「脳がないからか、低能児だからか…」ソウル市響に向けた代表の暴言(中央日報)
鄭明勲「ソウル市響代表、容認できない人権蹂躪」(中央日報)
ソウル市響代表「鄭明勲氏が私を追いだそうとしている」(中央日報)
鄭明勲氏「特恵疑惑」は事実…ソウル市の1年契約延長に批判(中央日報)

2日、ソウル市響の職員が、代表の退陣を要求して資料を公開した。資料の中のある部分によればパク代表は晩餐後、ある職員に電子メールを書くよう指示した という。内容はこうだ。「あなたがそこに座っていた理由は、脳がない(no brain)からなのか、低能児だからなのか、傲慢だったからなのか」。電子 メールの受信人はアスコナス・ホルトの職員だ。

幸いにも電子メールは送られなかった。指示を受けた職員は「どうして送ることができようか…」と言葉を流した。代わりに職員は、代表の言動が正しくないと いう内容を発表したのだ。今年初めに退社したある職員は「代表任期は3年だが、とうてい耐えられないという結論を出した」と話した。

暴言論議が起きるとパク代表は3日の記者会見を予告していたが突然取り消した。「名誉毀損をはじめとする法的対応を検討中」という告知を残した。そして 「2〜3日以内に必ず(記者会見の開催を)再告知する」とした。記者会見を行うならば、自身がそのような言動をしたことがないと明らかにする可能性が大き い。ある放送局とのインタビューで「私はそのような人ではない。そうしていたとすれば(職員が)すぐに反論をしているべきではないか」と話したためだ。

そういう話をしたことがなければ、職員はなぜこうするのだろうか。ある職員は記者に「職場を解雇される覚悟をしながら、ない話をつくり出す『乙』が世の中 のどこにいるか」と言った。彼はまた「職員個人だけでなくオーケストラ全体が壊れていくのを、これ以上見ていられなかった」と付け加えた。レコード会社・ マネジメント会社・後援会との関係が悪化しているということだ。
(引用ここまで)
鄭監督はこの日、ソウル市響の練習に先立ちオーケストラ団員に状況を説明した。「(朴代表の暴言について)知ってからずいぶん長くなった。1年以上になる が職員があまりにもひどい苦痛にあっていて、(朴代表に)呼ばれて部屋に入れば何時間も人として扱われないという話を聞いた」。鄭監督は「こういうことを 見ていて耐えられなかった、私も職員の役に立たなければという考えで6週間前、ソウル市に話した」と説明した。引き続き朴代表が自身を批判したことについ ても言及した。朴代表は5日、記者会見を行って「鄭監督がソウル市響を私組織のように運営し、個人の利益のために芸術監督の本分を尽くさなかった」と話し た。これに対して鄭監督は「ソウル市に話した後、静かに解決されることを願っていたが、それができなくなっている。私に問題があるという話まで出てきた」 として「とんでもないことだ。私に過ちがあれば伝わるだろう」と主張した。(中略)

2日にソウル市響職員17人は、朴代表が自分たちに暴言・セクハラを含めた内容を公開して退陣を要求して問題が大きくなった。朴代表は「組織を改革しようとして乱暴な言葉が出てきた。職員の背後には鄭監督がいる」と主張した。
(引用ここまで)
記者会見で朴代表は「鄭監督は10年間に140億ウォン(約15億円)を受けた。自分の家の修理費、宿泊するホテル費を事務室から出せないかと尋ねるなど 規定に外れることが多かった。また、鄭監督の息子のピアノの先生だった69歳の市響職員が年俸5700万ウォンも受けていた」と主張した。このようなこと を承認しなかったため職員が反発したということだ。「鄭監督が背後にいるのか」という質問に「そうだ」と答えた。

これに対し職員は立場を発表し、「自分を被害者にして事件の本質をごまかしている」とし「被害者は侮辱的な発言を持続的に聞いてきた職員であり、朴代表で はない」と主張した。また「この事件の当事者でない朴市長と鄭監督を引き込んで責任を回避し、ソウル市とソウル市響の名誉を傷つけた」とし「弱者であり被 害者である職員が人権侵害について発言したのを政治的な背景を混ぜて解釈しようということ自体が問題ではないのか」と反論した。
(引用ここまで)
鄭明勲(チョン・ミョンフン)ソウル市響芸術監督をめぐる特恵疑惑がほとんど事実であることが確認された。ソウル市監査官は23日、こうした内容の特別調査結果を発表した。ソウル市が結果発表前の昨年末、鄭監督との契約を1年延長したことをめぐり性急な決定だったという批判が提起されている。

ソウル市は暴言で批判を受けて辞任した朴ヒョン貞(パク・ヒョンジョン)前市響代表理事の疑惑提起後、鄭監督に対する調査を進めた。市は鄭監督の息子のピ アノレッスンを担当したAが2005年12月から2012年12月までソウル市響に勤務したことを確認した。監査官室は「職制にない職位を作って就職させ たのが問題」と説明した。鄭監督の兄が代表の会社(CMI)で課長を務めた職員が法人発足直後の2005年に採用され、現在まで勤務中であることも追加で 確認された。

また監査官室は「マネジャーに支給されるべきチケットの一部が鄭監督の息子など家族に渡ったことが明らかになり、鄭監督に1320万ウォン(約144万 円)を返還するよう要求した」と述べた。鄭監督が率いるアジアフィルハーモニックオーケストラの活動に市響団員66人が参加したことについても、「鄭監督 の地位を考慮すれば不適当」という結論を出した。
(引用ここまで)

 去年12月にソウル市交響楽団に騒ぎがありまして。
 まず、パクという市響監督(女性)が市の職員に暴言をはいた録音テープが暴露されたのですね。
 曰く「脳がないのか、低能児なのか」というような暴言、「ミニスカートをはいてCDを売れ」みたいなセクハラ暴言もあったとのことです。
 これが最初の記事。

 で、ソウル市響の指揮者であるチョン・ミンフンが練習前に「こんなことは考えられない」と良識人めいたコメントを出したのが2番目の記事。
 「あいつ(パク代表)は暴言の言い訳に私が個人流用しているとまで言い出した」……というところで、実は楽韓さんのアンテナがピンと立っていたのです。
 ただ、なにしろ当時はナッツリターンが暴露された当時でニュースバリューとしてはソウル市響の話題は下でしたので追うことができていなかったのですが。

 で、パク代表が暴露した、指揮者の私的流用の内容が3番目の記事。
 息子のピアノ教師に特別待遇をしたり、私邸の改築費を市響の予算から出せないかと要求したりしたと。
 ……このていどの「特別待遇」は韓国では普通のことだと思うのですが。
 「特別待遇」って要するに、チョン・ミョンフンのコネで就職先を紹介してもらったってことなのですよね。
 韓国ではとてつもなくよくあるパターン。科挙に合格した人間にたかる親戚というのは伝統芸能みたいなもんですよ。
 別に不自然なことでもないと思うんだけどなぁ……。
 ちなみにこのチョン監督、幼少時にアメリカに渡って帰化しています。

 で、4番目の記事が最新のもの。
 パク代表が提起していたその特別待遇疑惑がほぼすべて事実だったという発表があったと。
 韓国の権力争いにありがちな「双方ともデタラメだった」というオチでした。
 日本だとこういうパターンでは最初に吊し上げられたほうがいいわけとして「いや、あいつが悪いんだよ」って言うけども内容はデタラメ、というようなことが多いのですが。
 韓国ではそのパターンは通用しないのです。

 要するにソウル市響という名の猿山で指揮者と代表、ふたりのボス猿争いが行われていたのが暴露されたというだけだったのですね。
 でも、パク代表は暴言で辞任。
 チョン・ミョンフンはこの事実が監査官から発表される前に契約1年延長を勝ち取って、このボス猿争いは指揮者側の勝利。ここからも、「韓国的」にはこの特別待遇が普通のことであるって感覚なんじゃないでしょうかね。

 暴言を告発されなかったら、この特別待遇はそのままスルーされていたんじゃないかって思います。
 告発のどさくさに紛れて、自爆テロに巻きこまれたみたいな感じですわ。

西遊妖猿伝 西域篇(1)
諸星大二郎
講談社
2014-07-25