【中央時評】米国の利上げに先制的な対応を=韓国(中央日報)
韓国のような新興国経済の立場では米国の利上げはすでに予想されたものであり、どう対応するかが重要だ。今年と来年、FRBは利上げの幅と速度に慎重な姿勢を見せるだろうが、世界金融市場は大きく揺れる可能性がある。(中略)

韓国経済は家計の負債と企業の外貨負債が多いという点で脆弱であり、もう一つの危険の根源地である中国経済から波及効果を大きく受けるため二重苦となる可能性が高い。米国と中国の通貨政策が反対方向に動き始めれば対応は容易でない。通貨・為替・財政政策が調和するよう運用し、政策対応力を高める必要がある。家計の負債管理、不振企業の構造改革、金融システムの安定を図り、これから金利が上昇する時に発生する衝撃を最小化しなければいけない。 (中略)

中央銀行が約定した為替レートで該当通貨を一定時点に相互交換する通貨スワップは危機の時に大きく役立つ。韓国は中国をはじめとする多くの国と通貨スワップをしているが、2008年危機当時に重要な役割をした米FRB、日銀との通貨スワップはもうしていない。外貨準備高が多く短期外債が少ないためリスクは少ないというが、もし必要になった場合に国際決済通貨を持つ米国・日本・欧州の中央銀行と通貨スワップができるようあらかじめ準備しなければならないだろう。
(引用ここまで)

 まあ、この人は分かっているのですね。米韓、日米の通貨スワップ協定がないと危機の時に本当に厳しいということが。
 2008〜09年の通貨危機の時には使われた形跡がありました。
 実際に行使したかどうかはIMFが関与していない二国間協定では表明されるわけではないので、確実なことは言えないのですけどもね。

 とにかく危機の時に必要になるのはドルなのですよ。
 米韓通貨スワップ協定も、日韓のそれもどちらもドルを供給してくれるものだったのですね。
 現在、韓国はさまざまな国と通貨スワップ協定を結んでいますが、どれも現地通貨とウォンとのもの。
 もちろん、これも役に立たないわけではありません。
 貿易に必要となるドルをすっ飛ばして現地通貨払いができれば、結果としてドルの節約になりますので。
 でも、現在韓国が通貨危機の際にドルを手当できるのは多国間協定であるチェンマイイニシアチブの384億ドルだけ。そのうち、IMFの管理下に置かれずに使えるのは最大4割の150億ドルちょい
 アメリカの出口戦略にともなう利上げでキャピタルフライトが起きたとしたら、とてもじゃないですが手当不可能ですね。

 なもんで、この記事を書いている高麗大学(日本でいえば早稲田・慶応あたりに相当)の教授は元ADB主席エコノミストだったというだけあって、冷徹に物事を見据えているように思えます。
 つまり、アメリカの出口戦略に先んじて対応しておき、米韓・日韓との通貨スワップ協定を復活させろと。

 ただ、こういった経済関係にも外交関係があるということを知っておくべきですよね。
 もう日本は韓国に対して手当をするつもりはありませんし、アメリカも習近平の靴を心行くまで味わっている韓国からは距離を置くでしょう。
 そもそも「日本から求められたからやってるだけで日韓通貨スワップ協定なんていらね!」って言い出したのは韓国側ですしね。麻生財相も「土下座して頼むならやってやらんこともない(意訳)」ってコメントしてましたし。
 まあ、韓国政府がいらないっていっているものを、わざわざ持たせる必要もないですしね。
 日本は日本でがんばるので、韓国は韓国でがんばってくださいな。