
小学生以上くらいからでしょうか。
瀬戸内寂聴さんが心を込めて、愛の力を届けてくださったような読後感でした。