January 21, 2008

負けじ魂(其の漆)

翌日、またもや昼寝の後に起きたのは前日とほぼ同時刻の17:30を少し回ったところであった。

この日は自転車は借りて居らなんだ故、テクテクと歩いて『アムステルフェーン』へと向かった。途中、澄み切った空気の中、輝きを増した「ドムツリー」を見ながら暮れ泥むハウステンボスの街並みを歩き、建物の海側の方へと回って『ジャックポット』に入った・・・・・・と、此処迄は前日と同じ行程である。
店内に入ると、前日とは違ってスタッフが勢揃いしていた。四方山話もそこそこに、いつもの席に腰を下ろす。

「何にしますか?」と、Tさん。
「そうだね・・・・・・「テコニック(テキーラトニック)」貰えるかな?」
最初の1杯は、あまりアルコールの強くないものにしてみた。何せ(昼寝の後とは言え)疲れは益々酷くなってきていたのであったから。
が、
「お待たせしました」
と出て来た「テコニック」を見たときに、私は思わず爆笑してしまったものである。

第一弾「テコニック」爆笑の訳は、これをご覧頂ければお判りになるかと思う。
「ちょっとちょっと、何、コレ!」
「○○さん、アタシに「デコレーションしたカクテル貰ったこと無い」って言ってたじゃないですか。だから、今日はデコレーション付けてみました」
だからと言ってフツー「テコニック」のようなカクテルにこんなデコレーションを付けるものか?大抵はレモンのスライスを落とし込むだけであろうに。
ひとしきり笑った後、口に含む。テキーラの刺激的な味とトニックウォーターの苦みが調和した、紛れも無い「テコニック」である。

ふと見ると、何やら見覚えのある顔が店内に入ってくる。・・・・・・しかも、女連れで。
「こんばんは」
「あれ?」
12月に此処を辞めたS君である。
キョトンとした顔の私に、S君
「俺、○○さんに此処辞めたって言いませんでしたっけ?」
「いや、それは先月聞いたけど、アンタ、年内に実家に帰るって言わなかったっけ?」
「いや、俺、2月一杯までは此処(長崎)に居ますよ。帰るのは3月です」
「あっそ」
「んで、今日は「誕生祝いしてやる」って言われて此処に来たんですよ」
「ふーん、成る程ね」
真逆またコイツと会うとは思いも寄らぬことであった。
テーブル席に着いた女性陣と分かれてカウンターに席を占めたS君、声を潜めて私に言う。
「▼(H君)に、今“先輩”って呼ばれましたよ」
「そらしゃあないでしょう。先輩には違いないんだし。大体、アンタ学校でも先輩でしょ?」
「それはそうですけど・・・・・・」
「だけどさ、そういう口調から見ると、あのコ体育会系かな?」
「サッカーやってたみたいですよ。その頃の写真を見せて貰いましたけど、もうちょっとふっくらしてふてぶてしい面構えしてるんですよ。その頃の方がTさんの好みかもしれませんね」
「あ、そう」
などと話に興じていると、ぬっと入って来た人影がある。
誰かと見ると、『グランキャフェ』のMさんであった。カマンベールチーズを借りに来た様子であるが、『ジャックポット』も生憎切らしていたらしい。入ってきたときと同様に、のっそりと出て行く。
・・・・・・私とS君はMさんの顔を見た瞬間に吹き出していたのであるが。

カウンターの中に居たI君が、ひょいと何やら取り出しS君に渡す。
「あ、ありがとうございます!」
何を取り出したかと首を伸ばしてみた。
S君、開いて見ながらほらほらとばかりに私の方へそれを向ける。何かと思えばレゴのカタログである。
「○○さん、コレ見てくださいよ。コレは俺も作ったんですけど、こっちは2〜3時間位で出来ましたけど、こっちは8時間位掛かったんですよね・・・・・・」
延々とレゴ談義に花を咲かせるS君。その傍らに来たI君、ひょいっとS君の携帯を持ち上げる。
ん?何やら見覚えがあるものがジャラジャラと付いているような?
「あ、これですか?」
見ると、先月私が『ジャックポット』に持ち込んだ“関東限定キティ”のうち3つが付いている。
「これ、どうしても譲れない3つを貰ったんですよ」
見ると、魚河岸の店員の恰好をした「築地」と、酔っ払いオヤジの扮装をした「新橋」と、昔懐かしのボディコンギャルに見える「六本木」の3つ。
そんなモンを嬉々として携帯につけているようでは、これはオタクのMさんを笑えんな・・・・・・。

「ところで○○さん、レモン絞らないんですか?」
「あ、これ?」
「まぁ、お好みですけど」
Tさん、私にそう声を掛ける。この“レモン”は「テコニック」にデコレーションとして添えられたレモンである。
折角なので、言われるままにレモンを絞り入れた。
テキーラの刺激が消え、レモンの酸味で飲み易くなった。
「どうですか?」
S君が横で尋ねる。
「ま、飲み易くなったけどね。レモンは酒臭さを消す万能薬だからね」
「万能薬ですもんね」
そう言うS君はビールである。1杯飲み干すと
「うわ・・・・・・俺、何だか酔っ払ってきたな」
って、おいおい。
幾ら学生だからといって、それはあまりにも弱すぎるのでは・・・・・・?
ちなみにTさんは結構イケル口、晩酌も欠かさぬらしい。未成年に聞くのも何かと思いつつH君にも聞いてみると、以前酎ハイを飲まされてふらふらになったことがあった由、となると多少なりともTさんの相手になるのはSa君位であろうか?そう言えばI君にはそのテの話を聞いたことは無いやもしれぬ。

第二弾「ブロードウェイ・サースト」グラスの空いた私に、2杯目としてTさんが作ったのは「ブロードウェイ・サースト」である。これは、恐らくオーソドックスなレシピで作ったものであろう。アルコールも甘みも酸味も突出せずにバランスが取れ、非常に飲み易かった。しかし・・・・・・
「あのさ、何で「ブロードウェイ・サースト」?」
「1杯目がテキーラベースだったから今度もテキーラが良いかな、って思って・・・・・・」
それこそ“美味いから構わぬ”が、テキーラベースならば他にも有名どころが幾つもあるであろうに。「マルガリータ」に、「テキーラサンライズ」に、「マタドール」に、「モッキンバード」に、それこそ以前Tさんが作った「メキシコローズ」に・・・・・・他の場所で飲んだものであったら「アイスブレーカー」なども結構好みだったりするのであるが。
それはともかく。
Tさん、またもデコレーションを施してある。が、今度のものはピンをグラスに渡してあるので、一寸飲み難い。
「飲み難そうですね」
と、出されたショットグラスにデコレーションを取り出して入れる。
「それ、食べないんですか?」
「ドレンチェリー甘いもん。食べられないよ」
「実は私も苦手です。甘過ぎて」

私やS君の空いたグラスを洗い出したH君に話し掛ける。
「H君さぁ、サッカーやってたんだって」
「はい。中学のときに」
「ん?高校ではやらなかったの?」
「ウチの高校、それこそプロになるような奴とか、特待の奴ばっかりがサッカー部だったんですよ。だからそれには流石に付いていけなくて」
「そうなんだ」
「中学ではワイワイ楽しくやれればいい、って感じだったですからね。時々中学の奴らと一緒にサッカーしたりしますよ」
「それが一番だろうね」
本当に、スポーツで怪我をしたり体を痛めたりする程阿呆らしいものは無い。我が身の経験から言っても・・・・・・と、これ以上は愚痴になるので止めておこう。
ふと、S君が話に入る。
「やっぱり▼見てるとなぁ・・・・・・コイツは万人受けする“イケメン”ですよね」
「ま、そうね」
「俺の場合、5分5分なんですよね」
「何だ?それ」
「俺、喋りで持たしてるところありますからね。だから半分はイイ男だって言うし、半分は受け付けないし」
・・・・・・肯定も否定もし難い話はあまりしないで欲しいものだとつくづく思った一幕であった。

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