貨幣流通速度0.74、韓国で進む「カネの動脈硬化」(朝鮮日報)
韓国の経済指標、90年代の日本と酷似(朝鮮日報)
景気の見通し暗い韓国、家計は消費控え企業は工場建てず(朝鮮日報)

 釜山市に本社を置く製造業者A社は3年前、年3.5%の金利で社債を発行した。社債は通常、投資財源として発行されるが、A社は300億ウォン(約30 億5000万円)を当時年3.63%の定期預金に入れた。わずか0.13ポイントの金利差を稼ぐためだ。A社の社長は「景気が不透明なので、現金を持って いないと安心できない」と話した。A社は最近、満期を迎えた定期預金を更新した。(中略)

 今年第2四半期末の韓国の貨幣流通速度は0.74で、1992年の日本(0.95)よりも低いことが分かった。これは過去25年間の韓国経済の平均 (1.9)の半分にも満たない水準だ。中央銀行がいくら資金を供給しても、現金をそのまま保有していたり、すぐさま銀行口座で眠らせたりするケースが増 え、カネの流れが停滞している。

 資金が循環しないことで、物価上昇率が低下している。第2四半期の韓国の消費者物価上昇率は1.6%で、92年の日本(1.7%)を下回った。日本は 90年代初めに低い物価上昇を数年間経験した後、99年から物価上昇率がマイナスに転じるデフレに陥った。韓国は先月まで23カ月連続で物価上昇率が1% 台で推移している。物価が上昇しないことは過去のインフレ時代とは異なり、むしろ災いだ。物価が上昇しなければ、消費と投資が先送りされるため、長期不況 に陥りやすくなる。
(引用ここまで)
>  家計も同様に、景気が悪くなると見込めばカネがあっても消費や旅行に回さなくなる。特に2000代半ば以降、家計総資産の60−80%ほどを占める住宅 の価格が横ばいか、地域によっては20−30%下落した。資産が減れば消費を減らすことになる。その結果、00年代後半から中間層はもちろん高所得層さえ も伝貰(チョンセ=高額の保証金を貸し主に預ける代わりに家賃を負担しない賃貸方式)の住宅に殺到するようになり、伝貰の保証金が毎年10−15%ずつ上 昇した。カネを保証金として納めてしまえば収益は得られないが、少なくとも損をする心配はないという計算が働いているのだ。

 これにより内需が低迷し、企業が投資をせずに雇用も減らすという悪循環が生まれている。結局、政府と中央銀行(韓国銀行)がどれほど景気対策に資金をつぎ込み、金利を下げても、市中にカネが回らないという「流動性のわな」に陥るというわけだ。
(引用ここまで)

 誰もが現金を欲しがり、品物を欲しがらなくなる。
 それによって物価が上がらなくなる。
 不動産を含めた現金以外の資産も目減りするので、余計に金がまわらなくなる。
 内需が萎むことで現金の価値がさらに上昇する……。

 いわゆる教科書的なデフレの兆候です。デフレスパイラルの1周目に入ったという言いかたをしてもいいかもしれませんね。

 でも、この記事はすごいですよ。
 なにがすごいって、3つの記事すべてが韓国のデフレスパイラルの最初の1周目について書かれているのに、デフレって言葉が2回しか出てこないっていう。
 しかも、どっちも「日本のデフレ」について解説したものであって、韓国がデフレ状態であるとは一言も言っていない。

 井沢元彦が「日本は言霊の国だ」という話をよくしていますが、韓国にも似たような思想があるのかもしれません。
 デフレって言わなければデフレに陥らないとか思っているんでしょうかね。