【社説】インチキベンチャー企業に翻弄された政府と銀行(朝鮮日報)
[オピニオン]ベンチャー神話・モニュエルの詐欺(東亞日報)br
 韓国関税庁が先ごろ、関税法および外国為替取引法違反などの疑いで、中堅家電メーカー「モニュエル」の代表取締役、パク・ホンソク容疑者の身柄を拘束した。同社は先月に法定管理(会社更生法に相当)を申請している。パク容疑者はパソコンの輸出単価を最大で300倍以上も水増ししたり、輸出書類を偽造して3330回にわたり総額29億ドル(約3270億円)相当の輸出をしたかのように見せ掛けたりしたほか、会社の資金446億ウォン(約47億円)を海外に持ち出して賭博や別荘購入などに充てた疑いが持たれている。

 パク容疑者は韓国の有名大企業の元営業マンで、2007年にモニュエルを買収。米国に輸出したホームシアターPC(パソコンとテレビとオーディオなどを合体させた家庭用映像・音響装置)が大量に返品され、資金難に陥ったことがきっかけで犯罪に手を染めるようになった。返品された不良品を良品のように見せ掛けて偽装輸出し、これを根拠に韓国貿易保険公社の保証や銀行からの融資を受けた。10年からは当局の追跡を逃れるため、全ての取引が海外で行われたかのように装い、銀行などの実査に備えて香港に偽の組み立て工場も構えた。

 モニュエルは昨年に1兆2000億ウォン(約1260億円)の売上高を計上したと発表したが、実際の売上高は700億ウォン(約73億円)にすぎなかった。残りは書類の偽造やペーパーカンパニーなどを利用した架空の売上高だった。08年以降の5年間で売上高が17倍に伸びたという「超高速成長神話」は、そのほとんどが詐欺だった。

 しかし、韓国政府は何も知らず、10年から3年連続でモニュエルに国務総理(首相)・長官表彰を授与し、韓国輸出入銀行も同社を「ヒドゥン・チャンピオン」企業(あまり知られていないものの、各分野で世界市場を掌握している優良企業)に選定した。また、貿易保険公社は同社に3200億ウォン(約336億円)の保証を与え、銀行10行は総額6700億ウォン(約703億円)余りの融資を行った。政府、公共機関、金融機関がそろってベンチャーのインチキ会社にだまされたわけだ。

 一方、ウリィ銀行はモニュエルに850億ウォン(約89億円)を融資したが、昨年に全額回収した。融資担当の行員がモニュエルの決算書に疑念を抱き、同社を訪ねてパク容疑者と面談、「説明が不明確」と判断して融資の回収を決定したという。つまり、決算書にきちんと目を通し、会社を訪問し確認してさえいれば、事態がこれほど大きくなることはなかったのだ。ベンチャー企業の支援や輸出金融体制に対し、全面的に点検する必要があるだろう。
(引用ここまで)

 この記事に掲載されている「インチキベンチャー」のモニュエルこそが、ZALMAN Techの親会社だったのです。
 2年くらい前に買収されたんだったかな。
 で、モニュエル社は元はPCメーカーだったのですが、ルンバのパチものとかを作って経営多角化を図っていた企業だったのです。その一環としてZALMAN買収があったようですね。

 実際、こういう企業風土は韓国ではありがちな企業のありようなのですが。
 それでも高成長時代はこんな風なやりかたでも、なんとかやっていけてしまっていたのです。
 高成長するということは原則としてインフレを伴うので、過去の借金はどんどん目減りしていったのですよね。

 なので借金を重ねても、社風がインチキでもめちゃくちゃでも、とにかく製品を出荷してそのうちにそれなりの企業になる……っていうパターンはけっこうありました。
 日本に輸出がはじまった当初のLGやサムスンの製品とかかなりきついもんがありましたからねぇ。LUCKY GOLDとかMITSUBOSHIって名乗ってた時代の話。
 でも、そんなのは前世紀の神話であって、この低成長時代にそんなやりかたはもう通用しない。

 チョンセもそうなのですが、韓国には高度成長を前提とした経済構造が少なからずあって、構造不良を起こしているように思えます。
 家計負債が多いのも「借金があっても、いつの間にかどうにかなってしまう」というこれまでの構造があったからじゃないかなと思うのですよ。
 デフレ時代には借金を持つことは破滅への道の第一歩なのですけどね。

 まあ、それにしたってこのモニュエル社のやりかたは確信犯(誤用)です。