2005年10月02日

THE JETLAG BAND!!!の唄 ≪4≫

大元旅館1≪大元旅館の人々≫

旅行記の続きですよ。初めて見る人は「カテゴリ」のTHE JETLAG BAND!!!の唄≪1≫〜≪3≫を読んでね!

●釜山から、ソウルのバス停に着いた俺は、とにかく街の中心を目指そうと地下鉄に乗った。すると一人の女学生が英語で声をかけてきた。日本に興味があるらしい。俺は「安い宿を知らないか?」とその女学生に聞いた。すると、彼女は案内してくれるという。俺は、降りる駅だけ教えてもらえればいい、と言うと、大丈夫だと言って、光化門という駅で一緒に降りてくれた。ここまで親切にしてくれるのも珍しい。これが韓国流の親切なのかな?と感じながら、俺は彼女の後をついていった。駅を出て、細い路地をいくつか入ったところに、その「大元旅館」はあった。
中庭があり、その庭を木造の建物が囲んでいた。部屋はシングル、ダブル、ドミトリー(共同部屋)の3種類。ドミトリーで約1500円程だった。俺は共同部屋でひとつのベッドを借りることにした。案内してくれた彼女に丁寧にお礼を言うと、ニコニコ笑いながら、手を振って普通に帰っていった。「おいおい、ほんとにただの親切だったのかよ」と、ちょっと拍子抜けしたが、この彼女が案内してくれたこの「大元旅館」で、俺は奇妙な日々を過ごすことになる。

そこには、見た目が一風変わった人々が暮していた。始めは挨拶程度だったが、何泊かするうちに、少しずつ彼らと話すようになった。話してみたら、やっぱり皆、見た目同様、少し変わった不思議な人々であったのだ。



日本では精神医学の勉強をしていて、休学中にソウルに来て3週間目を迎えるというKさんは、俺の顔を見て「君は危ないねぇ。」と言った。「君みたいなタイプはそのうち狂人になるタイプだよ。あまり色々深く考えない方がいいよ。君みたいな普通を装ってるのが一番普通じゃないんだから!」俺は、「あ、そ、そうすか。わかりました。。」と、妙に素直にうなずいた。

右の肩にトカゲのタトゥーの入った20代の日本人女性は、いつも青白い顔をしていた。俺の顔をじっと見るのだが、俺が何か話しかけようとすると目をそらす。彼女の声を結局最後まで聞くことは出来なかった。

赤いバンダナをして、髭を伸ばしきった顔のOさんは、口を開けば女の話をした。「深夜特急ではペナンの女はいい女が多いと言っているがあれは嘘だ。やっぱり俺は中国だなぁ。すごい安いんだ。君にも場所教えるよ。中国にはこれから行くんだろう?あと、カンボジアはプノンペンだよ、まず絶対行っといた方がいい場所は・・・・」どうやら女の子が大好きらしい。

おとなしそうな顔つきの背の高い大学生Sさんは、韓国人女性に恋をしていた。タイを旅行している時にその韓国人女性を見て一目ぼれしたらしい。そして、なんとそのまま彼女の帰国した韓国まで追いかけてきてしまったらしい。「今、韓国語を勉強しているんです。来週デートを申し込もうと思ってます!」と言う。「あ、ああ、そ、そうですか、、頑張ってください。。」彼はとにかく、目はきらきらしてた。

北海道からやってきたと言うEさんは、もう韓国に2年以上いるらしい。普段は日本語学校の講師をしていて韓国人の彼女も居るらしい。「働いたりしたらビザが必要なんじゃないんですか?」と聞いたら、「そうなんだよねー。観光ビザも切れちゃったし、今、逃げ回ってるんだよね」と言っている。さらに「俺さぁ、キックボクシングもやってて今韓国でランキング7位なんだよー」「え???7位って、ビザ無いのに大丈夫なんですか??」「そうなんだよねー、言いづらくてさぁ。。ところで海賊版のビデオに興味ない?安く仕入れられるよー、どう?」「あ、、今のとこだいじょぶっす。。。」

俺の隣のベッドに寝ていたのは40代の日本人女性、Yさんだった。ベッドの横に本棚まで用意していたので「あの、もうどれくらいここに居るんですか?」と聞いたら、本から目を離さずに「3年」と、答えてくれた。


俺はこの人々の中で、「普通の兄ちゃん」として、時には、床で寝そべってやるマージャンに誘われ、時には、濁り酒マッコリを囲む会に誘われ、時には、日常品を仕入れる市場への買い物に誘われた。異空間のような奇妙な日々に、いつのまにか引きずり込まれた俺が、「そろそろ北朝鮮の見える板門店に行かなきゃなぁ」と、当初の目的を思い出したのは、大元旅館で過ごし始めて、実に10日以上経ってからであった。

続く。

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rainman_daisuke at 02:11│Comments(2)TrackBack(0)旅で貰ったもの。 

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この記事へのコメント

1. Posted by 中山マコト   2005年10月02日 10:40
面白いお話しをありがとう!

これからの展開に「期待大!」ですな。

ところで、ランキング、一位にいるのはいいんだけど、他が相対的に下がっての一位みたいだ。

もっと、圧倒的なパワーを見せつけてやれい!

ほら、みんな、クリッククリック!!
2. Posted by rainman_daisuke   2005年10月02日 18:09
中山さん。
どうもでーす。そうですねー、圧倒的なパワーはほしいですねー。
なんかほかのカテゴリの一位の方々が言ってましたが、全体的にポイントが下がったみたいですよー。システムが変わったのかな?と思っておりました。アクセス自体は増えているので…。どうなんでしょうか。。。

まぁ、一位ってのはいいことなんで、読者の皆さん、ランキングの方もよろしくお願いしまーす!

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