注)このエントリはサイト版の楽韓Webで確か2004年くらいに書いたものをブログ用に再録したものです。

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楽韓Web 韓国人ウオッチング01

 楽韓Web風に韓国人ウオッチングというものをしてみようかと考えて、こんなコンテンツを立ち上げてみました。
 ブックレビューとは別に、韓国人というものの性質を明らかにしていくことができれば面白いのではないかと。
 というわけで、今回取りあげるテーマはこちら。

■日韓に見る天皇陛下による『ゆかり発言』の温度差
 2001年12月18日、天皇誕生日を前にして恒例の記者会見が開かれました。
 翌年のワールドカップ共催もあってか、記者から「韓国に対して持っておられる関心、お気持ちなどをお聞かせください」という質問が出ます。
 それに対して、天皇陛下は以下のようにお答えになられました(回答全文)。


 日本と韓国との人々の間には古くから深い交流があったことは日本書紀などに詳しく記されています。韓国から移住した人々や、招へいされた人々によって様々な文化や技術が伝えられました。

 宮内庁楽部の楽師の中には当時の移住者の子孫で代々楽師を務め、今も折々に雅楽を演奏している人があります。

 こうした文化や技術が日本の人々の熱意と韓国の人々の友好的態度によって日本にもたらされたことは、幸いなことだったと思います。日本のその後の発展に大きく寄与したことと思っています。

 私自身としては、桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると続日本紀に記されていることに、韓国とのゆかりを感じています。

 武寧王は日本との関係が深く。この時以来、日本に五経博士が代々招へいされるようになりました。また武寧王の子、聖明王は日本に仏教を伝えたことで知られております。
 

 しかし、残念なことに韓国との交流は、このような交流ばかりではありませんでした。

 このことを、私どもは忘れてはならないと思います。


 ワールドカップを控え、両国民の交流が盛んになってきていますが、それが良い方向に向かうためには両国の人々がそれぞれの国が歩んできた道を個々の出来事において正確に知ることに努め個人個人として互いの立場を理解していくことが大切と考えます。

 ワールドカップが両国民の協力により滞りなく行われ、このことを通して両国民の間に理解と信頼感が深まることを願っております。

 

 詳しくは宮内庁の天皇陛下お誕生日に際し(平成13年)を参照してください。
 記者会見の全文を見れば分かりますが、いくつか出された質問のうちのひとつに過ぎません。

■「ゆかり発言」に韓国人、大興奮
 しかし、韓国での一般の受け取りかたは異なっていました。

 ・日王、朝鮮半島との血縁関係を初めて言及(朝鮮日報)
 ・【記者手帳】日本の「王家血統」報道のタブー(朝鮮日報)
 ・「日王は百済の末裔」韓国人学者の主張(朝鮮日報)
 ・【社説】日本天皇の発言、歴史認識発展の契機に(中央日報)
 ・「百済王の子孫が桓武天皇の生母」明仁天皇、韓日の縁を強調(中央日報)
 ・【専門家寄稿】明仁天皇の発言、度過ぎる拡大解釈への警戒を(中央日報)
 ・日本天皇、韓国との縁を強調し友好のメッセージ (東亜日報)

 なぜか、「桓武天皇の母親が百済王家の血をひいている、と続日本紀に書かれていることにゆかりを感じる」というだけの発言が「天皇家が百済の末裔」、「皇室の百済起源説に触れたのははじめて」、「日王が日本最大のタブーに触れる」というような話に置換されてしまいました。
 しかも、「これまで日本では桓武天皇が百済王家の血をひいていることはタブー視されていた」ことにされてしまっています。
 ……「続日本紀」に書かれているんですけどね。

 まあ、落ち着いて俯瞰してみると、桓武天皇の生母である高野新笠は武寧王から数えて9代目の子孫。つまり、桓武天皇は10代目の子孫ということになります。
 単純計算して1/1024といったところですか。
 これで興奮できるんですから、韓国人にとって日本の天皇家というものがどれほど憧れの的であるか、理解できそうなもんですね。

■「ゆかり発言」が「天皇家韓国起源説」に置換?
 で、上の韓国の報道を仔細に見てみましょうか。
 特に朝鮮日報の「日王は百済の末裔」韓国人学者の主張は、なかなか楽韓Web的に味わいがある記事です。
 まず、最初に言及されているのはキム・ソンホ。『沸流百済と日本の国家起源』という本を書いていますが、基本的には農学者です。
 チェ・ジェソクという学者も取りあげられています。こちらは社会学の学者です。
 次に取りあげられているのがソ・ジンチョル。政治外交の教授ですね。
 最後がホン・ユンギ。文学者のようです。
 新嘗祭に奏上される祝詞が韓国語だという説を唱えています。詳しくは韓国人の日本偽史に掲載されていて、完全に論破されていますので、ひとしきり笑ってください。

 要するに『天皇家=韓国人の末裔』という説を唱えているのは、民間学者ばかりだということですね。
 歴史をまともに学ぶとまともな発言しか出せなくなってしまい、韓国ではそういった正統学者の声は小さくならざるを得ないのです。
 なんせ親日派(チンイルパ)が「売国奴」を意味する国ですから、特に歴史的に日本に有利なことを言おうものならそれだけで世間から抹殺されかねません。
 この記事でも最後のほうに李成市という歴史学者から、「(韓国の研究者たちが)近代韓国の民族意識を古代に投影している」という苦言が精一杯というところでしょうか。
 あ、ちなみにこの人は早稲田大学の教授です。

■日本の「ゆかり発言」への反応は?
 さて、翻ってこの発言が日本でどう伝えられたか。
 わざわざ図書館行って見てきましたよ。
 主要4紙の1面見出しを見てみましょう。

 読売 天皇陛下、きょう68歳 愛子さま誕生「家族で成長見守りたい」
 毎日 天皇陛下、きょう68歳 愛子さま誕生「うれしく思う」
 産経 天皇陛下68歳に 愛子さま、健やかな様子安堵
 朝日 天皇陛下きょう68歳「W杯で韓国との交流に期待」会見で語る

 まあ、朝日は置いといて(笑)。
 読売と毎日にいたっては本文中にもゆかり発言に言及なし。「両国民の協力で(W杯が)滞りなく行われることを願っています」というようなていどの取りあげかた。
 まあ、そもそもの質問が「ワールドカップに際してなにかコメントを」というものでしたから、あたりまえといえばあたりまえですか。

 翌年1月の金大中大統領の年頭記者会見でもこの発言が取り上げられて、「歓迎する」というようなコメントが出されていました。
 日本では、こういった韓国での暴走した取りあげられかたが苦笑いされながら報道されていましたね。

 さて、片や暴走気味に報道する韓国、片や発言要旨の中にすら入れない日本の報道。
 これが日本と韓国の相関関係をはっきりと示しています。

 日本にとっては韓国というのは、これといって特別ではない国。そこらの国と同等かそれ以下のプライオリティしか持たない。
 しかし、韓国にとっての日本という国は、あまりにも特別な存在であるという図式が見えてきます。
 もう、天皇陛下がほんのちょっと「韓国にゆかりを感じます」と発言されただけで、興奮してちぎれんばかりに尾を振るんですから。

 正直、そこまで興奮しなくてもなぁという気がするのですが。
 もうちょっと成熟しないと日本のカウンターパートにはなれないだろうなぁ。そもそも無理だという話もあるんですが。

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再録に際してリンク先や文章を一部ですが変更しています。 が、主旨は変わっていません。