李健熙会長の「存在感」が映すサムスンの今 (日経新聞)
李健熙会長の誕生日…李承ヨプ「ご回復祈ります」メッセージ(朝鮮日報)

 サムスングループのオーナー経営者である李健熙(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長が9日、73歳の誕生日を迎えた。心筋梗塞で倒れてから8カ月。意思疎通はまだできないが、サムスンは誕生日に合わせて社内向けの特別番組を放映した。足元の業績が悪化している状況で、グループ内を引き締めるために李健熙氏の絶対的な「存在感」にあやかろうという思惑も垣間見える。

 「会長のいないサムスンなんて考えられません」、「昨日タクシーに乗ったら運転手さんが会長のことを“国宝”だと言ってました」――。9日午前8時、サムスングループ各社は一斉に5分間の社内向け特別番組を放映した。李会長の誕生日にあわせて製作したものだ。

 番組には社員だけでなく、日本の巨人でも活躍したプロ野球、サムスン・ライオンズの李承(イ・スンヨプ)選手らも登場。異口同音に回復を祈った。
(中略)

 誕生日の特別番組放映など一連の動きは過剰な演出のようにもみえるが、いまサムスンが非常事態に直面していることとも関係がありそうだ。(中略)

 権五鉉(クォン・オヒョン)副会長は2日に発表した新年の辞で、「世界経済は不確実性を増す」「競争はいっそう激しくなる」などと、変化や挑戦の重要性を強調した。とはいえ、李健熙会長が例年打ち出してきたものに比べると迫力に欠ける。

 たとえば、李会長の昨年のメッセージは「業界を先導する事業も絶えず追撃を受けて、不振事業には(立て直す)時間がない。もう一度変えなければならない」と強烈に危機意識をあおった。信賞必罰を掲げる李会長のプレッシャーが今までの成長を支えてきた一因だが、会長不在のなかで勢いが弱まっていることは否めない。
(引用ここまで・太字引用者)

 ついこの間も、「北朝鮮の大言壮語はプロパガンダ的なものではなく、民族的バックボーンに支えられた南北共通のものである」という話をしましたが。
 権力者に対応するやりかたがまったく同じなのが面白いですね。
 北っぽくアナウンスるのであれば「この日、偉大なるアジア最高打者であるイ・スンヨプをはじめとしたサムスンライオンズ所属選手は、偉大なるサムスン財閥の父であるイ・ゴンヒ会長に対して『早いご回復をお祈りいたします』と述べました」ってとこですか。

 社内のみの放送といえども、「会長のことを国宝だと言っていました」「会長のいないサムスンなど考えられません」って口々に言う。
 死んだときには伝統芸能である泣き女も出てきそうです。

 なんていうか……すごいなぁって単純に思います。
 あと、同時に「うわ、気色悪い」とも思いますね。
 北と南、まったく異なるような国に見えてしまいますが、一皮むくと同じ民族性のバックボーンが確実に存在しているのです。

 まあ、それとは別にやっぱりサムスン電子は相当な窮地に追い込まれているのだなぁ……というところですか。
 サムスン電子だけならず、韓国経済そのものが落ち込み始めたと同時にその象徴でもあったイ・ゴンヒが倒れる。
 そのタイミングが演出的に最悪であったのも面白いというか、ちょっと運命的なものを感じてしまいますね。