Jackpot Story

October 19, 2008

呆然と・・・・・・

さて、今回は気力が続くうちにちょいとこちらをご覧頂くことと致そう。
酔いに紛れて飲んだカクテルなぞすっかり忘れてしまっているのであるが・・・・・・。

それは、久方振りに『ヴィノテーク』に寄ってシャンパンとカクテルを聞こし召し、すっかり上機嫌になった後のこと。
何時もの如く『アムステルフェーン』に歩を進めた。人込みを避けて橋を渡り、『グランキャフェ』の屋台の前を素通りするとテラス席の椅子やテーブルをガタガタと整理しているEちゃんと目が合った。手を振ると、ペコッと会釈をする。

何時もの如く『ジャックポット』の店内へと足を踏み入れた。
思わず、目が点になった。
ジャックポット店内 2008.10

 

 

 

 

 

 

 

 



「店・・・・・・間違えたかな?」
独りごちて店を出ようとすると
「いやいやいや・・・・・・」
と、引き止めるのはT姐さん。
「噂には聞いてたけどさぁ、この風船は何よ」
「良いじゃないですか」
・・・・・・私とて嫌いでは無いが。
「それにしてもね、此処まで見事に“ハイネケン”だとさぁ・・・・・・。元々“ビアバー”なのは知ってるけど、ビール飲まないアタシなんかだと居辛くなりそうだね・・・・・・」
それを聞いたT姐さん、ニッコリと笑って
「そんな訳無いじゃないですか」

「ところで○○さん」
「何でございましょ?」
「私、○○さんに会ったら文句言おうと思ってたんですよね」
「何かあったっけ?」
「インターネットであっちこっち見てたら、○○さん、アタシのコト「殺しても死なない」って書いてたでしょ」
「・・・・・・それは書いた覚えが無いなぁ」
「あれ?「叩いても壊れない」でしたっけ?」
「まぁ、多分、そっちだったと思うけど」
ケータイで検索を掛けてみる。似非ライターの名で書かれた然るブログのコメントは「叩いても壊れないアノねーさん」であった。
少々弁明をさせて頂くと、彼のコメントはこのようにわいわいと話題のひとつとして“当の本人”と話が出来るであろうという心積もりがある故に敢えて取り上げたのである。それに、“当の本人”もこの程度で本当に怒る程度量の小さい人物では無い。故に、私は安心して姐さんの“悪口”を書くことが出来る・・・・・・などと申したらまた文句のひとつも出るのであろうか?

「まあまあ、これでも食べて」
少しは誤魔化すことも出来ようかと箱を取り出す。何時ぞやにも購入した『資生堂パーラー』のチーズケーキである。此度は「季節のチーズケーキ(スイートポテト)」と「期間限定チーズケーキ(いちご)」の2種類を購入して来ていた。
「どっちが良い?」
「えーっと・・・・・・」
流石にTさんも少々迷った様子。
「・・・・・・じゃあ、こっちの「季節限定」を。これならEちゃんも食べられるだろうし」
「ん?Eちゃんには他に買ってあるよ」
奴の場合、オヤツよりもオカズの方を喜ぶのだ。・・・・・・甘いモノ嫌いの勤労青年である故。



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August 27, 2008

甲子園(詳細編)

“昼餐”の記事もあと2つ残っているが、流石に頭を使う記事を書くには少々疲れてしまったので楽に書ける記事をアップすることに致そう。・・・・・・手抜きとは努々仰る勿れ。

さて。

此度の帰国時には、久々にテレビを視聴した。
何を見ていたかと言うと、彼の『グランキャフェ』に迄テレビを(顰蹙を買いつつも)入れて夜毎放映していたオリンピックの中継では無く、甲子園の中継である。
巨人軍の王貞治選手(現福岡ソフトバンクダイエーホークスの王貞治監督)に憧れて自分も野球遊びを始め、とうとうそれが高じてソフトボールを中・高6年間もプレイした私である。当然のこと、甲子園の中継はハウステンボス滞在中も欠かしたことが無い。
(よく「ハウステンボスまで行って何してんの?」と呆れられてはいるのだが・・・・・・)

そして、今年は90回記念大会である。我が県からも、今年は2チームが参加をしている。そのうち1チーム(千葉経済大付属高校)は端から勝ち上がることなど期待をしておらなんだのでどうと言うことも無いが、もう1チーム(木更津総合高校)は県内では“激戦区”とされるブロックを勝ちあがってきたチームであるので、2回戦の相手が強豪の智弁和歌山高校と言えども勢いで勝ちあがるやも知れぬと期待をしていたのである。

・・・・・・が、負けた。
それも5回に集中打を浴び、逆転されて。
それでも、4回迄は確かに勝っていたのだ。
無論のこと、私は中継を試合開始から終了迄見ていた。
試合は、19:00頃までかかった。
『アムステルフェーン』の営業時間は18:00からなのであるが、飲みに行くよりも此度ばかりは甲子園の中継を優先したのである。

九回の攻防が終了した直後、私はテレビのスイッチを切って荷物を抱え『アムステルフェーン』へと向かった。
当然の如くデ・リーフデ号前のステージではイベントの真っ最中であったのだが、それには全く目もくれずに仏頂面で観客を掻き分けながらデッキを横切り、『ジャックポット』へと入店したのである。観客は迷惑であったであろうが、此度ばかりはそれを気遣う余裕も無かった。

『ジャックポット』では、1ヶ月振りに顔を合わせたTさんが驚いて
「どうしたんですか?」
と、迎えてくれた。余程驚いたのか
「いらっしゃいませ」
の言葉も忘れていた程であった。
「木更津総合が負けた」
「・・・・・・
「四回迄は勝ってたんだぞ。何であそこで三塁打と二塁打を打たれにゃならんのだ!」
差し出されたおしぼりで手を拭き、スッと用意された灰皿を見て煙草に火を付けてから、カウンターをドンと拳で叩く。
・・・・・・ふと見ると、Tさん、洗い物をしながら下を向き、声を殺して爆笑している。
「何が可笑しいんだよ」
「だって○○さん、随分怒ってたから何があったのかと思ったら・・・・・・」
あとは言葉にはならぬ。声のみは必死で殺しつつも爆笑し、取り敢えずとばかりにカクテルを作り、出す。それを飲みながら怒りに任せて語る試合の様子は、EちゃんとHaちゃんがカウンターに戻ってうんうんと聞いてくれた。
(Tさんは流石に普通の女性であるので野球の話には疎い。勝った負けたの話は出来なくも無いが、試合経過を交えながらの話には付いては行けぬ様である)
出された「シーブリーズ」を飲み、漸く気を落ち着けた。その後Haちゃんに「カシス・ソーダ」を作らせた折にTさんと一寸したやり取りがあったのは前に書いた記事の通り。

そして、その日の深夜。
最後のカクテルをもう少しで飲み終わるという頃、『グランキャフェ』に応援に行っていたI君と、何故かT御姉様とMさん迄もがぞろぞろと店内に入って来た。会計は既に済ませてあるので、後は飲み干して店を出るばかりである。
I君とT姐さんは何やら打ち合わせを始めたようである。実はこの日、Eちゃん絡みでちょいと面白い話があるのだが、それはまた後程。
私はグラスを空にし、さて、とばかりに荷物を持って席を立つ。すると、Mさんがスウッと傍に寄って来てニヤニヤと嬉しそうに笑いながら私を見下ろす(・・・・・・と言うのも、私は背が低い為に必然的に双方が立つと大概の方が私を見下ろす恰好になるが故である)。
「何だよ」
「木更津総合、負けましたね」
「途中までは勝ってたんだぞ。ピッチャーも要所をちゃんと締めて、ピンチだって何度も切り抜けて、良い形で点も入ってたんだ!」
「で、何処とやったんでしたっけ?」
「・・・・・・智弁、和歌山」
「順当じゃないですか」
「五回の集中打さえなきゃ勝ってたんだ!何であそこで三塁打と二塁打が出るのサ」
「で、何処とやったんでしたっけ?」
「喧しい!!」
流石に此処まで来ると、エンドレスになりそうな雰囲気が漂う。I君が呆れて
「ありがとうございました!」
これで漸く話が終わり、常宿への帰途へとついた。
以上が「Tさんには笑われ、Mさんには散々イジられた」という顛末である。

尤も、甲子園の話題はこれで終わりでは無い。
翌日、カウンターのEちゃんと盛り上がったのは、その日の第1試合である鹿児島実業高校対宮崎商業の話である。無失策試合で引き締まった好ゲーム、しかもファインプレー続出とあっては話題には事欠かぬ。
「今日はHa先輩(この日は休みであった)、喜んでるでしょうね」
「あ、そっか。鹿児島のコだもんね」
「はい」
すると、またもやMさんが嬉しそうな顔でニヤニヤ笑いを浮かべながら『ジャックポット』に入って来た。
「千葉経済付属、負けてますよ」
「知ってるよ。良いの、あそこには期待してないから。だから昨日は勝って欲しかったのに・・・・・・」
私は、またもや膨れっ面。
満足げに踵を返して戻って行くMさん。
こんなことならMarさん達を連れて行って客を増やすのでは無かったか?・・・・・・しかし、バーテンダーが(幾ら応援が居る開店直後だったとは言え)ふらふらと出歩くなど、『グランキャフェ』は余程暇だったのかしらん?

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August 17, 2008

初めての味は「ジントニック」

さて・・・・・・。
本来「Jackpot Story」は「相身互いの“客”」の続き((其の陸)〜)を書かねばならぬところであるが、この辺りから私の“病状”が徐々に進んできて到底お目に掛けられぬ場面も多く出てくる。その状況を鑑み、以降は「〜〜Story」というカテゴリであっても通しで書くのでは無く、印象深い場面を切り取って書くことに致そうと思うのでご容赦を。

先ずは、8月の帰国時の話からご紹介を致そう。

その前の7月の帰国時、私はそれ迄全くカクテルを作ることが無かったバイト君のHaちゃんに
「次は来月来るから、そのときは何か飲ませなさいヨ」
と言い置いていったものであった。Haちゃんも、不承不承
「はい」
と応えたのが、酔っ払いの身にもはっきりと分かった。さてさて、次回此処に来たときには何を飲ませて貰えるのだろうか、と期待半分、不安半分でドアを出たものである。

そして翌月。

海側の入口から入ると、店内には店長I君とHaちゃんが居た。すっと土産の包みを出すと
「Haちゃん、一寸」
と、手招きをする。
「I君は昨日『グラン』で食べただろうから、I君抜きで分けて良いから」
「俺、食べてないですよ」
「そう?だって昨日『グラン』に居たじゃん」
「○○さんより早く帰ったじゃないですか、俺」
「そうだっけ?」
「そうですよ。○○さん、最後迄居たでしょ?」
「まぁ、ね」
このやり取りの最中、Haちゃんはカウンターの中に移動した。

「さて、Haちゃん」
「はい?」
「何か出来るようになった?」
「はぁ・・・・・・まぁ・・・・・・」
ここでHaちゃんの背後に居たI君が口を挟む。
「大丈夫ですよ。メニューにある奴なら」
「ふーん。じゃ、何頼もうか」
Haちゃん、不安そうな顔をする。
「じゃあ、さ。この中で一番得意なのは、何?」
「得意というか・・・・・・やっぱり「ジントニック」でしょうか?」
「そう。じゃ、それ頂戴」
「畏まりました」
ふと気が付くと、テラス席であれこれと作業をしていたEちゃんが店内に戻って来ており、心配そうな顔でHaちゃんの隣に付く。
「ジン、45(ml)だっけ?」
「そうです。あとはライムと、トニック(ウォーター)と・・・・・・」
確認終了。
Haちゃん、不安そうな顔のまま、メイキングの場所へと向かう。メジャーカップでジンを慎重に測り、トニックウォーターを手が震えんばかりに注ぐ。

Haちゃん作「ジントニック」・・・・・・という訳で、これがHaちゃんが作った「ジントニック」である。
こういうときに作られたカクテルは、それそのものの味よりも遥かに美味さが勝るかの如き思いがする。増して、実際の味がそこそこ美味いものであれば尚更である。
ひと口飲むと
「どうですか?」
と、相も変わらず不安そうな顔つきで聞いてくる。
「うん、美味しいよ」
と応えると、漸く緊張が解けたような笑顔を向ける。
これがまた、良いのだ。

尤も、翌日似た様なシチュエーションでHaちゃんに「カシス・ソーダ」を注文し、前日と同じように美味いと褒めると、すかさずそこに居たTさん(前日は休みであった)が
「でも○○さん、アタシが同じもの作ったら甘いって文句言うでしょ?」
「だよね。自分で注文しといてね」
「そうそう」

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August 05, 2008

相身互いの“客”(其の伍)

入って来たのは、矢張り『ジャックポット』の常連さんと先程「歎異抄」のことで熱弁を振るった御仁であった。
何のかのと『ジャックポット』に入り浸りの私であるから、こちらの常連さんとも何となく顔見知りになっている。互いに挨拶を交わすと、お2人はカウンターに席を占めた。

常連さんは
「いつもので」
と、「レッド・アイ」を注文した。心得顔のI君がパッパと調え、出す。
「彼女はカクテル飲んでるの?」
と、私に話を振る。
「ま、そうですね」
「「レッド・アイ」もカクテルですけどね・・・・・・」
と、話に加わるのはI君。
「じゃ、彼女にも僕から1杯」
と、思いも掛けずオゴって頂いたものである。このカクテルは何であったのだろう・・・・・・?
常連さん、「レッド・アイ」を飲んで景気を付けた後、何時もの如くルーレットへと座を移す。Sa君がディーラーとして付いて行く。

そして、先程の御仁は私とTさんを相手に“マリーナの高速ネット化”について延々と自説を披露していた。
何でも、ハウステンボスの担当の方にも自説をブッていたそうであるが・・・・・・申し訳ないが、この“自説”、私からもTさんからもちと非現実的過ぎるのではないかと思われるもの。担当の方からも
「文書にして持って来てください」
と言われたそうであるが、
「文書に出来る位なら始めから持って行くよ」
と・・・・・・。幾ら何でもこれでは話が進まぬ。しかも、双方(というのは私とこの御仁だけでTさんは当然素面であるが)酔っている所為か、話は同じところを行きつ戻りつ・・・・・・。
そのうち
「そう言えば、待ち合わせをしてたんだっけ」
と“約束”を思い出すが
「いいよ。別に行かなくても」
などと言い出す始末。却ってTさんや私が慌て、
「お約束があるんなら行かなきゃマズいじゃないですか!」
と、2人で交互に言いながら、Tさんなどは半ば背を押すようにして“約束”に向かって頂いたものであった。
同じ頃、ルーレットが一区切り付いた常連さんも勘定を済ませて店外に出て行った。オゴって貰ったカクテルの後でラストオーダーの「XYZ」をのんびりと飲んでいた私1人が店内に残った。

さて、私も彼の如くの“問答”は久方振りのことであった。
「いや・・・・・・疲れたね」
と、思わず独りごちる。するとTさん、
「○○さん、すみません」
「?」
「○○さん、独りだけで飲みたいって訳じゃないけど、自分のペースで飲みたい方でしょ?」
「ま、ね」
「私、○○さんが先に席を立ったらどうしようって思ってたんですよ」
流石に付き合いが長いと良く見ているものである。が、それについては問題は無いであろう。久方振りではあるが、彼の如くの“問答”は決して初めてでは無いのであるから。

飲んでいるうちにSa君が帰り、後片付けを横目で見ながらグラスを呷る。すると
「あ、背後霊が居ますよ」
と、Tさん。何のこっちゃ、と後ろを向くと、屈んで隠れるようにしているのは、お察しの通り『グランキャフェ』のMさんである。
「何やってんの?アンタ」
と呆れて言うと
「Mも『グラン』じゃ阿呆なこと出来ませんからねぇ」
・・・・・・三十路間近のオヤジが何をしているのだか・・・・・・
「今日は何してたんですか?」
「今日?此処で一寸飲んで、『パロット』で「残酷な天使のテーゼ」(所謂アニメソングである)歌って、アンタんトコ行って、又此処戻って来て・・・・・・」
「「残酷な天使のテーゼ」なんか歌っちゃ駄目ですよ・・・・・・」
Mさんは呆れた様に言うが、これは割りとウケが良いので覚えた歌である。時々歌わぬと忘れるので、他に客が居ないとき位はご放念頂きたいものである。
「だけどさ、どうして閉店後に人が集まるんだ?・・・・・・って言っても客は私一人であとは社員さんだけどさぁ・・・・・・」
「じゃ、“社員其の1”は消えます」
と、Mさんが出て行き、私とTさんとI君が残された。漸く飲み干したグラスを押しやり
「じゃ、ご馳走様」
と、席を立つ。

「雨、そんなに降りませんでしたね」
「そうね」
「私、『グラン』迄行きましたけど、自転車移動する必要なかったかもしれませんね」
「ま、良いんじゃない?借り物だしさ」
と、『アムステルフェーン』の入口へ歩き、入ってすぐのところに入れておいた自転車をよっこらしょと下ろす。荷物を前カゴに入れると
「じゃ、又明日ね」
「お休みなさい」
気が付くと、見送りに来てくれていたのはTさんとI君の2人共であった。暇乞いをしてから自転車を押して歩き、ホテルに戻ると、フラフラになりながら着替え、就寝。

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August 03, 2008

相身互いの“客”(其の肆)

『ジャックポット』に戻ると、そこには『パサージュ』内の『K』のお2人が居た。
「こんばんは」
「昼はどうも」
と、互いに挨拶を交わす。

このとき、私は、同じく『パサージュ』内の『U』(経営は『K』)で購入し、この日に『K』でチェーンを換えたばかりのヘマタイトのペンダントをしていた。矢張り自店舗の商品のこととて、2人共すぐに目に付いたようである。
「あ、それして頂いてたんですか?」
「ええ、丁度今日チェーンを換えて頂いたんで、早速」
「着けるときは大丈夫ですか?」
と、心配そうに聞く。どうやらペンダントの金具にチェーンを通す際に少々ペンチを使って曲げたことを気にしているらしい。
「大丈夫ですよ。気にはならないですし」
2人共ホッとしたような表情を見せる。
「そうやってチョコッと着けるのも良いですね」
と、Fさんが言う。すると
「私が最初に「可愛い」って言ったんですよ」
と、T姐さんが割って入る。
確かに(先の記事には書かなんだが)Tさん、小さいものであったにも拘らず目敏くこのペンダントを見つけ、
「あ、それ可愛いですね」
「うん、Fさんトコで買ったのよ。ただ、一寸チェーンが短かったんで今日換えて貰ったんだけどね」
というやり取りもあったのである。・・・・・・が、そもそもコレを見つけて購入したのはワタクシなのであるが・・・・・・。

その後、話は何故か寿司に及んだ。
「此処の『按針』のお寿司も美味しいんですけどね。私には光り物が無いのが物足りないんですよね」
「こっちじゃあんまり食べませんからねぇ」と、これはTさん。
「それはそうかも知れないけど・・・・・・やっぱりお寿司にはコハダがあって欲しいなぁ。それと、今の時期だとシンコね」
「シンコ?」
FさんとTさん、2人揃ってキョトンとした顔をする。
「あのね、コハダの子どもなんですよ。こんなに小ちゃくて可愛くて・・・・・・」
と、シンコの大きさを親指と人差し指を開いて示す。
「それ、美味しいんですか?」
「うーんと、味は淡ぁーいんですよ。だけどね、その淡さが又良いんだなぁ。嗚呼、夏が来たな、って感じで・・・・・・」
FさんとTさんは判ったような判らないような顔をしている。
が、流石に東京出身のAさんはうんうんと頷いて肯定してくれた。
それを見て
「あ、そうか。東京の人だもんね」
と、Fさん。
シンコの美味さばかりは食してみねば判るまい。それと、今の時期であるとハシリのサンマも蕩けるが如くで美味いものである。・・・・・・尤も、これらは光り物を食すことが出来ねば判らぬものであるのだが。
「ところでそれ、1年中食べられるんですか?」
「いえいえ、“スポット限定”って感じで期間は限られてるんですよ。だから余計に貴重品なんですよね」
「そうですか。じゃあ、私は食べられないですね・・・・・・」
それ故に『按針』で江戸前寿司の極みともいえるコハダやシンコが欲しいのだ。聞くところによると、佐賀方面でもコハダの良い漁場があるそうであるし。

一頻り話しに興じた後
「じゃ、明日もあるんでそろそろ・・・・・・」
と、お2人揃って席を立つ。
「それじゃ、又明日」
「僕は来ますけど、こっちは明日は来ないんですよ」
「ん?何処か行くんですか?」
「明日はお休みで、福岡へ平井堅のコンサートへ行くんですよ」
Fさん、嬉しそうに言う。
「へぇ!良いですねぇ。じゃ、明日は楽しんで」
「ええ。目一杯楽しんできます」
「それじゃ、また」
「お休みなさい」
お2人が帰った後、更にカクテルを頼む。
話の余韻を楽しみつつ酒を飲んでいると、又、客が入って来た。

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相身互いの“客”(其の参)

T姐さんによると、相客はどうやらマリーナ関係の方らしい。実際、此処『ジャックポット』にはその気楽さに引かれて場内の関係者が割合によく出入りするようである。・・・・・・無論、我々の如き“純粋なる客”も大勢出入りしていることもまた言うを待たぬが。

それはさておき。

私も相客もまた1人客であった。必然的に、徒然なるままに言葉を交わすことになる。
「どちらからですか?」
「○○からです」
「それは又、遠くから・・・・・・。此処にはよく来るんですか?」
「まぁ、年に何度かは」
「僕も此処にはしょっちゅう来るんですよ。スタッフがみんな気さくでね」
「そうですよね。私もお蔭で居心地が良いんでよくお邪魔してます」
毎度毎度の会話である。度重なってうんざりしていたこともあったが、流石に此処まで続くと慣れたものである。

「僕、ブログで「歎異抄」を関西弁で書いてるんですよ」
「ほぉ!そうですか」
俄に親近感を覚えた。
「歎異抄」は嘗て私も心を惹かれ(このときも又ノイローゼ気味でアル中に近い状態であったのだが・・・・・・)その記憶があってか数年前の京都旅行中に東本願寺・西本願寺の双方で「歎異抄」を再度購入して読んだものである。その折に大体の内容は頭に入っており、殊に有名な第三章「善人なほもって往生をとぐ、いはんや悪人をや。(以下略)」の箇所は真っ先に、そして幾度も繰り返し読み返したものであるのだ。
余談ではあるが、東本願寺の「歎異抄」と西本願寺の「歎異抄」は値段が異なる。私が購入した時点では東本願寺版が¥200・西本願寺版が¥300で西本願寺版の方がやや高いが、東本願寺版が注釈しか付けていないのに比べて西本願寺版は注釈に加えて現代語訳が付いているので読み易い。これを比較するとどちらが高いか安いかなどとは一概には言えぬものである。・・・・・・閑話休題。
身を乗り出した私に先方はややたじろいだ様であった。
「いや、実際は“書こう”としてる段階で・・・・・・」
「それでも立派ですよ」
「まぁ、でも、あの「善人なほもって・・・・・・」のところがいまひとつ理解し切れなくてね。常識とは反対のことを言っているからねぇ」
「あぁ、あの箇所ですね。私も最初は理解し切れなかったんですけど、自分が良いことをしていると信じ切ってる“善人”も本当に良いことばかりしてる訳じゃなくって気付かないうちに悪いこともしてる訳じゃないですか。それよりも自分が救われないって気付いてる“悪人”の方が救われたいって気持ちが強いから、阿弥陀様のことをより信心してるんで、阿弥陀様がたくさんの人を救ってくださる御心に沿うんだよ、って意味ですよね」
この場合の“善人”“悪人”は一般的な意味では無い。“善人”とは“修行や善根を積んで自分が悟りを開いて救われるべく精進している人”、“悪人”とは“修行を積むことも儘ならず迷いの中に居る人”を差す。阿弥陀様は全ての人を迷いの道から救って浄土(悟りの世界)へと導こうとしておられるのだから、独りよがりの“悟り”を開く“善人”は阿弥陀様の御心を信じてただひたすら阿弥陀様を信じる“悪人”よりもなお悪い(始末に負えぬ)というのがその意味するところである。
この時代、上流階級と言われる層は日々の暮らしに追われることが無い故に禅や密教の修業を積むことが出来たが、庶民は日々の暮らしに追われてそのような修行をすることが適わなかった。故に死してなお救われぬと絶望していた庶民層に救いの道を示したのが「浄土宗」であり「浄土真宗」である。この為に「真言宗」や「禅宗」やなどは貴族や武家の宗教と言われ、「浄土宗」や「浄土真宗」は庶民の宗教と言われるのである。・・・・・・ついつい熱が入って拙い知識を披露してしまった。お許しあれ。
ふと気が付くと、カウンターの中のスタッフ達はぽかんとした表情をしている。
相客もまた
「教える積りが教えられるとは思わなかったな・・・・・・」
とぼやいている。
その状況を見て、私は心の中で頭を抱えてしまったものであった。

ふっと、廊下側の入口から『按針』のTaさんが入って来た。カウンターに向かい、レジ近くに居たI君と何やら打ち合わせをしている。
打ち合わせが終わり、私の方にふっと向き直るとにこやかに会釈をした。こちらも会釈を返しがてら、言わぬでも良いことまで口走る。
「どうも。今回は宿泊プランに夕食が付いてたんでついついご無沙汰になってしまいまして・・・・・・。今度は来月来ますんで、そのときはお邪魔したいと思いますが」
「はい、お待ちしております」
・・・・・・よくよく考えればこのパターンで『アムステルフェーン』の各店舗から逃げられなくなったのだな・・・・・・
Taさんが出てから、時刻を確認してみた。
「あれ?もう8時(20:00)になるんだ!」
「今日は来るのが遅かったですからねぇ」
「んじゃ、ぼやぼやしてると遅くなるな。一寸挨拶回りに行ってくるワ」
「はい、行ってらっしゃい」
すっかり慣れたものとてT姐さんもI君も平然としている。いつものパターンとは言え、常連でも無い私によくこれだけ便宜を図って貰えるものだ。流石にここまで無条件に信頼して貰うと、この信頼を裏切る訳にはいかぬし裏切る気にもならぬのであるが。

その後、いつもの如く『パロット』へ行って飲みつつ喋りつつ一寸歌いつつという時間を過ごし、『グランキャフェ』ではどちらがからかっているのかからかわれているのか判らぬ如きのやり取りを交わし、ほろ酔い気分になりながら再び『ジャックポット』に戻った。
この間、2時間余り。

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July 28, 2008

相身互いの“客”(其の弐)

「○○さん、今日は遅かったですね。お食事は済まされたんですか?」
「うん。宿泊プランについてたのヨ」
先の記事にも書いたが、この日は「ハウステンボス ファミリエ」のスタート記念宿泊プランである「ファミリエ ホテルデンハーグプラン」にて宿泊した為、メインダイニングの『エクセルシオール』での夕食を済ませてからこちらに来たのである。
「ああ、それ、もの凄くお得なプランでしたってね。前に○○さん、此処でお話されてた女性の方、覚えてます?」
「えーと・・・・・・あ、大阪から来たって方?」
「そうです。その方も一寸前に来られたんですけど、夏に来る予定にしてたのにあんまりお得なプランなんで繰り上げてこの時期に来たって言ってましたよ」
「まあ、そうだろうね」
「それに、○○さんがお食事済まされて来るのって珍しいですよね。いつもだったら此処で飲んで一寸何か摘んで、って程度で終わりじゃないですか」
「そうね。あと、しっかり食べたきゃ『按針』へ行く位でね」
ご多分に漏れず、私も又酒を飲むと食べ物が煩くなるクチなのである。そう言えば、そのような話を以前Tさんとしたような気がする。

「ところで、何にしましょう?」
・・・・・・そうそう、私は酒を飲みに来たのだった。
何時までもグダグダと話をしていても仕方があるまい。
「そう言えばさ、この間、Tさん何か考えてたのがあったって言ってたよね。それ、作ってよ」
「ああ、そういえば言ってましたっけね・・・・・・」
普段は忘れっぽい私であるが、余計なことだけは覚えている。
Tさん、暫し思案の後、カクテルを作って持ってくる。
フラミンゴ・レディ アレンジヴァージョン「はい、どうも。これ、何?」
「これですね、「フラミンゴ」ってカクテルがあるんですけど・・・・・・前にもお作りしましたっけ?」
「そう言えばノンアルコールヴァージョンで作って貰ったっけね」
「そうです。それのアレンジ版ですね。ジンが好きだって聞いてたんで、ベースをジンに変えて」
ああ、だから美味いのか。
余人はいざ知らず、私はジンの独特の香気と味が堪らなく好きなのである。その故か、好物のカクテルはジンベースのものが多い。「シンガポール・スリング」に「ネグローニ」に「ホワイト・レディ」に・・・・・・。
が、実を言うとジンベースの一番好きなカクテルは頼むのを躊躇したままである。と言うのも、一番好きな「ギムレット」は、注文した次の機会より(何がどうと言う訳では無いのだが)その店に足が向かなくなる羽目になり、その後数年間は訪れることが無くなってしまうという妙な“ジンクス”があるのだ。何せ最近ようやく再訪した都内の行き付けのバー『SUNBUCA』にすら4年もの間訪れることが適わなかったし、近くにあった『もぐらのサルーテ』は再訪が適わぬまま閉店してしまったし、ハウステンボスでもあれ程迄に通っていた『ヴィノテーク』で「フレッシュ・ギムレット」をお任せで貰った次の帰国時より、とある引っ掛かり(スタッフには一切関係は無いのであるが)の為に足を向けなくなり、その所為で今では少々敷居が高くなったかの如くの思いの為に『アムステルフェーン』で飲んだくれているのであるから・・・・・・。
(そう言えば最近然る場所で「ギムレット・ハイボール」なるモノが出されたが・・・・・・これは大丈夫であろうか?)

まぁ、繰言はさておいて。

この後でもう1杯カクテルを作って貰い、あーだこーだとTさん相手に四方山話をしていた。
「そう言えばさ、今日は2人だけ?」
「今日は後でSa君が来ます。で、明日はEちゃんとHaちゃんが来ますよ」
「あ、Sa君来るんだ。何だか久し振りだね」
「そうですか?」
「うん、最近見てないもん」
噂をすれば影である。
当のSa君が店内に入って来た。
「あら、久し振り」
「お久し振りッス」
「元気そうね。最近見なかったけど・・・・・・学校忙しかった?」
「いや、そういう訳じゃなくって、来てるのは来てましたよ」
「そう?」
「あ、そうそう、Sa君、週末は部活で忙しくって来なかったんですよ」と、これはTさん。
「部活・・・・・・あぁ、アレ(ヨット)ね」
「そうです。アレです」
久方振りの再会故に、話は弾む。
ふと気が付くと、海側のドアから客が入って来た。
スタッフの様子を見ると、どうやら常連客らしい。

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July 27, 2008

相身互いの“客”(其の壱)

久方振りの『Jackpot』の話である。これは、忙しさにかまけてブログの更新がままならなかったことに加え、タイトルを決めかねた挙句に本文を書くことが出来なかったことによる。何卒ご容赦を。

それでは。

この日、『アムステルフェーン』の建物の横に自転車を停め、『ジャックポット』のドアを潜ったのは19:00になろうかという時刻であった。いつもよりも1時間程遅い。
この日、店内に居たのは店長I君とT姐さんであった。
「いらっしゃいませ」
の声に迎えられ、いつもの席(実を言うと海側のドアから入る私にとって此の席は最初に目に付く席であるのだ)に腰を下ろす。間髪入れず、冷たいおしぼりとコースターと灰皿が目の前に出てくる。

「はい、お土産」
と、いつものようにTさんにファイルを渡す。・・・・・・が、いつもと違って反応が鈍い。これは悪口ばかり書いているので流石の姐さんも怒ったのかな・・・・・・?と少々不安になった矢先、
「これ、読んだんですよね」
と、思いもかけぬ言葉が返ってきた。
「実は私もパソコン買ったんですよ」
「あ、そう」
成る程。
ならば、次回より帰国の際には記事は既読と考えて良さそうであるな。
「だけど、ブログの記事って順番じゃないじゃないですか」
「?・・・・・・ああ、新しい記事が上に来るからねぇ」
「だから読み辛いですよね」
「ま、最初は日記の用途が主だったしね。そうなると新しいのが上に来た方が都合が良いってこともあったからさ」
などと会話をしつつ、Tさん、印刷してきたファイルをパラパラと捲る。
「○○さんのブログって“Tさん”がいっぱいいるからどれが私だか判り難いですよね」
「そらしゃあないでしょう。だけどさ、“Tさん”だけじゃなくて“Mさん”も結構居るから書き分けが大変でね」
「あ、Mですか?」
「アレは従業員でしょーが。そうじゃなくてお客さんの方よ」
“Tさん”は、言わずと知れた『アムステルフェーン』のスタッフの中に居られる3人の女性である。書き分けが必要な際には『ジャックポット』のTさんは“T姐さん”、『グランキャフェ』のTさんは“T御姉様”、『パロット』のTさんは“Aさん”(これは名前の方)と表記するが、大抵の場合その店の記事内では“Tさん”と書いてしまうので、判り難いと言うのも道理であろう。
また、“Mさん”は全てHNのお3方であるが、イニシャルでは最初の2文字は全く一致してしまう。その為、あの方は1文字、この方は2文字、もうお一方は3文字を使用して表記する。こちらの方が私にとってはややこしい。・・・・・・閑話休題。

「それからね、こっちはみんなで食べて」
と、持参したのは「東京ばな奈」と「黒ベエ」。どちらかひとつにしようと思っていたものの、空港の売り場を見ていると矢張り両方買いたくなり、とうとう2つ購入してしまったものである。
いやはや、最近はスイーツも食してくれる相手も出来たことで、いつもならば指を銜えて見ているだけの空港の土産売り場や都内のスイーツショップで品定めや買い物が出来るのが嬉しい。故にこれからもあちこちの店で何やかやと買い物をして“土産”を押し付けることもあるであろうが、どうぞご了承の上ご笑納頂きたい。

「あとさぁ、こんなの要る?」
と、更に小さな包みを渡す。
「開けていいですか?」
「どうぞ」
出てきたのは、近くの『東○○○ズ』で購入した、ロールケーキを模った石けんである。チョコレートのスポンジを模した部分にはカカオの成分が入っているのだとか。
「これ、この成分が効きそうですよね」
「そんなもんかね」
Tさん、ふと私に目をやり、しげしげと見ながら
「ところで○○さんは何使ってるんですか?」
「アタシ?その辺で安売りしてる普通の石けんだけど」
「「牛○石けん」とか?」
「「○乳石けん」は滅多に安売りしないから使わないねぇ」
我が家の近くのドラッグストアでは、何故か「花○」の石けんの方が安売りされていることが多い。
「あとは石けんが切れたらボディソープで顔も一緒に洗ってるかな?」
「そうですか・・・・・・」
Tさん、些か鼻白んだ様子。が、ソンナコトを無頓着で肌の手入れもせぬ私に聞いても仕方が無かろう。冬の間は手荒れの為にハンドクリーム位は使うが。

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March 27, 2008

ゆく河の流れは・・・・・・(其の伍)

『ジャックポット』に戻って来ると、何時の間にかゲーム台が双方とも大盛り上がりになっていた。バイト君2名は汗だくになってディーラーを務め、ゲームを捌いている。
流石にこれでは私がゲームに参加して茶々を入れる余裕は無い。・・・・・・尤も、この折には結構飲んでいたのでゲームなどという億劫なものに参加をする積りも無かったのであるが。

さて、席に戻ろうとカウンターを見ると、置いていったコートがいつの間にか何時もの場所に置いてある。コースターと灰皿も新しいものが私の何時もの席にある。
「?」
と思いつつ先に座っていた席に着こうとすると
「あ、其処で良いですか?席、空きましたけど」
と、Tさん。
「あれ?何、それ、私の?」
「そうですよ」
「あ、そう。じゃ、そっちに移るワ」
『グランキャフェ』にしても『ジャックポット』にしても私の座る席はほぼ決まっている。どちらもカウンターの右端の席である。特に『ジャックポット』の場合、端の席は一寸高くなっている場所が有るので、肘を掛けてゆったり寛ぐ(場合によってはそのままもたれて眠ってしまう)のに丁度良い。
このときも、折角の心遣い故に素直に席を移動したものである。

「クラウディースカイリッキー」を注文し、ひと口飲んで人心地付く。
「ところでさ、今、幾ら?」
「少々お待ちください。・・・・・・¥6,650ですけど?」
Tさんが不安げな面持ちで言う。
「いやいや、もう5桁にしようなんて無茶は言わんよ」
「でも○○さん、『グラン』の分足したら5桁行くんじゃないですか?」
「そらまーね、そうでしょ」
『ジャックポット』と『グランキャフェ』をハシゴするようになってから、双方で貰う飲み物は酒だけでも10杯にはなるのである。他のもの(例えばチェイサーのウーロン茶)を入れるともっと多くなるし、『グランキャフェ』では飲み物以外のものは口にせぬが『ジャックポット』ではつまみなり食事なりを貰うことも多いので、勘定もそれなりにはなる。

「それにしてもTさん、最近売れっ子なんじゃない?この間も『グラン』の助っ人に行ってたし、今日は『按針』でしょ?」
「・・・・・・って言うか、私、要らない子なんですよ」
「何だ?そりゃ」
「助っ人に行くのは良いんですけど、何処に行っても「あ、時間だね。じゃ、帰って良いよ」って、こうですもん」
それは“要らない子”では無く『ジャックポット』に遠慮をしているのではなかろうか?
あれだけ型破りでありながら懐っこいキャラはそうそう居ないであろうに。だからこそ、私も『ジャックポット』に通うのだし現に彼女の勧誘で店を移った方もいらしたではないか。
・・・・・・などとは本人には言わぬが。どうせまたこの一連の記事も印刷して持参するので目にはするであろうし。
(ちなみにTさんはパソコンを所持しておらぬので、リアルタイムで記事を読むコトは無いのだそうな。故にこれらの記事が“土産”として喜ばれるのである)

賑わっていたゲーム台もどうやら一段落したようである。EちゃんとHa君がカウンターの中に戻って来た。
「疲れました〜」
「はいはい、お疲れさん」
2人とも目が疲れたようで、仕切りに瞬きをしている。
「そうそう、この間ね」
「はい」
「外出したときにコンナモン見つけたのよ。いる?」
取り出したのはガチャガチャのカプセル。
「これ、「ガンダム」ですか?」
「そうそう。あのね、これ、2頭身のキャラなんだワ。でね、写真見てたら「アッガイ」が何とも可愛かったのヨ。アレ、ギャグ漫画で取り上げられたりしてたんでね」
「そうなんですか」
「うん。で、「アッガイ」欲しくて買ったんだけど出て来なくってね。それは要らないから、あの「シャアザク」の隣にでも置いといてよ」
「はい」
Ha君、素直に受け取ってカプセル毎プラモデルの傍に置く。
この後思い付いて一寸『グランキャフェ』に行ったりもしたのであるが・・・・・・。

「ところでラストオーダーどうします?」
「あれ?もうそんな時間??」
「はい」
「そう。じゃね、「デリーフデ」と「XYZ」ね」
「はい、畏まりました」
「デリーフデ」に帆を掛けて・・・・・・慣れたものとて「デリーフデ」がすぐに運ばれて来る。中身は変わらぬが、グラスを変えたりデコレーションを変えたりと毎回違う趣向で運ばれて来るのは天晴れである。
口に運ぶ。すっきりとした飲み口と香り高いリキュールが心地良い。
・・・・・・と、ここでI君、何故かレジを打ち始める。
「一寸待った。「XYZ」は?」
「あ、すみません。私、間違ったんですよ」
と、Tさん。
何のことやら。・・・・・・と言うよりも、先程ふいっと外に出たりしたので気を遣ってくれたのであろう。
金額が提示される。
金を払う。ここでは“何時もニコニコ現金払い”が常である。尤も、カードは好きではないのでネット通販(『ハウステンボスショッピングモール』等)以外の買い物でカードを使ったことは無いが。
レシートが手渡される。後の為にとごちゃごちゃとレシートに書き込みをしつつ
「I君、ウーロン茶1杯しか入ってないってコトは無いよね」
「え?ちゃんと入れましたよ」
よくよく見るとウーロン茶は5杯分になっていた。どうも纏めて算出されているとレシートが読み辛い。
「それじゃ、またね」
「ありがとうございました」
送られて店を出る。
この後少々飲み足りぬ思いのままに『パロット』に寄って2杯程を飲み、アレ程馴染んでいた「関白失脚」を酔いのままにド忘れしてしまったものである。『アムステルフェーン』を辞し、部屋に戻ったときには既に1:30を回っていた。
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March 26, 2008

ゆく河の流れは・・・・・・(其の肆)

グラスが空いた。
「次、何にしましょう?」
と、これはI君。
「じゃあね、「アイスブレーカー」頂戴」
これはテキーラベースのカクテルである。テキーラ・ホワイトキュラソー・グレープフルーツジュースを2:1:2の割合でシェイカーに入れ、それにグレナデンシロップを1スプーン加え、シェイクしてロックスタイルにする。「ロングアイランドアイスティー」と匹敵する度数でありながらほんのり甘口である飲み口とロックスタイルの口当たりの良さで割りとすいすい飲んでしまうカクテルである。
が、I君、キョトンとしている。
「・・・・・・無理だったら「テキーラサンライズ」で良いよ」
「少々お待ちください」
こう言って、何処かへ出て行ってしまったものである。

しばらくして戻って来たI君、
「やっぱり「テキーラサンライズ」で」
と言いつつ、カクテルを調える。
I君、何処へ行っていたのか?ローリング・ストーンズのメンバーが絶賛したと言うこのカクテル、ご覧の通りオレンジジュースが非常に多い。故にアルコールも弱めであるので、そろそろ薬が効き始めて副作用が出つつある私の胃には優しい。
しかし、此処で飲んでいると何せ明るいものだから自分の酔いには気が付き難いものである。その為、折角のカクテルもオレンジジュースの甘酸っぱさを楽しみながらアルコールが物足りぬ思いをしていたものであった。

ややあってTさんが『按針』より戻って来た。
「只今ぁ〜」
「ほい、お帰り。んじゃ、お土産」
とファイルを手渡す。
「あとさ、こんなの食べる?」
と、手渡したのは『資生堂パーラー』の季節限定「さくらチーズケーキ」。ここのチーズケーキはひと口サイズなので、手軽に食せるとあちこちで評判が良い。
「あ、ありがとうございます」
「そう言えばさ、甘いモンってどうなんだっけ?Tさんはイケルとしてもさ」
「えっと、I君は食べられますよ。Ha君はどうだっけ?」
「あ、僕も大丈夫です」
「あ、そう。Eちゃんは駄目なんだっけ?」
「僕は駄目ですねぇ」
では、丁度良いかな?これは3ヶ入りの箱であるし。
Eちゃんにはそのうち何か見繕って持って来るとしようか。

ふと気が付くと、店内がガランとしている。
どうやら花火が始まったらしい。
それなのに、スタッフの誰一人として私に花火が始まったと促しはせぬ。
私もその夜は特に興味を持たなんだので、そ知らぬ顔で飲み続ける。
「今、何時だ?」
「え〜っと、21:00一寸前ですね」
Ha君は花火後の勧誘に備えて外に出てしまった。答えたのは偶々目の前に居たEちゃんである。
「そっか。そう言や、21:00っから『グラン』でピアノの演奏が有るって聞いたっけ。一寸行って来るね」
「はい、どうぞ」
と間髪入れず答えるのはI君。カネも払っておらぬ客にこう答えられるのは、権限を持つ店長ならではであろう。
「どれ、んじゃ、一寸行って来るかな」
と「テキーラサンライズ」を飲み干して席を立ちかけると、外に出ていたTさんが店内に戻って来ていた。
「何処行くんですか?」
「『グラン』」
「○○さん、別にMの顔見に行かなくっても良いんですよ」
「何でMの顔見に行くのよ。これからピアノの演奏があるんだってば」
「そうですよね」
こう言いながら、Tさん、またもや外に出て行ってしまった。
頃は良しと私も『グランキャフェ』に行き、ピアノを聴きながら2杯程を飲み、再び『ジャックポット』に戻る。

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