返済は利息だけ、韓国で住宅担保ローン利用急増(朝鮮日報)
住宅ローン元金返済不能、韓国で推定190万世帯(朝鮮日報)

 昨年8月に住宅ローンのLTV(必要資金総額に占める借入比率)とDTI(返済負担率:年収に占めるローンの元利金返済が年収に占める割合)の規制が緩和されて以降、住宅賃貸保証金の高騰も相まって、住宅担保ローンの利用が急速に増えている。

 第1四半期の銀行の住宅担保ローン残高は10兆ウォン近く増え、過去最大の伸びを示した。ところが、新規住宅担保ローンも70−80%は利息のみを返済する形態となっており、問題は深刻化している。漠然と住宅価格が上昇するだろうという期待感から利払いだけを続ける慣行が続いている格好だ。

 A銀行の融資担当者は「今年に入り、新たに住宅担保ローンを借り入れた10人のうち7-8人は利払いのみの融資形態を選んでいる。安心転換融資を除き、元金を返済する融資はほとんど増えていない」と指摘した。ある市中銀行では、3月末現在で住宅担保ローン全体の68.4%が利息のみの返済となっている。

 新規融資を受け、利払いのみを選択した顧客の70%以上は変動金利で、金利が上昇すれば、元金はそのままで、利払い負担が増大することになる。ある市中銀行の融資担当者は「住宅担保ローンの利用者が借り入れた資金は、住宅購入費用だけでなく、子どもの教育費、生活費などさまざまな用途に使われており、高金利の無担保ローンを住宅担保ローンでカバーしたりしているため、大半は元金を20-30年後に返済することを希望している」と話した。

 利払いだけを行う元金据え置き期間が満了し、元利返済の必要が生じると、他の銀行の住宅担保ローンに乗り換え、元金返済を先延ばしするケースが大多数だという。

 世宗大経営学科のキム・デジュン教授は「元金を返済せずに利息のみを支払う人は、借り入れで必要資金をいったん賄い、住宅価格が上昇した段階で差益で借金も返すという成長時代の思考にとらわれている。住宅価格の暴落や失業などの危機が訪れた場合、対処策がまったくない状態だ」と警告した。
(引用ここまで)
 韓国で住宅担保ローンを利用している世帯のうち約190万世帯で元利返済が困難な状態にあると推定されることが分かった。

 金融委員会は12日、「安心転換融資」の実績を発表した。安心転換融資とは利払いのみで元金を返済していない住宅担保ローンを元利返済に切り替えれば、金利を1%軽減する商品だが、対象112万世帯のうち、実際に乗り換えたのは32万世帯にとどまった。残る80万世帯は2%台という低金利でもローン返済が困難で、乗り換えをあきらめたとみられる。 (中略)

 安心転換融資の実態で明らかになった家計債務と所得の構造は、これまでの住宅担保ローンの利用者とそう変わらない。銀行の住宅担保ローン残高294兆3000億ウォン(約32兆3000億円)のうち、元本と利息を同時に返済しているのは73兆8000億ウォン(約8兆1000億円)で全体の25%にすぎず、残る75%は利払いのみを続けているものだ。こうして利息のみを支払うローンは、2008年に米国で浮上したサブプライムローン問題の主犯だ。野村証券は今年3月、韓国はサブプライムローンの割合が最も高いと指摘した。

 今回安心転換融資の対象から除外されたノンバンクの住宅担保ローン利用顧客110万世帯の大半も元利返済能力はないとみられる。このため、住宅担保ローンの利用世帯のうち、安心転換融資を申請しなかった80万世帯と合わせ、約190万世帯の家計債務が危険な状態にあると推定される。住宅ローンは借入額が平均で1億〜1億2000万ウォン(約1100〜1320万円)で、危険債権は全体で200兆ウォン(約21兆9000億円)前後と推定される。
(引用ここまで)

 楽韓Webではたびたび、「韓国の不動産融資はぱんぱんに膨らんでいる。最初のドミノが倒れたら個人資産の70%が不動産である韓国経済はすべてが瓦解する」という警告をしてきました。
 最初にざっくりとこの構造を書いたのは2012年でしたかね。2年半が過ぎて、だんだんと熟成されてきました。

 で、実際の不良債権候補となる金額が1件につき1億〜1億2000万ウォン、それが190万世帯。
 総計で200兆ウォンに達するのではないかという統計が出てきました。日本円で22兆円。
 しかもこれが家計負債だけで企業による不動産投資はまた別であるということに注意が必要です。

 韓国政府はなんとかして最初のドミノを倒すことなく、少なくとも自分の政権下でそのバブルを破裂させることなくやり過ごさなければなりません。
 記事にある利息安めな転換融資もそのための施策のひとつなのですが、逆にこの施策が不良債権の額を浮かび上がらせるのに役立ってしまうという。

 しかし、「ある銀行では」という条件がついていますが、住宅担保ローンの68.4%が利息しか払っていないって……。
 変動金利ならなおのこと繰り上げ返済が有利なのですが、そんな余裕はどこにもないということなのでしょうね。

 以前もちょろっと語りましたが、韓国政府のプライマリーバランスはまだそれほど悪化していません。
 なので次の危機がくるとしたら通貨危機のようなものではなく、クレジットカード大乱と似た形になるんじゃないかなと思われます。

 「みんな(カードを作って)お金持ちになりましょう!」
 というのは、2001年当時の韓国クレジットカード会社のCMのキャッチコピーで、その年の流行語になったとの話。
 その2年後にはLGカードをはじめとしてバタバタと信販会社が倒れました。

 さて、ひるがえって現在。

 政策金利が史上最低値となっていることもあり、不動産ローンを組んで住宅購入する人数が急速に伸びているそうです。
 その大半が利息しか払わず、不動産の値上がりを待っているそうです。
 今年か来年には人口ボーナスが枯渇して、不動産の実需が薄くなるであろうと思われている状況なのですが。