成人病のような借金…年取るほど増えて完治は遠い=韓国(1) (2) - (中央日報)

借金の底が、より深くなっている。家計負債の増加傾向が険しくなりながら、あちこちで真っ赤な警告灯がついている。恐ろしく増えている数字よりも深刻なの は家計負債の質だ。特に引退を控えたベビーブーマー世代、所得が不規則な自営業者、低所得層の借金の増加スピードが恐ろしい。金利が下がり続けても借金を 返せるという自信は良くなっていない。

統計庁・金融監督院・韓国銀行が全国2万世帯を対象に調査した「家計金融・福祉調査」の結果を2010年から最近までの5年間を比較した結果、貧しいほど に借金はさらに多く増えていたことが分かった。家計所得が最も低い最下層20%の金融負債は今年868万ウォンで2010年(543万ウォン)より60% 近く増えた。一方、所得が高い上位層20%の借金は同じ期間で7141万ウォンから9312万ウォンと30%増加した。

低所得者などの借金を増やした主な原因は住居費だ。彼らが借りたお金のうち「チョンセ(高額な保証金方式による賃貸)・ウォルセ(通常の月極め賃貸)の保 証金用意」目的の融資比重が今年9.4%まで上がった。2010年は3.7%だった。住む家のための融資割合は同じ期間で33%から26.6%に落ちた。 貸出金利が低くなっても自宅の取得がさらに難しくなり、住居不安に苦しめられているということだ。

中・壮年層は借金によって老後の脅威を受けている。引退を控えたベビーブーマー世代である50代の家長の借金規模は全年齢層の中で最も多い。2012年に 50代の借金は平均7521万ウォンだったのに今年は7911万ウォンに増えた。すでに引退時期に入り込んだ60歳以上の融資は2012年の3473万 ウォンから最近は4372万ウォンへと平均1000万ウォン近く増えた。その間に65歳以上の引退者の貧困率も49.4%から53.1%へと半分を超え た。

韓国開発研究院(KDI)のキム・ジソプ研究委員は「引退前に融資の構造調整が正しく行われていない状況で高齢化と住居価格の不安を考慮すれば、文字どお り時限爆弾だ」としながら「もし家計負債が増えるスピードが抑えられなければ60%の総負債償還比率(DTI)を低くする案も来年頃に検討してみなければ ならない」と警告した。

今後、借金から抜け出せるという期待感も大きくない。借金が生計にとって負担になると感じる家庭は2010年の71.8%から2012年は68.1%に少 し減って今年は71.8%に再び増えた。今後、借金を返せると考える家庭も最近5年間で60〜65%水準にとどまっている。この期間中、金利が下がり続け た点を勘案すれば、生計に負担になるがどうにかして借金を返すという意志がむしろ落ちたと思われる。社会生活が始まる30代未満の青年たちの金融負債の増 加スピードもはやい。2010年の856万ウォンから今年は1366万ウォンへと60%近く増えた。すでに就職難や住居不安定に苦しめられて借金によって 社会生活を始めた青年たちの未来は、父母世代よりさらに暗い。
(引用ここまで)

 家計負債の大きな理由がチョンセの前渡し金。
 でも、全体におけるチョンセの割合って3割ていどなんですよね。
 言ってしまえばそれほどの額でもない。チョンセは最終的には戻ってくる金額なので、負担は金利だけですし。
 低金利の中、とにかく金利だけで部屋が借りられるというのはそれほど悪くない話です。
 まあ、チョンセに関しては不動産価格が下がると大きな爆弾になる可能性もあるのですが。

 それ以上にきついのが、それ以上の生活費として借りられている借金。
 家計負債で韓国がどうこうなるわけではないですが、内需は確実にしょぼくれるでしょうね。
 「現金の価値が大きくなる」という特性を持っているデフレ傾向では、借金はいつまで経っても減らない、むしろ負担が増えていくという状況になります。
 そんな現状であっても家計負債が増えているっていうことは、その負担というのは一方的に増大していきます。

 これも「韓国経済の構造」のひとつなのですけどね。
 これまで借金はむしろ推奨されてきたのです。かつての高成長時代では借金をしても元本はまたたくまにインフレで小さくなっていったので、負担は少なくなっていったのです。
 そういう「借金も込みのライフプランニング」があったのです。チョンセもその一環だったといえますかね。

 もはや低成長・人口減・上下葛藤の三役揃っている状況。
 韓国経済の根本構造が変化しているのに、周囲の構造が昔のままなので疲弊を起こしているのですよ。
 
韓国人の研究 角川oneテーマ21
黒田 勝弘
KADOKAWA / 角川学芸出版
2014-11-06