【記者手帳】危機感が足りない韓国政府の輸出対策(朝鮮日報)
 「2カ月以上も引っ張った揚げ句に出した政府の輸出対策にしては中身がない。『大山鳴動して鼠一匹』(事前の騒ぎばかりが大きくて実際の結果は小さいこと)という言葉がピッタリだ」

 韓国産業通商資源部(省に相当、以下同じ)が9日に発表した「輸出競争力強化策」に対し、ある経済団体の幹部はこう寸評した。

 今年に入り、輸出は6カ月続けて前年同月比で減少した。輸入はこれを上回る減少を見せ「不況型黒字」が定着しつつある。上半期の貿易額は4913億ドル(約59兆8000億円)にとどまり、このままでは2011年以来4年連続で達成した「年間貿易額1兆ドル(約121兆7000億円)」も危うい。輸出で発展した韓国の公務員なら危機感を感じておかしくない状況だ。

 産業通商資源部は5月11日「総合的な輸出対策を6月中に発表する」と明言したが、6月25日に企画財政部が下半期の経済政策方向を発表したことで輸出対策は7月に先送りされた。

 こうした先延ばしの末に出した対策だが、肝心の輸出に関する部分はほとんどなかった。(中略)

 政府は、こうした対策が差し当たり下半期の輸出増大にどれだけ役立つかさえも言及しなかった。逆に報道資料の冒頭で「上半期の輸出は減少したが、主要国に比べ減少幅が小さく善戦した面もある」などと自画自賛し「中長期的な輸出競争力の強化を目指す」とうそぶいた。厳しい経済状況の中、政府当局者には熟考の末の実効性ある対策を出してほしい。
(引用ここまで)

 そりゃまあ、そうでしょうね。
 MERSの影響が出たのは自粛ムードや外出を控えるといったもので、あくまでも内需。その振興は韓国政府の補正予算でなんとかできるのでしょう。
 でも、韓国の経済エンジンは原則として外需のみ。

 で、韓国の外需は構造的に延びていないので対策のしようがないのですよ。
 世界経済の停滞。
 中国からの追撃。
 ウォン高円安にともなう韓国製品の価格競争力低下。
 アメリカ・IMFがタッグを組んで韓国の為替介入監視。

 これらが同時多発的に起きているからこその輸出停滞であって、政府による輸出振興策でなにかができるようなものでもないのです。

 韓国政府の立場にしてみれば「いや、輸出どうにかしろって言われても……」ってとこでしょうか。
 具体的に政府単位で執るべき手だてがない。
 「高付加価値にシフトしろ」とかは延々と言われていることなのですが、そんなことできるようなら10年前からやってますよね。そもそも政府のやるようなことじゃない。

 価格競争力を持たせるような振興策……ねぇ?
 そういう意味だと最低賃金上昇とか、60歳定年制とかは「韓国企業の競争力を持たせる」という面からは逆走している政策ともいえますかね。
 徹底した上下葛藤を是認しないと価格競争力を持ち得ない国だった、というのが韓国のポートフォリオでもあったということです。