外国人相手のぼったくりタクシー、覆面調査員同行ルポ(朝鮮日報)

 「今から絶対に韓国語を話さないでください。タクシーやコールバン(ワゴンタクシー)から降りるとき、必ず領収証をもらってください。それから、ぼったくりに遭ったらそのまま降りてナンバープレートを確認してください」

 ソウル・中区庁(区役所)交通行政課の職員の説明に、ハルビン出身で在韓10年の中国語講師、李さん(36)=仮名=と天津出身で漢陽大の韓国語課程を 修了した大学院生、郭さん(28)=仮名=がうなずいた。韓国語が堪能な二人は、初めて韓国を訪れた中国人観光客を装い、旅行者に法外な料金を吹っかける タクシーを摘発する「覆面調査員」を務めている。 (中略)

 ソウルの明洞から東大門市場までの区間は、中国人観光客の間で最も「ぼったくられる」区間として有名だ。大通りの退渓路を東に3キロほど直進すれば着く が、タクシーはまず北に向かい、それから西へ、Uターンして東へと、回り道をし始めた。これに気付いた郭さんが、後ろで「東大門!東大門!」と叫んだが、 タクシーは30分近く走った後、ようやく東大門デザインプラザの向かいに到着した。真っすぐ向かえば13分で着く距離だ。

 郭さんは1年前、東大門のファッションビル「ドゥータ」の前でぼったくりに遭った。午前0時過ぎ、ショッピングを終えて中国人の友人たちと明洞へ向かお うとしたところ、タクシー運転手は指を4本立ててみせた。郭さんは「4万ウォン(約4200円)払わなければ乗せないと言われたので、後ろのタクシーに乗 ろうとしたが、運転手は同じように指を4本立てた」と話す。列を成していたタクシーは、示し合わせたように同じ対応だった。仕方なく、4万ウォン払って 乗ったという。

 二人はこの日、5回タクシーに乗り、明洞、東大門、梨泰院、中区庁を行き来した。近い距離を遠回りで行ったタクシー、何度言っても領収証をくれなかった タクシーなどを区庁に通報した。昨年から10回ほど覆面調査員を務めたという李さんは「昼間はまだ少ないが、深夜はほぼ必ずメーターを止めた運転手たちと 交渉しなければならない」と話した。

 在韓18年目の日本人、ミドリさん(51)=仮名=は、これまでに覆面調査員を7回務めた。「タクシーの運転手が流ちょうな日本語で『(タクシーの色 が)オレンジは3万ウォン(約3200円)、シルバーは4万ウォン、黒は5万ウォン(約5300円)』と言って交渉を持ち掛けてきたときが一番驚いた」と 話す。「ヤフージャパンで『韓国のタクシー』を検索すると、明洞から東大門へ行くのに3万−4万ウォン取られたから気を付けろというアドバイスが見つか る」という。

 モンゴル出身の覆面調査員(35)も「初めて韓国に来たときは、メーターを止めて走るのがこの国の常識なのかと思った」と話した。

 中区庁は10月から、中国人、日本人、モンゴル人の覆面調査員6人を動員し、外国人相手のぼったくりを取り締まっている。先月だけで、メーターを回さな かったタクシー15台を摘発した。また、外国人観光客に近づき、乗せる前に値段交渉をしたコールバン(ワゴンタクシー)4台も摘発した。運転手たちは「覚 えていない」としらを切るという。

 また、外国人にだけ高い料金を請求した飲食店4店にも行政指導や行政処分を行った。モンゴル人の覆面調査員(40)は、明洞の飲食店街にあるポッサム (ゆで豚肉のキムチ・野菜包み)店で水を頼んだところ「うちの店では水ではなく酒を注文してもらわないと」という答えが返ってきた。1人分の料理で2人分 の価格を請求した店もあった。

 この覆面調査員は「韓国語が話せないふりをしたら、従業員たちが『外国人だから(ないメニューも適当に作って出すから)あると言っておけ』とささやき 合っていた。レジでは、10店のうち2−3店は外国人向けの料金が別にあった」と話した。中区庁の関係者は「外国人の覆面調査員の話を聞くと、韓国はまだ このレベルなのかと顔が熱くなる」と話している。
(引用ここまで)

 KTXで隣りあった韓国人も「深夜のタクシーには気をつけてください」って注意してくれたくらいなものでして。
 韓国では基本、ぼったくられます。

 以前も書いたようにぼったくりには経済格差の埋め合わせという側面もあるのです。
 つまり、タクシー運転手はいわゆる「上下葛藤」の下にいる人間なのです。
 初乗り2kmまで2400ウォンとかですからね。そりゃま、満足な収入は得られないでしょう。
 韓国インターナショナルサーキットに行ったときも、貸切で数時間廻ってもらったけど6万ウォンとかでしたね。

 飲食店も同様。同じ経済レベルにいる韓国人からは適正価格で提供するけど、相場が分からない外国人にはぼったくる。
 10店のうち、2-3店がこうだというのだから、普通にお店に入ったら1日に1回は地雷を踏むかもしれないってことです。
 そりゃまあ、リピーターがごく少数になるわけですわ。

実録ボッタクリ商売 (C’s Mook 56)
影野臣直
シーズ情報出版
2003-12