【コラム】賃金も不公平で雇用も不公平だ=韓国(中央日報)
韓国も他の先進国と同じように財産所得が賃金所得よりはるかに不公平だ。しかし国税庁の個人所得総額集計で配当・利子など財産所得は8%未満で、残りの92%以上は賃金所得だ。賃金所得の割合が圧倒的に高いだけでなく賃金が極めて不公平に分配されるので不平等の主要原因は賃金不平等だ。韓国は貧富差、すなわち「持てる者」と「持たざる者」の差も問題だが、それよりもっと深刻な問題は働いただけ「得られる者」と「得られない者」の差だ。韓国は経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち4番目に賃金所得不平等が激しい国であると同時に雇用不安定も1位を占めている。賃金不平等と雇用不平等が踏んだり蹴ったりで絡み合っているため状況が深刻だ。

韓国の雇用不平等は大企業と中小企業、元請け企業と下請け企業に分けられた企業の二極化がひとつの軸で、正規職と非正規職に二分化された雇用構造がもうひとつの軸だ。まず正規職と非正規職の問題だ。金融危機以降2008年から2014年の7年間に経済は20.9%成長したが正規職の実質賃金は6.1%しか増えなかった。正規職労働者の賃金上昇も経済成長率には大きく満たなかったが、本当に深刻なのは非正規職賃金で、同じ期間にむしろ2.8%減少した。非正規職賃金は成長した分だけも得られない正規職の半分である56%にしかならず、この格差はますます大きくなっている。非正規職のまた別の問題は雇用の質の悪化だ。期間制労働者保護法が制定された2007年に期間制労働者は全労働者の15.9%だったが2014年に14.6%とようやく1.3ポイント減った。これだけでなく期間制労働者の実質賃金は実に7.8%減少し、時間制労働者の割合は7.6%から10.8%に3.2ポイント上昇した。賃金が減った契約職を賃金がさらに低く雇用期間もさらに短い時間制、すなわちアルバイト労働者に変えたのだ。

雇用不平等の2番目の境界線は大企業と中小企業間の二極化だ。製造業中小企業の2014年平均年俸は2750万ウォンだ。サムスン電子は非正規職である契約職を含んだ平均年俸が1億100万ウォンで、現代自動車は9680万ウォンだ。金融危機から6年間に経済は20.9%成長したが、サムスン電子の実質賃金は41.5%上がり、現代自動車は23.9%上がった。しかし製造業中小企業の実質賃金は7.4%の増加にとどまった。サムスン電子や現代自動車の労働者が高い賃金を得ること自体は問題でないと言える。しかし多くの中小企業が大企業の下請け企業として従属的な関係にあるという事実を考慮すると、4倍という賃金格差は経済論理で正当化し難い。結局大企業の不公正な取り引きが原因だ。 (中略)

経済成長以上の賃金上昇と雇用安定を享受する大企業の正規職労働者は全労働者の20%にもならない。労働者の80%は賃金差別を受け、雇用が不安定で、成長の恩恵から疎外されている。国民が賃金不平等と雇用不平等に二分化されているのだ。別の見方をすれば先進国のように「持っているもの」で分かれた国より韓国のように働いて「得るもの」で分かれた国が不平等を矯正する可能性が大きいかもしれない。だが、いまの不公平な構造が続くならば一等国民、二等国民に永遠に分けられる危険もある。さらに遅くなる前に賃金不平等と雇用不平等をともに解消することが韓国社会が抱えている最大の課題だ。
(引用ここまで・太字引用者)

 ……思ってたよりもひどかった。
 いわゆる上下葛藤、あるいは甲乙関係ともされている韓国の格差の話題。
 日本の非正規労働者の扱いも大概ですが、韓国ではそれ以上の……というかそれ以下の扱い。
 いわゆる10大財閥に勤めている正規労働者は日本の平均以上の賃金労働者となっているのですが、その割合は全賃金労働者の4%にすぎません。
 10大財閥以外にも「大企業」と呼べる企業はあるんでしょうが。 

 そりゃまあ、大学を卒業しても中小企業にしか就職口がなかったときには就職浪人という名のニートになることを社会的にも容認しますわ。
 公務員になるために必死になりますわな。
 物理学者がゴミ収集員募集に応募もするでしょうし、海外特派員が子供に帰国子女の資格を与えるためだけに離職したりもするわ……。
 せざるを得ない。

 書籍としては『オーディション社会 韓国』や『知韓論』で上下葛藤の存在を知っていたつもりですが、こうして数字が冷徹に出てくると凄みがあるというか。
 物価が日本と同じかそれ以上のあの国で、この賃金じゃやってられないよなぁ……っていうのがよく理解できます。