最後のMERS患者に再び陽性反応…終息宣言見送り(ハンギョレ)
 免疫系のがんであるリンパ腫を患っていた80番目の患者は、今月11日未明、発熱や嘔吐の症状でサムスンソウル病院を訪れた後、ソウル大学病院に移送された。MERS検査の結果、陽性判定が出たが、MERS感染拡大の原因となる主な症状である咳や痰などの呼吸器の症状はなかった。ソウル大学病院のキム・ナムジュン感染内科教授は12日夜の記者会見で、「この患者を診察した結果、咳や痰などはなく、肺炎も新たに発症していない。検査所見では、患っていたリンパ腫が悪化し、発熱したものと見ている」と述べた。キム教授はまた、「これまでの常識では、この患者が周囲にいる人にMERSを感染させた可能性は0%に近い」と付け加えた。MERS管理対策本部は、万が一の場合に備えて、患者の家族や医療スタッフ、病院スタッフなど61人を自宅分離、68人をアクティブモニターとして指定した。

 患者は、最終的に陰性が確定するまで、MERSウイルス検査で何回も陽性と陰性を繰り返した。対策本部とこの患者を診療したソウル大学病院の医療スタッフは「この患者の体内にあるMERSウイルスが増殖を続けたのなら、陽性が出ていたはずだが、この患者は陽性と陰性の判定を繰り返したため、ウイルス増殖の可能性はない」と判断した。ソウル大学病院のオ・ミョンドン感染内科教授は「この患者の事例について、世界保健機関(WHO)の専門家会議の専門家たちと議論した結果、ウイルスのいくつかの単片が体内に残っており、それが呼吸器官に排出され、遺伝子検査で発見されたという解釈が提示されて、ソウル大学病院の医療スタッフもこれに同意した」と説明した。 80番目の患者は、入院の際MERSウイルスの遺伝子検査で陽性反応と陰性反応の両方とも、その数値が基準点に近かった。

 であれば対策本部などが今月初めにMERS陰性判定を急いだ可能性もある。対策本部とソウル大病院の医療スタッフは、この指摘に対し「国際基準に基づいて一定の間隔を置いた遺伝子検査で2回連続陰性判定が出たため、最終的に陰性判定を下し、退院後も患者に対して継続的に追跡管理を行ってきた」と答えた。
(引用ここまで)

 このハンギョレの記事が日本語記事の中では分かりやすくて、かつ一番詳細ですかね。
 ざっくりとですが一昨日に書いた楽韓さんの考証とも一致しています。
 感染者がリンパ腫で免疫力が落ちていたっていうことも一因でしょう。
 遺伝子検査は「死んだウイルス」でも「生きているウイルス」でも同じように検出されてしまうのです。
 遺体のDNAから本人確認ができるのと同じですね。

 どうしても韓国でMERSが再発したとか、土着したとかいう結果になって欲しくてしかたがない人もいるようですが、そうした人々にとっては残念なことにそうはなりそうにもありません。
 あるとしたら韓国とのつきあいが濃厚な中東から、再度持ちこまれることでしょうけども。
 それは日本にデング熱が入ったのと構造的には同じことですね。今年になってからも日本人の感染者はいますし。
 この時代、伝染病自体が国外から持ちこまれるのはしかたないことなのですよ。
 その後の対応が問題になるだけで。

 この記事にもある「0%に近い」、もしくは前出の記事での「非常に低い」も同じことなのですが、「事象としてはほぼありえないけど科学的な見地からはゼロとは言い切れない」という意味。
 科学的な素養がない人間は「低いっていうことはゼロじゃないんでしょ」ってなるんですけどね。
 ま、それはしょうがないことかな。
 こういう勘違いというか思い違いをしないためだけにも、学生時代に勉強をしておいたほうがいいんじゃないなって思いますわ。

ドンネルの男・北里柴三郎 上
山崎 光夫
東洋経済新報社
2014-12-12