2005年11月01日

砂の海

マラケシュ〜「続・終わらない風の終わらない唄」を歌ってください。今日インドから戻ってくる彼が大好きな歌なんです〜
というメールがホームページのkazenokoeを通して俺の元へ届いた。富士宮のライブで、俺は久しぶりに「続・終わらない風の終わらない唄」をセットリストに入れた。この曲を唄う時いつも思い描く景色がある。俺にとってこの唄は、終わりと始まりの唄なんだ。

この唄は2001年の旅の一番最後に作った曲だ。場所は、アフリカ・モロッコ。

長期でバックパッカーをしたことがある方なら一度は感じたことがあると思うが、長い旅をしていると、旅を終えるきっかけを見失ったような錯覚を覚えることがある。色々な国で色々な体験をすると、ある意味それが麻痺してしまって、よほどのことがない限り「もうこれで充分だ、日本に帰ろう」と思わせる出来事が、なかなか無くなってくるのだ。俺の場合、「もう帰ろう、これで旅が終われる…」と感じた場所は、サハラ砂漠だった。
THE JETLAG BAND!!!を散会して、再び一人旅に戻った俺は、ひとりモロッコにいた。とにかく砂漠が見たかったのだ。地図も持たずに「カサブランカ」に降り立った俺は、ひたすら東を目指した。「マラケシュ」を超え、砂漠の入り口「メルズーガ」になんとかたどり着いた。

砂漠の入り口を見たことがあるか?

砂漠はある場所で突然砂利道から砂漠になる。そしてその砂漠の輪郭は風に吹かれて少しずつ少しずつ広がっているんだ。地球の砂漠化はちゃんと肉眼で見える。

メルズーガに滞在していた俺は、ある朝、夜明け前にサハラ砂漠に入っていった。砂漠から登る朝日を見たかったんだ。時期は3月だったが、耳がぴりぴりするほど朝の砂漠は冷えた。俺は、真っ暗な中、小さな砂丘を、いくつもいくつも越えていった。しばらくすると目が慣れてきて、うっすらと周りが見えた。360度、すべてが砂だった。シーンとした中で息を殺していると、静かな砂漠に一人立っている自分がとても小さな存在に思えた。怖いくらい静かだった。どこからか、ラクダにのった老人が近づいてきた。老人は俺をまっすぐ見て黙っていた。俺はその老人を見て「サンライズ…」と言った。そしたら老人が黙ってある方向を指差した。その方向には今まで越えてきた小さな砂丘とは比べ物にならないほどのでかい砂丘がそびえていた。あの砂丘の向こうから朝日が昇るのか…。俺の足は自然とその砂丘に向かっていた。しばらくして振り返るとその老人はもう何処にも見えなかった。

なんとかその砂丘の真下までたどり着いた。真下に着くまでも思った以上に時間がかかった。そして真下から見たその砂丘は、思ってた以上に高く、でかかった。砂丘の向こうの空が、少しだけ明るくなったように感じた。俺は砂丘を登った。スニーカーに砂が入るので手で持って登った。真っ直ぐ登ろうとするとズルズルと砂に滑って登れない、だから少し斜めに移動しながら登った。さっきよりまた少し空が明るくなったように感じた。俺は急いだ。なんとか沙漠から朝日が昇る瞬間を見たかった。ついに砂丘の尾根に手が届くところまで来た。
はぁはぁと息を切らせて、俺はゆっくりと体を上げ、その尾根の向こうを見た。その数秒後、遠くで小さなオレンジ色の光の玉が、ボワっと生まれた。そしてみるみるうちにその光の玉が大きくなっていった。そして目の前に砂の海が広がった。その砂丘の向こうには、そこに来るまで超えてきたようなぼこぼこした砂丘は無く、まるで海のように砂が広がっていたのだ。俺は不覚にも涙を流してしまった。今までの旅での出来事がどんどん頭を過ぎった。太陽の光が暖かかった。
その時俺は「日本に帰ろう、これを俺の旅の最後の景色にしよう」と思ったんだ。
手で触るサハラの朝日






砂漠の町を離れ、カサブランカでのモロッコ最後の夜に、俺はこの唄を書いた。

[続・終わらない風の終わらない唄]
作詞作曲daisuke FROM MOROCCO

その時確かに見た そうすぐそこにあった 
大切な夢は今もそこで光ってるよ
今を見ようとしてる 笑い返せるはずさ 
そう教えてくれたような気がするから

砂の海を照らすオレンジの太陽を見た
何かが終わって何かが始まる自分を見た

君達といたことが 君達といた時が 
遠くへ行こうとしてた僕を捕まえてくれた
創めようとしてる もう一度最初から
そう教えてくれたような気がするから

すべての町を通り過ぎてく太陽を見た
今日が終わって明日が来て そしてまた始まる

その時確かに見た そうすぐそこにあった 
大切なものはちゃんとここに閉まってるよ
前を見ようとしてる 笑い飛ばせるはずさ 
そう教えてくれたような気がするから

砂の海を照らすオレンジの太陽を見た
何かが終わって何かが始まる自分を見た

君達とつかんだ 君達と見たものが 
遠くへ行こうとしてた僕を捕まえてくれた
もう始まってるから 今始まってるから 
そう教えてくれる風が ほら吹いてきた

すべての町を通り過ぎてく太陽を見た
今日が終わって明日が来てそしてまた始まる

「もう少し」で届きそうで「もう少し」が続きそうだ
終わらない風は吹いていて 普通の顔した僕


砂の海2サハラ






カサブランカ






長い影





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rainman_daisuke at 01:55│Comments(6)TrackBack(2)旅で貰ったもの。 

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1. 従業員のキッス。  [ 儲けのヒントは日常から。あなたは今日、何に気づきましたか?中山マコトの「ガウ!」のすすめ! ]   2005年11月01日 16:44
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2. もう少し・・・。  [ 儲けのヒントは日常から。あなたは今日、何に気づきましたか?中山マコトの「ガウ!」のすすめ! ]   2005年11月02日 15:43
色んな曲を聴きます。 正直、節操なし・・・です。 そんな中山が、久しぶりに、ぶちのめされたのがこの曲!   レインマンと言うバンドの・・・ 「続・終わらない風の終わらない唄」 と言う曲です。 初めて、彼らのライブを観た(聴いた?)時、電流が流れた・・....

この記事へのコメント

1. Posted by kyon   2005年11月01日 02:20
今回の[続・終わらない風の終わらない唄]は、今までと違うアレンジで、すごくいいなと思っていたんですよ

「今日インドから戻ってくる彼」さんが、たまたま隣にいて、ライブ前からインド旅行の話を聞いていたから、よけいに感動しちゃいました。

旅の話をしている時、みんないい顔してるよね・・・うらやましいよ。。
2. Posted by 中山マコト   2005年11月01日 10:58
いや〜、それにしてもスンゴイ写真だな〜。

綺麗・・・って言うより、怖いって言う感じの方が強い気がしますね、この写真。
3. Posted by rainman_daisuke   2005年11月01日 13:20
kyonさん。
久しぶりに唄ったけど、力がはいったねぇ。
今回は確かにいいテイクだと思いました。
とくにkattsunのソロが、素晴らしかったね!
4. Posted by rainman_daisuke   2005年11月01日 13:23
中山さん。
写真、すごいでしょー!でも肉眼でみるとこの千倍はすごいんです。この目が取り外せたら送ってあげられるのですが(^_^;)

ほんとに、怖いくらい広いですよ、砂漠は。砂漠で暮らす人々って凄いんです。本当に強いんです。またその話も後日書きますね。
5. Posted by 荒木師匠   2006年04月04日 01:53
昨日はどもでした^^
これが噂の砂丘と歌詞ですね。
今度生音聴けるのを楽しみにしています♪
PS:ジュリテク以外も聞きます(笑)
6. Posted by rainman_daisuke   2006年04月04日 13:22
荒木師匠。
コメントどうもです!
また是非、生で聞きに来てくださいな。

ちなみに俺はテクノも好きです。というかトランスか。。

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