【コラム】ナッツリターンと韓国の20代(朝鮮日報)
【コラム】家族を崩壊させる韓国の教育システム(朝鮮日報)

  ニューヨークから仁川に向かう大韓航空機が出発直後に引き返すという、いわゆる「ナッツリターン」と呼ばれる先日の事件は、希望を持てない若者たちの心境 を理解するヒントになるかもしれない。実際この事件の内容だけを見れば、ここまで国民の怒りを買うようなものでもないだろう。航空会社の副社長が乗務員の ミスを指摘するのは当然のことであり、時には大声が出ることもあるだろう。もちろん飛行機を引き返させるとか、機内で暴れたことは航空法違反であり、他の 乗客の時間を奪ったことも責められるべきだ。しかしここまで国民の間で怒りが収まらない理由は、何か他のところにあるのではないか。

 ま ず国民のおそらく99.9%は飛行機のファーストクラスに座ったことなどない。そのためそこでのサービスがどういうものかも当然知らないが、この事件を きっかけに少し知るようになった。つまりファーストクラスではピーナツを袋のまま出してはならず、皿に盛って出さなければならないということだ。エコノ ミークラスではピーナツをくれと言っても普通は無視される。このことに気分を害したことのある人にとっては、皿に盛られなかったことに激怒するなど理解で きないだろう。ピーナツをくれなかったわけでもないのに、なぜそれほど怒り狂わねばならないのかということだ。

 この事件の張本人は生ま れた瞬間から財閥の一員で、大企業への就職が保障されており、また将来は自分が勤めていた企業を相続するはずだ。おそらく飛行機もファーストクラス以外は 乗ったこともなく、エコノミークラスの5列席の真ん中で、ソウルからニューヨークまで14時間もじっと座り続けたことなどなおさらないはずだ。そのような 人間が、必死に勉強して競争を勝ち抜き、やっとのことで大企業に就職し熱心に働いていた2人の乗務員に対し「ピーナツの出し方がなってない」ことを理由に 土下座を強要した。そのニュースを聞いた瞬間、韓国国民は誰もが自分が土下座させられたように感じたはずだ。あまりにも多くを持つ者、その強欲さを隠さな いわずかな少数の前に、誰もが膝を屈したかのように感じたのだ。そのため大多数の国民はいつまでたっても怒りが収まらないのだ。

 若者た ちは社会に出て必死に働いても、いつ土下座させられるか分からない不安におびえている。いくら社会に出て頑張っても「生まれながらの金持ち」と比べれば、 その爪の先ほども稼げないことを知っているし、そのこと自体が恐ろしいのだ。そのため若者たちは大学を卒業せず、結婚もしないし子どもも生まない。今回の ナッツリターンは若者たちが抱くそのような不安が現実として起こった。若者たちの間からは「ほら見ろ、社会なんてあのようなものだ。ドラマ『未生』(プロ の囲碁棋士になる夢がかなわなかった主人公が社会の過酷な現実に苦しむ物語)は決して作り話ではないのだ」といった声が実際に聞こえてきそうだ。最近の 20代の若者に対して「ひ弱になった」などと軽々しく責め立てることはできない。このようにジャングルのような厳しい世の中をつくり上げた大人たちが、まずは責任を痛感するべきだ。
(引用ここまで)
 韓国経済の成長には教育熱の高さが大 きな役割を果たした。しかし、いつからか教育は経済発展のけん引車となるどころか、障害になってしまった。まず塾や習い事の費用の高さが家計を圧迫してい る。家計支出に占める塾や習い事の費用は昨年現在で14.5%で、先進国と比べ最大9倍に達する。教育費のうち80%以上が塾や習い事の費用の費用だ。  韓国で子どもを産み、結婚させるまでにかかる費用は1人当たり3億5528万ウォン(約3370万円)だ。このうち、初級学校(小学校)から大学までの期 間にかかる費用が2億4000万ウォン(約2550万円)に達する。その資金の相当部分は借金で賄われる。最近の韓国銀行(中央銀行)の調査で、1年後に 借金が増えると答えた人の20%が教育費を理由に挙げた。 経済学における生涯周期の仮説によれば、年代別の消費性向は所得が低い20−30代で高く、相 対的に所得が高い40−50代になると低下する。貯蓄が増えるためだ。その後、高齢者になると再び高まり、消費性向のグラフはU字を描く。しかし、韓国は W型という特異な形を示す。壮年層が教育費負担のせいで貯蓄できない結果、高齢者の貧困問題が生まれる。(中略)

 PISAで韓国の学生 の成績は世界最高水準だが、学習時間を反映して再計算した1時間当たり点数はOECD加盟国で最下位圏だ。費用対効果が低く、あくまで搾り出された点数だと言える。そんな実力では競争力を持つことは難しい。能力を見分けることもできない大学修学能力試験の問題に正解して、名門大学に入ったとしても、就職率 は50%に満たない。

 保護者は今のような無理な教育投資を続けるべきかどうか冷静に考える必要がある。ある研究論文によると、中学校以 降は塾通いに100万ウォン余計に使うよりは、自習時間を1時間増やす方が成績向上効果が高いという。両親の所得と子どもの接触頻度の相関関係を国別に調 べた分析研究によると、韓国の子どもたちは両親の所得が高いほど接触が多く、所得が低いと接触を絶つ傾向が目立った。塾通いの費用を工面するために老後の 準備を放棄することは、自分自身だけでなく、家族関係を崩壊させることにつながる。
(引用ここまで)

 両方あわせて一本の記事になるって感じですね。
 教育費をいくらかけて、スペックを積み上げても大卒の2%しか財閥系に就職することはできない。
 教育費のかけすぎで高齢者には貯蓄がなくなっているのに、大半の学生にはいい就職先がない。
 それどころか非正規を含めても半分しか就職できない。

 バカみたいな競争社会になるのではなく「財閥以外」でも余裕を持って生きていける道というのを構築すべきだったのですよね、
 内需拡大で国内の富を底上げすべきだった。
 IMF管理下に置かれたあとの金大中政権末期〜ノ・ムヒョン政権にかけてまでは絶好の機会だったのですけどね。
 むしろ外需優先でブーストをかけてしまって、安易な道を選んだ末路がこれですよ。

 「世界一の大学進学率」を誇り、「世界最高のIQ」とやらを誇り、「世界に通用する財閥」を誇った結果が、クラスの中から1人が財閥に入れるかは入れないかですべてが決まってしまう世界。
 物理学者が公務員だからという理由で清掃人になりたがりスペイン語を話せるという技能を持つ人間すら就職を諦める
 そんな倍率を潜り抜けて財閥系の会社に入ってもひとつのミスでオーナーの子供に土下座させられる。

 そうして学生はソウル大学の化学生物工学部に入れるほどの頭脳を持っていても、医学部でなければダメだと大学のランクを落として「ソウル大学合格を取り消せ」とデモをし、TOEICで990点満点を取る人材が一芸入試で医学部に入る
 ロボットが作りたいからと韓国で最高の工学系大学に一芸入試で入った若者は微積分ができずに除籍寸前になって自殺

 ディストピアにようこそ。