二つの原子時計の精度

時計が高精度になるほど、時間はより曖昧になる:研究結果
017.04.24 MON 21:00
http://wired.jp/2017/04/24/entanglement-of-quantum-clocks/

目の前に2つの時計があったとして、われわれはそれら2つの時計が“相互作用”するとは考えない。しかし、それらが原子時計のような高性能な時計だった場合、精度が上がれば上がるほど、同一空間で測定される時間はより曖昧になるという研究が発表された。
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TEXT BY SANAE AKIYAMA
時計の精度を計測するには、もうひとつ時計が必要

どんなに高性能な時計をもってしても、時間を正確に測定するのには限界がある──。こんな結論を導き出したのは、ウィーン大学とオーストリア科学アカデミーの物理学者によるチームだ。彼らは、量子力学と一般相対性理論を組み合わせて考慮すると、高精度な時計が刻む時間は、同じ空間で測定する際に途端に“ぼやけて”しまうという現象を、『米国国立科学アカデミー紀要』(PNAS)にて説明している[PDF]。

“超正確な時間”を測定するには、まず原子時計のように超高精度な時計が必要だ。そして、その時計の精密さを計測するのには、もうひとつ、同じくらい高精度な測定器がなくてはならない。

論文によると、この2つの超正確な“時計”は、同じ空間に置かれると、思いもよらない相互作用を起こすことになる。

量子力学と一般相対性理論を組み合わせる

現代物理学の主要理論のひとつである量子力学には、「ハイゼンベルクの不確定性原理」と呼ばれる数学的不等式がある。これは、相補的関係にある一対の物理的性質をより正確に知ろうとすれば、他方の物理量が曖昧になる(そして、その逆も同様である)というものだ。つまり、対となる物理的性質(位置・運動量や、時間・エネルギーなど)を同時に、かつ正確に知るのは原理的に限界があるという理論だ。

これを時計のコンテクストに当てはめると、限りなく正確に時を刻む高精度の時計は、そのエネルギーにおいて途方もなく大きな不確定性を有することになる。

一般相対性理論には、「時間の遅れ」という現象がある。これは運動している状態やエネルギー、または重力場の強さによって、時間の進み方が変化するのを予測するものだ。

通常、大きな質量をもつ天体の近くや、光速に近い速さで運動する物体の時間の進み方は遅くなる。アインシュタインは、かの有名な公式(E=mc2)により、静止した物質の質量とエネルギーの間には等価性があることを示した。巨大な質量をもつ天体のように莫大なエネルギーをもつ物体は、空間を歪ませ時間の進みを変化させることになる。

量子力学は、超高精度の時計とはエネルギーの不確定性を非常に大きくする可能性を予測する。一般相対性理論は、エネルギーの不確定性が大きいほど、その時計の隣辺の時間の流れの不確定性は大きくなると予測する。これらの情報を繋げると、同じ空間に隣り合って配置された時計は必ず互いに干渉し合い、最終的に計測される時間の精度を落としてしまうのだという。

この結果に対し、研究を率いたエステバン・カストロはリリースにて次のように述べている。

「われわれは、量子力学と一般相対性理論の両方が考慮されている“時間の本質”について、考えを再検討する必要があるでしょう」

余談だが、現在、使用されている原子時計は「数千万年に1秒」の誤差という精度を誇るといわれている。理論的には宇宙の年齢(138億年)が経っても1秒以下の誤差しか生じない「300億年に1秒」の精度をもつ光格子時計の研究も進んでいる。

(記事引用)








時間の定義理論

【物理学】“時間の定義”を完全に覆す理論!
TOCANA> 自然宇宙 > 宇宙工学・物理化学 > 
科学者らが「時間」に関する驚愕の理論を導き出した。なんと、あるとき時間が尽き、完全に静止してしまうというのだ! 想像を絶する恐ろしい事態だが、その時、我々は一体どうなってしまうのだろうか?
■宇宙の時間が遅くなっている
 英紙「Express」(4月22日付)などによると、スペイン・バスク大学のホセ・セノヴィーリャ教授とサラマンカ大学のマルク・マルス教授が、物質の最小単位が“細いひも”だとする「超ひも理論」をベースに同理論を導き出したという。

 「時間は減速している。宇宙はいずれ完全に静止する」複数の物理学者が提唱! 宇宙の常識覆す新理論がヤバいの画像1
画像は「Express」より引用
 研究のきっかけとなったのは、「宇宙の加速膨張」に対する疑問だったそうだ。「宇宙の加速膨張」は、1998年に遠方の超新星爆発の観測により発見されて以来、2011年には発見者である3名の物理学者にノーベル物理学賞が送られるなど、物理学者のみならず素人にも半ば“常識”と化している理論である。

 とはいえ、以前トカナでもお伝えしたように、宇宙の加速膨張には常識に反するおかしなところがある。というのも、本来であれば重力によって膨張は減速すべきとされているからだ。そこで、これまで物理学者は、負の圧力(斥力)を持つ仮想の「ダークエネルギー」を導入し問題解決をはかってきた。
だが、セノビーリャ教授らによると、そもそも宇宙は加速度的に膨張していないため、ダークエネルギーも必要ないというのだ。一体どういうことだろうか?

 彼らの提案はこうだ。加速しているように見えるのは、実は時間そのものが減速しているためであり、今よりも時間経過が速かった過去の超新星爆発を観測したために起こった見かけ上の現象に過ぎないということだ。

 「時間は減速している。宇宙はいずれ完全に静止する」複数の物理学者が提唱! 宇宙の常識覆す新理論がヤバいの画像2
画像は「Express」より引用
 宇宙が加速膨張していないとすれば、ダークエネルギーも不要になる。先日トカナでも報じたように、ハンガリーにあるエトヴェシュ・ロラーンド大学の研究者らも「ダークエネルギーを考慮することなく宇宙の膨張は可能」との結論に達していた。

「“標準的な時間の流れ”から膨張の変化を方程式で導くと、“膨張の加速”が起きているようにみえることが、シンプルなモデルで分かりました」(セノビーリャ教授)

 しかし、実際には“標準的な時間の流れ”は存在せず、時間は減速していると教授らは見ているため、この数式は誤りであるということだ。

恐ろしいことに数十億年後に時間が完全に静止したら、写真のスナップショットのように全てが凍りつくという。そして、時間が再び動きだすことは永遠にないそうだ。

 しかし、今回の理論では時間の次元が1つであると仮定しているが、南カリフォルニア大学のItzhak Bars教授は時間には2つの次元があると主張しているため、まだ不完全な理論であるとセノビーリャ教授は認めている。

 とはいえ、それだけで今回の研究の価値が損なわれるわけではない。ケンブリッジ大学のゲイリー・ギボンズ教授も「もし時間が出現したのだとすれば、消滅することもあるでしょう。つまり逆の効果がありうるということです」と好意的な反応を見せている。

 「時間は減速している。宇宙はいずれ完全に静止する」複数の物理学者が提唱! 宇宙の常識覆す新理論がヤバいの画像4
時間が静止した時、我々はどうなるのだろうか?「Thinkstock」より引用
 ギボンズ教授の言葉は、時間だけでなく宇宙の存在そのものについても当てはまるだろう。イギリスの哲学者デイヴィッド・ヒュームが喝破したように、太陽が明日も東から昇り西へ沈むとは限らない。我々には安定しているように見える宇宙も、サイコロを振ったら、たまたま6の目が連続して出てしまったようなもので、大きなスケールでみれば単なる偶然でしかないのかもしれない。
(編集部)
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【物理学】“時間の定義”を完全に覆す理論!
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我々は1日中時間に追われて生活している。ある作業に極度に集中して時間を忘れることもあるが、それも永遠には続かない。カレンダーや時計など時間を告げる道具がなければ、日常生活に支障をきたす人がほとんどだろう。出席したくない会議やテストが目前に迫っている時など、「時間が止まればいいのに」と願っても、時間は無常に経過し、(生きている限り)必ずその時はやってくる。いくらあがこうとも人間は時間の奴隷でしかない、そんな絶望を感じるほど時間は我々にとって絶対的だ。しかし今回、物理学者が、時間は実在しないことを理論的に証明してしまったという驚きのニュースが舞い込んできた!
■時間は実在しない
 英紙「Express」(12月3日付)によると、世界的に著名な2人の物理学者が、時間は実在せず、人間の幻想に過ぎないと主張しているという。我々にとって時間はあまりにも当たり前すぎて、その存在を疑うことさえ困難であるが、一体どうして彼らは時間が実在しないと言うのだろうか?

 本題に入る前に、まずは我々が知っている日常的な時間について考えてみよう。いうまでもないことだが、1度起きてしまった出来事は取り戻すことができない。時間を巻き戻して、やり直すことはできないのだ。なぜだか理由は分からないが、時間とは非―対称的なもので、矢のように一定方向にしか進まず、元に戻ることがないという奇妙な性質を持っている。
 しかし、物理学においては、時間は未来にも過去にも自在に進むことができる対称性を備えているという。ちょうど映像を逆再生するように時間を遡ることがあっても良いと考えるわけだ。そのため物理学では、膨張する宇宙が時間を遡って収縮してしまう「ビッグクランチ」を想定することが可能となる。むしろ一部の物理学者にとっては、時間を一定方向に進む矢のように非―対照的だとみなすことの方が理解しがたいという。では、彼らが考える時間の本質とは一体何なのだろうか? 2人の物理学者が「ブロック宇宙論」と「現在主義」という異なる立場から時間の非—実在を説明している。
■「ブロック宇宙論」

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画像は「Wikipedia」より引用
 米マサチューセッツ工科大学の物理学者マックス・テグマーク教授は、「ブロック宇宙論」の立場から時間の実在を否定することができるという。「ブロック宇宙論」とは、時間とは現在から未来へ向かって流れていくものではなく、過去・現在・未来が等しいものとして存在すると主張する物理学的時間論である。やや分かりづらい概念で恐縮だが、中学校で習う二次元座標、いわゆるグラフを思い浮かべてもらえれば案外理解しやすい。二次元座標のx軸を時間軸とすると、x軸上の点を移動することで過去から未来まで自由自在に時間を設定することができる。そして、その点を操るあなたは、すべての時間を等しいものとして扱うことができるのだ。

 映画「インターステラー」に登場する4次元立方体も同様である。主人公クーパーが4次元立方体の中を移動することで、任意の時間に自由に“行く”ことができる。ちょうど3歩進むと明日になり、3歩下がると昨日になるようなものだ。彼にとって過去・現在・未来すべての時制は等しいものとして存在している。

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映画「インターステラー」の4次元立方体「Interstellar Wiki」より引用
 同じように、「ブロック宇宙論」では、過去・現在・未来にわたる全ての時間が空間的に位置づけられている。すると、取り返しのつかない過去や、自分が確実に死んでしまっている1億年後の未来などというものは存在しないと言えそうだ。このことから、テグマーク教授は、時間とは客観的な物理世界に実在するものではなく、「人間が生み出した幻想にすぎない」と結論する。

「流れる時間という幻想は脳が生み出しています。すでに過ぎた過去があるように感じるのは、我々の脳が記憶をとどめておくからに他なりません」

 一方、英物理学者ジュリアン・バーバー博士は、「現在主義」という別の立場から、時間の非実在性を主張する。博士は、物理学者であり作家のアダム・フランク氏との対談(「時間について:ビッグバン末期におけるコスモロジーと文化(About Time: Cosmology and Culture at the Twilight of the Big Bang)」)で、全ての場所がそれぞれの“現在”と対応するという想像上の国家「プラトニア」について言及している。空間と時間が対応する「ブロック宇宙」に似ているが、博士がここで特に注目するのは“現在”の特権性である。プラトニアではどこに移動しても、ある任意の時間が現在になってしまうため、ここには過ぎ去った過去や、未だ実現していない未来という時間の流れは存在しない。この思考実験から、次のような結論が導き出せると博士は言う。

「あなたが先週存在したという唯一の証拠は、あなたの記憶です。ところで、記憶は“現在の”脳のニューロン構造が生み出します」
「地球に過去があったことを証明する唯一の証拠は、岩や化石です。しかし、岩や化石から過去の存在を知るのは、それら岩や化石を調べている“現在の”我々です」
「要は、全ての記録(記憶)は、“現在の”あなたが持っているということです」

 英哲学者バートランド・ラッセルが考案した「世界5分前仮説」という奇妙な思考実験がある。ラッセルは、過去から現在に至るまで138億年にわたり存在してきたはずの宇宙(世界)は、実は今からたった5分前に作られたと考えても全く差し支えないという。1億年前の化石も、現在の我々にとって“1億年前の化石として”5分前に作られ、我々の記憶も5分前に“我々の記憶として”作られたため、客観的に1億年前という過去が実在しなくても、1億年前があったと考えることはできるというわけだ。ラッセルはたまたま5分前と想定したが、1分前でも、1秒前でも、仮説の本質は変わらない。それどころか、一瞬毎に世界が創造されていると考えることも可能だ。

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画像は「Thinkstock」より引用
 バーバー博士の「現在主義」が言わんとしてることも、突き詰めれば「世界5分前仮説」と同じである。つまり、記憶は“現在の”記憶でしかないため、どこまでいっても過去が客観的に実在したと証明することはできないのだ。

 狐につままれたような印象を受ける議論であるが、これら2つの説を理解する鍵は、物理学者が対象としている時間は物理学的な時間であり、我々が経験するような流れる時間は主観的なものに過ぎず“実在”の名に値しないと考えているということだ。

 かといって、物理学者の時間理解が我々にとってまったく面白みがないとも言い切れない。4次元立方体に住むことはできないとしても、時間の本質が本当に「ブロック宇宙」や「プラトニア」のようなものだとしたら、いずれはタイムトラベルだって可能になるかもしれないのだ。そう考えると、物理学者らの奇妙な時間理解も夢のある話に聞こえないだろうか?
(編集部)
(記事引用)



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(♪ アフタービート622)








ビッグバン論 破綻

【ホーキング惨敗】宇宙誕生は物理的に説明不可能だったことが判明! やはり「端的な無」から「創造主」によって発生した!
tocana / 2017年6月20日 7時30分
宇宙は今から132.8億年前、超高温超高密度の大爆発「ビッグバン」で誕生したと言われている。学校でも習う常識的な宇宙論だが、これに対し次のような疑問を抱いた方も多いだろう。「ビッグバン以前、宇宙が存在する前には何があったのだろうか?」
この素朴な疑問に人類は未だ十分な答えを出せていない。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2017/06/post_13568.html】

■ビッグバン以前には何があったのか?

 現代の物理学では、ビッグバン以前は端的な“無”があったと想定されているが、これは極めて直観に反する非常識的なアイデアだ。空っぽの水槽に自然と魚が発生するとは普通ならば誰も考えないだろう。さらに、無から有が生じることを無批判に認めてしまうと、科学を宗教化することにもなりかねない。始まりにおいて、何らかの超越的な存在者が宇宙を創造したという「神仮説」である。
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英紙「Express」(6月17日)によると、この危険なアイデアに反するべく、米・物理学者アレクセイ・フィリペンコ教授は、宇宙の発生に神を密輸入する必要はなく、ただ物理法則によってビッグバンが生じた主張しているという。フィリペンコ教授にとって問題となるのは、「なぜ無から宇宙(有)が発生したのか?」ではなく、「なぜ物理法則があるのか?」という問いだ。しかし、これにも大きな問題が潜んでいる。

 なぜなら、「ビッグバン仮説」では時間・質量・温度などが無限大に至り、あらゆる物理法則が成り立たない“特異点”の存在が想定されているからだ。特異点の問題を解決しない以上、ただ物理法則によって宇宙が発生したとは言えないのである。

 そこで、ジェームズ・ハートル博士とスティーブン・ホーキング博士は、この問題を避けるため、この宇宙の時間や空間には境界や端が存在しないという「無境界仮説」を考案。実時間に虚数時間を導入することで、物理法則が全く成り立たなくなる特異点を避けることに成功した。しかし、これにも問題がないわけではない。虚数は英語でimaginary number(想像上の数)と言われるように実在するものではないため、想像された時間から実時間へのジャンプを解明する必要があるからだ。

■宇宙誕生の秘密は「トンネル効果」にあった?

 この難問を解決するにあたり、大きな役割を果たしたのが量子論で扱われる「トンネル効果」である。ボールを壁に投げると、極めて低い確率でボールが壁をすり抜けるといわれる時のアレだ。これが宇宙の発生において起こり、虚時間から実時間へ量子がジャンプすることで宇宙が始まったとすればよい、というわけだ。これが事実であれば、神に頼ることなく宇宙の発生を考えることができる。とはいえ、このようなファンタジックな現象が実際に起こったというのだろうか?

 この度、最新の科学技術情報を伝えるウェブサイト「Futurism.com」が、「無境界仮説」の最新の検証が行われたとのニュースを報じている。独マックス・プランク研究所のジャン・リュック・レナーズ博士らは、ハイゼンベルグの不確定原理を用いて、同説を数学的に厳密に精査。すると、トンネル効果が起こりやすい宇宙は、不規則でくしゃくしゃなことが多く、発生してもすぐに崩壊してしまうような極めて脆弱なものだったという。つまり、「無境界仮説」では我々の知っている規則的な宇宙は発生しないし、持続的に存在することができないということだ。ホーキング博士らの思弁はきっぱりと否定されてしまった。

 となると、「無境界仮説」よりも、“端的な無”や物理法則が成り立たない“特異点”を想定する従来の「ビッグバン仮説」が、現在のところ我々が知る最良の仮説ということになる。やはり、神が宇宙を創造したと考えるしかないのだろうか……? 謎は深まるばかりである。
(編集部)
(記事引用)
※イメージ画像は、ウイキペディア検索









坂本龍一 対談 福岡伸一

SWITCHインタビュー 達人達(たち)
「坂本龍一×福岡伸一」 2017.06.03 Facebook TwitterGoogle+共有 
ニューヨークの街を行く…手にしているのは高性能マイクをつけたスマートフォン。
一体何をしているのか?実は坂本街の雑踏や雨風の音など身の回りにある音を採取している。
今最も気になるのはこうしたノイズだ。
坂本は音楽の第一線を走り続けてきた。
一世を風靡した…30年以上前に作曲した「戦場のメリークリスマス」のテーマは今なお聴き継がれている。
2014年咽頭がんを患い一時は音楽活動を休止。
闘病生活を余儀なくされた。
そして今年3月復帰後初めてのオリジナルアルバムを発表。
タイトルは「async」。
同期しないズレるという意味だ。
これまで生み出してきた音楽と違う新たな境地に踏み出した。
誰でもそうですけど…今改めて音楽と向き合う教授こと坂本龍一が指名したのは…。
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虫取りをしているこの男生物学者のハカセこと…「生物と無生物のあいだ」は科学書として異例のベストセラー。
細胞や遺伝子の難しい話を分かりやすく解説する。
福岡は今ニューヨークのロックフェラー大学で生命の動的平衡について研究を続けている。
同じニューヨークに暮らす教授とハカセ。
共通の知人を通じて知り合った。
大変…4月末坂本の新しいアルバムのコンサートが開かれ福岡も招かれた。
会場は南北戦争の時代に将校が集ったホール。
坂本が挑む新たな音楽世界が披露された。
このアルバムで提示しようとした事っていうのが…彼に向かって問いかけてみて…こんにちは。
おっどうもどうもどうも。
どうもこんにちは。
昨日はありがとうございました。
いえいえすばらしいコンサートでした。
コンサートで使われた楽器が並んでいる。
しかしこれは…?こう…こういうふうに…。
(楽器の音)ああ…。
するので作ったんですけど僕はそれだけでは面白くないのでこの辺をたたいたり…。
(楽器の音)こうなる訳ですね。
当然…これは…。
(楽器の音)変わりますね。
(楽器の音)ウフフフ。
ああこういう…。
しばらく震え続けるんですね。
そういう事ですね。
(楽器の音)あっまた何かこう…これ…これは単なるガラスなんですけど。
触っていいですか?はい。
こすったりビュ〜ッと何かゴムのようなものでやると全くたたいたのとは違う音になる。
客席にはあのアーティストもいたようで…。
すいません。
すいません。
音楽の真実を探究する坂本と生命の謎を研究する福岡。
2人が究めたい世界とは?ずっと作りながら思ってたんです。
人間はある秩序がどうやってできるかって事ばっかり研究してきた。
40年を超えるキャリアの中で坂本は常に変わり続けてきた。
26歳アルバム「千のナイフ」でソロデビュー。
同じ年YMOに参加。
シンセサイザーとコンピューターを駆使したテクノポップという新しい音楽ジャンルを築き一世を風靡する。
映画「戦場のメリークリスマス」では俳優として出演。
音楽も担当しあのメロディーを生み出した。
映画「ラストエンペラー」の音楽で日本人初のアカデミー賞作曲賞を受賞。
クラシックテクノ映画音楽に現代オペラまでジャンルを超えて世界的な活躍を続けている。
そして今アルバム「async」で新たな境地に行き着いた。
楽器の音に環境音や自然音が混在する。
それぞれの音が固有のテンポを刻む。
ノイズと音楽の境目を曖昧にし音とは…音楽とは何なのかと坂本は問いかける。
ありがとうございます。
あの〜やはり福岡先生はね…とてもじゃないけど一直線の時間の流れの中に乗っかった何かの美しい曲線などは描いてない訳なんですよね。
直線的に進んできた訳じゃないとおっしゃいましたけれども今西錦司という生物学者がいて彼は山がとても好きで…。
そうですね。
生涯に2,000近い山を登ってきた。
「なぜ山に登るのですか?」って彼は聞かれたそうなんですね。
そこに次の山が見えると。
だからまたその山に登りたくなるんだっていう事を繰り返しながら自分は直線的ではなくてジグザグに進んできた。
山のようにジグザグにこっち行ったりこっち行ったり。
でもこの話の中で大事だなと思う事は…今回の坂本さんの「async」というアルバム。
ここまでのさまざまな営みの結果見えてきた風景というか情景なんじゃないかなっていうふうに思いました。
実はね去年アルバムを作っていてですねまるで山に登ってるようだな山登りしてるようだなとね実感したんですよ。
ああそうですか。
僕の場合はね地図のない登山なんですね。
だからまさに…一歩踏み出してみないとどういう景色かも分からない。
その1曲を作るって…その「async」の中のある曲を作るという事は僕にとってはそういう事でだから作り出してみないとどこがゴールか分かんないんです。
ある日…あ〜なるほど。
「これは終わりじゃないんだ。
ここに行かなきゃいけないんだ」っていう。
でも登ってみないと向こうは見えない訳ですよね。
それをねとても強く実感したんです。
アルバム制作期間は8か月。
このプライベートスタジオでほぼ一人で行った。
坂本自身が聴きたい音を集めたという。
外で採取した街の喧騒や自然音はコンピューターに取り込んで織り交ぜた。
自然が奏でる音は秩序立っていない。
ズレている。
だからアシンク非同期と名付けた。
ピアノもあえて普通の弾き方からはズラして演奏した。
こんな金属でガリガリこうやってやるもんだから…。
これは内部奏法と呼ばれるもの。
これは何?鉄箸ですか?鉄箸ですね。
これは別に僕はアジア人である事強調してやってる訳ではなくて単に音のためなんですけど。
こういう…こういうね。
こういう…楽しい。
これがね…何て言うんですか?力点をどこに置くかにもよりますけど…当たる場所も違うし強さも少しずつ変わってくる。
だからこれが…弾くよりもはるかに予測不可能になる。
それで使ってるんですよ。
だから音楽・音っていうのは一回性のもんだっていう事ですよね?科学の…あの何て言うんですか?価値観…。
反対ですよね?それと反対で…一点しかないからよいとかね。
そういうところにアウラがあるという…。
ベンヤミンに言わせればアウラという言葉オーラですけどね。
そこに価値がある。
そうすると毎回同じ事が必ず起こるとか劣化しないとかたくさん同じものがある。
複製技術時代ますますそれが高まっている訳ですけど今の時代はね。
その時に…印象的な一文があって今回「async」を作られた時に「誰にも聴かせたくない自分だけで聴いていたい」というふうに書かれてるんですよ。
これっていうのはCDに焼いてみんなに共有してもらうというところで同一性というものにとらわれてしまうんでそうならないままの…どうですか?極端に言うと生まれて初めてそう感じた事なので自分でも不思議だなと思っていたし…地図がないしゴールも分からないからどこで終わるかも分からない訳ですね。
だけどその瞬間というのがあるはずなんだよね。
うっかりしていると自分でも気が付かないで過ぎてしまう。
…で余計な事を足していってしまうっていう。
とてもそれを恐れていて今か今かと自分で…ちょっと変わった状態なんですけども。
なるほど。
う〜ん面白い。
アルバム発表前坂本はその内容について一切語らなかった。
唯一出したヒントは数式のようなこれ。
その比率が五分五分という事だ。
別に星座って平面に張り付いてる星の点じゃなくて…それは今そう見えているだけでその光だって何万光年も前から来ているものなんで今はもうない光なのかもしれないしそういったものを…そうです。
ついついそういう事は忘れてシグナルが本当のものだと思ってしまう訳ですけれども音楽の分野でもそういった考えというか感じっていうのはありますか?大いにありますね。
そのように何百年も変化進化というか発達してきた訳ですけども面白い事にちょうど僕が生まれる頃ですかね20世紀の後半に入った頃にアメリカの作曲家のジョン・ケージっていう大変すばらしい人がですねもう一回地の方に耳を傾けようと。
図ばっかり取り出すのではなくて地を見てみよう。
多分そういう事だと思うんですがそういう挑戦をした。
これは本当に大事な事でいまだに…あるいはもうますます今大事だなと僕は感じていて。
坂本は1952年生まれ。
3歳でピアノを始め10歳で既に作曲していた。
そんな坂本がジョン・ケージの音楽と出会ったのは10代半ば。
ケージは音を人間のコントロールから解放する事を提起した音楽家だ。
こちらはケージの代表作…実はこの作品4分33秒の間演奏が行われない。
そのため聴き手の意識が身の回りの音ノイズへと向かう。
ケージは…この出会いから後坂本は音とは何か考え続けてきた。
我々人間のね脳の特性としか言いようがないんですけども…病み難くありますね人間にはね。
人間の場合は特に…言葉による分ける力分節の力っていうのはすごくてその事によって本来…あまりにもロゴスの力によって切り取られ過ぎるとやっぱり本来の自然というものが非常に変形するというか人工的になってしまってもともと物理学のフィジックスあるいは生理学のフィジオロジーの最初のPhysisフィシスっていうのが本来の自然という意味でプラトンとかソクラテスが出るよりももっと前のヘラクレイトスの時代に…まあプラトンやソクラテスがイデアみたいなものを言いだして。
まあロゴスの人ですからね。
そうですね。
ありますねありますね。
そうなんですね。
その事にいつも考えさせられるところが多くてですね。
一度…これはほとんど不可能。
生活できないというか。
もちろん話もできないし考える事すら難しい。
できないええ。
でもね僕はこれ大事な事なんじゃないかなとやりながら。
名付けない。
(2人)名付けない。
名付けるっていう事は星座を抽出するっていう事ですからね。
まさにそのとおりなんですね。
シグナルとして取り出されたものじゃない…客観的な観察者である事を一旦やめてフィシスのノイズの中に内部観察者として入っていかないとそのノイズの中に入れない訳ですよね。
はい。
だから自分と外にあるいはその観察対象自然に何か差があるとかですね…そうなんですよね。
自分自身は木と同じ自然。
自然なんです。
生命体自然物ですよね。
ところが果たしてどれだけの人がそれに気が付いているだろうか。
僕らが扱っている楽器もそうですもちろん。
そうですね。
この大きなずうたいのピアノなんていうものはよく見ると木だし中は。
鉄だし。
鉄だし。
もともとは…図のように取り出してきてですね。
こう構成した…。
加工してですね音階まで人工的に考えて。
なるほど。
という欲望が最近強くてね。
それで実はたたいたりしてるんですこすったり。
これはね元のフィシス側の自然物としてモノが発している音を取り出してあげたいという気持ちがとっても強いのね。
今のお話で私がふと思ったのは音楽の起源という事なんですよね。
とても難しい問題ですね。
楽器の起源という事を考えると実は音楽の起源と楽器の起源は近い…あるいはもしかしたら同じ事なのかもしれませんが。
まあどの時点か分かりませんけどもそこに落っこっていた鹿の骨か何かを乾かしてみてそこで人工的に穴を開けようと。
これはもう完全に自然の改変ですよね。
穴をここに開けた方が自分は好きだ。
気持ちいい。
洞窟に行って吹いてみるとよりいい感じだと。
みんなでやってみようか。
やりだすという事はまあ容易に想像できる訳ですね。
なぜそうするか。
そこがフィシスとロゴス…人間のロゴスの始まりでもあるのかもしれませんけど。
なぜそういう欲動を持つのか。
ここがもう僕には分からないところなんですね。
生物学的には音楽の起源って例えば鳥の求愛行動みたいに鳴く事によってコミュニケーションする。
それが歌になり音楽になったっていうふうに語られる事は多いんですけれども私は必ずしもそうじゃないんじゃないかと思うんですよ。
この自然物に囲まれてる私たちの中で絶えず音を発してるものがあるじゃないか。
それは我々の生命体ですよね。
心臓は一定のリズムで打ってるし呼吸も一定のリズムで吐いたり吸ったりしてるし脳波だって40ヘルツぐらいで振動してるしまあその…セックスにだって律動がある訳ですよね。
だから外部に音楽を作って内部の生命と共振するような…。
非常にロマンティックですねそれはね。
面白い発想ですね。
仮にそうだとしてもそれなのにやる事はやはりロゴス的な事しかできない。
そうなんですよね。
そっちの方に持っていってしまう。
よりコントローラブルなというかコントロールしやすい。
で楽譜に書くっていう。
秩序立って。
オーガナイズされたものにしていく。
正確にやりたいんでコンピューターを使ったりとかっていうふうにどんどんそっちの方に行く。
面白い発想です。
坂本さんが今回行おうとした「async」というのもそういったフィシスの回復運動であると同時に本来音楽が持ってる一回性のリズムというのは…再認識みたいな…そうですね。
あの〜まあ…やってこなかったら「async」も見えなかった。
「async」という山も登ろうとは思わなかった。
でもせっかく「async」という山まで登ったのでですね登ったからこそ見える…つまりまた無差別に思いつきでどっか違うとこに違う山に行っちゃうっていうのも自分ではもったいなくてね。
この認識というんですかね。
今慎重に…いくつか山は見えるんですよ。
…でどこに行くべきか。
そんな間違いでもないんですねもったいないからね。
山登るの大変ですからね。
そうですよね。
時間もかかりますし労力もかかるので。
どの山に登るべきかというのを今…内観といいますか自分の中で観察するしかない事でもあるんですけど。
今じっくり観察しているところです。
後半は舞台をスイッチ。
どうも。
ようこそお越し頂きました。
ここはロックフェラー大学という所で…大学としてはそんなに古くないんですけれどもアメリカがドイツから科学のイニシアチブをなんとか取ろうと作った訳なんですけども。
第1次大戦第2次大戦で…そりゃそうですよね。
今もそうですから。
そうですね。
確実に下がりますよね。
福岡伸一が客員教授を務めるロックフェラー大学。
生命科学の最前線の一つ。
世界中から研究者が集まる大学院大学だ。
かつて福岡は博士研究員ポスドクを務めていた。
ちなみにあの野口英世もここで黄熱病の研究をしていた。
大学の創設は1906年。
これまでに25人のノーベル賞受賞者を輩出している。
福岡は4年前に出来た研究棟へ坂本を案内した。
らせんを行く訳ですね。
トークはイーストリバーが見渡せる会議室で始まった。
一度も詳しくは聞いた事ないので今日は是非そこも教えて頂きたいと思います。
もともとこのロックフェラー大学と私の関わりは遡る事30年ぐらい前に理科系は修業というか一人前になるのがなかなか長くてですね。
大学に4年行って大学院に5年行って…でもう20代も後半なんですけどまだまだ食えずにですねそのあとポスドクっていうまあ修業期間があって。
その当時は日本にいても駄目だから…柳行李ですね。
まあスーツケース2つぐらいで。
戦前みたいですね。
でもポスドク生活っていうのは本当にあの…今の言葉で言うとブラック企業でね朝から晩までぼろ雑巾のように…。
言葉の壁もあるし文化の壁もあるんで自分の体でとにかく…。
ぶつかれ…。
示さないと仕事が曲がりなりにもできるというのを示さないといけないんでもう日夜働いてたんで自由の女神にもエンパイア・ステート・ビルにも行った事がなくてただただボロアパートとここを通ってた時代が30年ぐらい前にありました。
でもまあ今から思うとそれは…福岡は1959年生まれ。
幼い頃はいわゆる昆虫少年だった。
虫を通じて命の不思議に興味を抱き科学者を目指した。
京都大学で博士号を取得後ロックフェラー大学に来たのは28歳の時。
分子細胞生物学に没頭した。
新しい遺伝子を見つけようと日米の大学や研究所で実験の日々を送った。
私もずっとある意味でこの…ずっとやってきた訳ですよね。
ある意味機械論的な生物学にどっぷりハマって…。
そこを通らないとね。
そうなんですよ。
何でもね。
その先に行けないですからね。
そうそう。
この前おっしゃってたようにその山に登って初めて次の風景が見える訳なんで…。
まず登ってみないとね。
そうそう。
その基礎学力をつけるという意味でも私はそんなに大発見をした訳ではないんですけれども小発見として…それは小発見なんですけれどもでそれが一体何をしてるかっていう事を一生懸命研究する過程である意味で究極の機械論的なアプローチでそのマウスの遺伝子を操作してそのGP2遺伝子をゲノム上からこうミクロな外科手術みたいな方法で削除してしまって…。
そうすると何が起こるか。
ええ。
部品を1個外しちゃう。
そうすると当然このマウスが一体どんな異常を引き起こすのか…。
異常はあったんですか?ないんじゃないかなって僕も予想したんです…。
何事もないんですよ。
でしょうね。
元気にこの飼育箱の中を走っていてですねどこにも異常がない。
寿命を調べてみても短くなってないしちゃんとノックアウトマウス同士交配して次の世代を作り出す。
それもみんな五体満足でどこにも異常がないんです。
1つぐらい欠けても可塑性やネットワーキングでほかを補ったり大体その1つ欠ける事によって何かが一つの現象が起こるというのは1対1に対応してないんじゃないですか。
そうなんですそのとおりなんです。
でもあまりにも機械論的な頭だと…。
部品を取ったら何か故障するはずだと思って…。
そうなってしまうんですよね。
だからそこも大きな私にとってはまあ挫折体験で。
これだけ時間と…。
研究費を投入してるのに全くデータが出てこない…。
苦労して挫折という…。
でやっぱりこれはその部品を1つ欠損してるにもかかわらず何事も起こらないという事の方に…。
発見がすごい。
もう三浦梅園ですよ。
そこに花が咲いてる事の方が驚きなんだという事を言った人がいる訳。
おんなじですね。
おんなじですよ。
だからそこでやっぱりその…それをもっとちゃんと…。
だってそうしなきゃさ40億年近くも生きてこれないでしょう生命は。
それは当たり前の事なんです。
すごい荒波の中で。
ええそうなんです。
遺伝子実験の挫折から福岡は動的平衡の考えに行き着いた。
生物は皆分子で構成されている。
ネズミがチーズを食べると体が反応してネズミの分子の一部がなくなりチーズの分子がネズミの体になる。
つまりネズミの分子は分解されチーズの分子に置き換えられているのだ。
人間も分子レベルでは体全体が1年ほどで全く別の分子に置き換わっている。
生き物の中身と外を分子が行き来する絶え間のない流れ。
これが福岡の唱える動的平衡の考え方なのだ。
生物学者はその細胞の中でどうやってタンパク質が構築されるかとかDNAがどうやって複製されるかっていうふうな構築の設計的なメカニズムを一生懸命研究してきた。
ところが20世紀の終わりぐらいから今世紀にかけて特に去年ノーベル賞を取られた大隅先生のオートファジーの研究っていうのは壊す方の事ですよね。
で実は細胞っていうか…どんな時でも壊し続けているし壊すやり方は何通りもある。
DNAの中にその壊す死の設計が必ず入ってますよね。
タンパク質も常に壊され続けてるんですよね。
動的平衡にならない訳ですよね。
出ていかないと。
何かが崩壊しないと。
だから…今のところその壊すっていうのはとにかく作ったから壊す。
ゴミがたまらないように壊すみたいに考えられてきた訳ですけれども壊す事の積極的な意味をもっと考えなきゃいけない。
なんとかこの要素に名前を与えるんじゃなくて…それをもうちょっと…ずっと考えるっていう事を実際やってきたんです。
それをですねこのロゴスに囲まれたアメリカの研究者にも分からせるようにやりたいというふうに一つはまあ…福岡は今動的平衡の数理モデルを打ち立てようとしている。
福岡のモデルを説明すると…。
あらゆるものには時間とともに坂を転がり落ちるという絶対的な法則がある。
私たちの細胞もこのままだと転がり落ちてしまう。
しかし細胞は一部が壊れるとバランスをとろうとして合成が起こる。
その分解と合成が坂を上る力を発生させ細胞つまり生命は転がり落ちずにとどまる。
この絶妙なバランス絶え間のない流れが動的平衡だ。
実際生命というのは常に合成と分解が成り立ってますんでそういうモデルをこの円のこの部分とこの部分に与えるっていう事を考えてみたんですね。
なるほどね。
ただ常にその分解をちょっとだけ多くしない事にはあの…合成が増すとこっちが伸びてしまいますからこう下向きのモーメントが強まってしまって…。
そうなんです。
ちょっとだけ。
そうすると壊れる事が常にちょっとずつ多いんでこの全体の円周は少しずつ…。
短くなっていく。
それが生命の…。
寿命だ。
有限性になるんじゃないかなっていうふうに思ってですね。
生まれて死ぬっていうのは納得できますよね。
これが全部なくなったら死ぬ訳ですけれど。
途中で病気になるっていうのはどういう…どの辺で考えたらいいですかね?そうですね多分その合成と分解のバランスがその合成の方が少し勝ってしまって分解が追いつかなくなってこの上り返してたものがこう下向きに下がりそうなったり…。
エントロピー増大の方向に向かってしまって…。
とか静止してしまってるというか…動的平衡の滞りが病気であるとしたら近代的な医学のようにある反応を止めたり邪魔したり…。
部品を取り替えたり。
とかじゃなくて何か全体をこう…とにかく揺すってやった方が平衡を取り戻せるという意味でいろんな多方向に反応するものがいっしょくたになってる漢方薬みたいなものの方が動的平衡を揺らしてやるっていう事においては優れているっていうふうに読み替える事もできるかもしれない。
かもしれないですね。
見えてきますね。
音楽と科学。
トークは2つの共通性へ。
どうやって38億年前のこの地球のある一瞬局所的に起きたのかっていうのは生命科学の最大の謎なんですけれども太陽系の出発点が46億年ぐらい前で最初の生命が現れたの38億年ぐらい前なのでたった8億年しか余裕がなかった。
だからこの時に数限りない試行錯誤が起きたとしてもそういった…本当に奇跡的な事で。
でもどこかに痕跡があればいいですよね。
仲間たちのね。
それはねそんなに昔の事ではないんですけれども僕が音楽的に感じているのはね僕たちの先祖っていうのは7万年ぐらい前に東アフリカから歩いて出てきた。
その時の家族アフリカ人の家族はもちろん一つの言語があって歌も持っていただろう。
もしかしたら楽器はなかったかもしれないけども…。
歌は持っていたはずだと。
重力波の痕跡じゃないですけどね。
そんな事は夢想してますよ僕も。
ああお聞きしようと思ってたのは楽譜の起源ってフェルメールの絵の中にも楽譜はありますしそれから100年前のダビンチの絵の中にも楽譜が描いてありますよね。
楽譜っていつぐらいから出来たんですかね。
中世ですね。
それからギリシャ時代にも楽譜らしきものは残ってますけどそれはああいう記号というよりかは何でしょうねあの…多分楽器の奏法そしてその長い短いぐらいが書いてあるんだろうと。
でもそれは推測なんでねその音は消えてしまうので。
いやなぜこれをお聞きしたかっていうと…つまり楽譜ってどこまでいっても音楽じゃないですよね。
音そのものじゃないですよね。
遺伝子も音符のようにいくつかの塩基配列が書いてあってそれがズレれば当然突然変異が起きたり変調が起きる訳ですけれども。
でも全く同じ遺伝子がどのように演奏されるかっていうのはそれぞれその遺伝子を持った細胞や個体に委ねられてる訳ですよ。
だからそういう意味では…演奏されて音にならないと音楽とは言えないですよね。
誰かが弾かないとね。
ええ。
でもその楽譜が音楽だと思いがちだし遺伝子が生命だと思いがちだっていう…。
先ほどのロゴスという事とフィシスという事の対応がそこにもあるなっていうふうに思ったんですけれども。
だんだん楽譜のシステムも複雑化してきまして何世紀の間に。
五線譜だってちょっと粗すぎると。
リダンダンシーというか曖昧性が入ってきちゃうんでそれはもういかんと。
全部方眼紙に緻密に書くような人も20世紀には出てきて数字で表すというような人も出てきますよね。
だからそうなるとね数学と同じような感じでその世界の中でいかに美しく表現する事に情熱をささぐように当然なりますよね。
それはでも間違いであってそれはどこまでいっても音楽そのものではないんだけれども…それが間違いだという事に気が付いたのはあるすばらしい演奏家が僕の目の前で今作った曲を弾くとその小宇宙を作ったはずの僕が想定していた宇宙…。
…と違う。
よりまあ違うものを。
よりすばらしいものになっちゃった訳ですね。
衝撃を受けてまた数年たってこれは…という事にまた気が付いたのね。
だから作る人がいるとでも演奏をする人がいる聴く人がいる。
ないと音楽の円環は成り立たないんじゃないかなとふと気が付きましたね。
それは生命科学もおんなじでやっぱり遺伝子に書き表されない事は生命現象として現れないっていう…その遺伝子が確かに半音ズレれば何か不協和音になって異常が起きるっていう事はありますけれども一つ音があろうがなかろうが全体としては大して変わらないような事もたくさんあるし全く同じ楽譜を持っている一卵性双生児だってまるで違う人格になる訳なんで。
それは本当にやっぱり演奏者と聴き手っていうものが合わさって生命現象は成り立ってるんで。
そうするとそれは…これが音楽になった場合には一回限りの演奏で空気の振動になって消えてしまうっていう事が音楽なんです。
そうですよね。
そうするとね今言ったように空気の振動音という現象が人間がいなくても常に起こっているんで…わざわざ新しい振動を呼び起こさなくても作らなくてもいいんでね。
という事だと思うんですね。
まあそんな…随分時間がたって。
いやそれはおんなじです。
本当ですね。
教授とハカセ2人の話はいつも尽きない。
あっという間に4時間ぐらいたっちゃうんですよね。
こういう話をしてるんで。
お酒飲んでるんで次の日になると忘れちゃって。
壊れて。
何か大事な話をしたけれども何だったか。
壊れたから前に進める訳ですよ。
そうそう…。
崩壊しないといけない。
そういう感じでございます。
話をしながら崩壊していくという。
2017/06/03(土) 22:00〜23:00
NHKEテレ1大阪
SWITCHインタビュー 達人達(たち)「坂本龍一×福岡伸一」[字]

今年8年ぶりのオリジナルアルバムで新たな音楽に挑戦した坂本龍一と、「動的平衡」の概念で生命の謎に挑む福岡伸一が、活動拠点のニューヨークで語り合う。

詳細情報
番組内容
最新アルバムで街の雑音などいわゆるノイズを取り込み、秩序だった既製の音楽像とは異なる音楽を制作した坂本。一方福岡は、「動的平衡」について考察する過程で、論理を越えた自然の力の大きさに魅せられてきた。坂本がコンサートを行ったホールと福岡が研究活動を続けるロックフェラー大学で、2人は秩序や論理の限界を知り自然を見つめ直すことの重要性や、音楽と生物学の意外な共通点についてトークを繰り広げる。
出演者
【出演】音楽家…坂本龍一,生物学者…福岡伸一,【語り】吉田羊,六角精児

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:19664(0x4CD0)
(記事引用)

関連記事:
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toyotano2953@gmail.com




春の種まき神楽

神楽舞
「種蒔」は、神の化身である翁が「三方」に盛った「米」を持ち、舞いながら相方の狐と一緒に米を四方に蒔き散らし、五穀豊穣を祈願する神楽である。             

「種蒔」 玉前神社春例大祭の神楽舞(2011年4月13日撮影)
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紀元前1020年の出来事

栄華をきわめた殷帝国が滅亡したとき森も衰退していた。再び繰り返す、同じ轍、同じ過ちをしてきたのも人の歴史である。栄枯盛衰は過去のものとしてやがて夢幻泡影にきえる。
いつの頃から始まったか、いまだ判らない人の歴史。遥か昔より人は自然界の驚異的力に翻弄されていた。その隠されたパワーは天空の太陽、月そして星にあると考え占星術を作り出した。

それでも干ばつ飢饉は襲ってくる。そして生きのびるために生贄を神に捧げ雨を乞う呪儀が行われた。それは残酷凄惨な殺生ではなく神聖なる精神性の舞台である。そうすることによって多くの人々が救われると信じて疑わない。 
いま、物理科学の成熟期である現代において生贄儀式を必要としない。古代より信じられてきた呪術の儀式は人々を救うという使命を果たさなかった。中世より近代に続く物理科学の発展が、そのことを証明した。しかし呪術の儀式はオカルト思想と相待って時代の残滓としてのこっている。勿論、合法範囲の儀式であるはずだ。


「音」~神様のお告げ 
「音楽」の「楽」は柄(え)のある手鈴(てすず)であることを前回、説明しました。

舞楽(ぶがく)の際、巫女(みこ)がこれをふって神を楽しませたのが「楽」です。
ならば「音楽」の「音」はどんな字でしょうか。
今回はそのことを紹介(しょうかい)しましょう。
でも「音」の字の前に「言」の説明をしたいと思います。
まず「言」と「音」の古代文字を見てください。非常によく似ていますね。そのことを知ってから、以下のことを読んでください。
 
この「言」は神様への祈(いの)りの祝詞(のりと)を入れる器「口」(サイ)の上に、入れ墨(ずみ)用の針「辛(しん)」を置いて、もし自分の言葉に偽(いつわ)りがあれば入れ墨の刑(けい)を受けることを神に誓(ちか)い祈る言葉を意味します。
古代文字の「口」(サイ)の上にある部分が、「辛」(針)の部分です。
その祈りに神様が反応して、答えます。神様の答えはどんな形でくるかというと、夜、静かな時間に器「口」(サイ)の中でかすかな音を立てるのです。
その神の答えの音が「口」の中にある横線の「一」です。それが「音」という字です。
古代文字のほうがよくわかるかもしれませんが、「言」の「口」(サイ)の部分に「一」を加えた字が「音」なのです。
 つまり「音」とは神様のお告げのことです。この「音」の字形をふくむ字に「闇(やみ)」があります。
この「門」の字形は神棚(かみだな)の両開きの扉(とびら)のこと。そこに神様への祈りの祝詞を入れる器「口」(サイ)を置き、その上に誓いの針「辛」を置いて、祈ると神が夜にかすかな音で答えるのです。
その時は夜で、暗闇の中で神様の意思は示されました。それを表す字が「闇」で、その時間は暗いので「やみ」「くらい」の意味となりました。
「暗」にも「音」の字形がありますが、これはもともとは「闇」と同じ字でした。本来は神のあらわれる「闇」を表す字が、明暗の対比などを言う字に使われ出して「日」を加えた「暗」の字ができたのです。 
                          
(引用 共同通信編集委員 小山鉄郎)漢字物語  



上総国 玉前神社の由来
http://idobatakaigicom.ldblog.jp/archives/1065429394.html









クレタ島 遠景

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 (♪ ミノタウロス)














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