ルビコン川で溺れ、中国側に流れ着いた韓国(上) - (日経ビジネスオンライン)
木村:9月3日の“天安門事件”――。この影響は予想外に大きかったと思います。軍事パレードを参観した朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は、習近平主席、プーチン大統領と北京・天安門の楼上に並びました。

 楼に上がったのはほとんどが、米欧や日本の目から見れば、民主主義的とは言い難い国のトップ。いわゆる旧西側の首脳は一切、参加しない中で、韓国だけが大統領を送った形になりました。

 中ロ韓首脳のスリーショット映像は米国の専門家にも大きなショックを与えました。彼らの意識に「韓国の中国傾斜」という印象を焼き付ける結果になりました。

 米韓首脳会談(10月16日)の直前、私はカーネギー平和財団(Carnegie Endowment for International Peace)のシンポジウムに参加するためワシントンを訪れました。

 討論の場で、あるいはその前後の非公式な場で、米国の外交専門家が韓国の専門家に対し「いったい、朴槿恵政権は中国をどう考えているのか」と問い詰めるのを何度も目撃しました。 (中略)

鈴置:米国にとって問題の本質は韓国の不実――「離米従中」です。その象徴が終末高高度防衛ミサイル(THAAD)でした。米国が在韓米軍に配備しようとしたら、韓国が中国の顔色を見て事実上、拒否している。

木村:ワシントンの集まりでは、不思議なほどTHAADが話題になりませんでした。それ以上に“天安門事件”が衝撃だったからと思います。国際政治の場で、一つのイベントのイメージがこれほど大きな意味を持つとは――正直、少し驚きました。
(引用ここまで)

 いつもの鈴置氏のコラム。木村幹教授との対談になるとうまいことケミストリーが生まれてより面白い記事になっている気がします。
 ま、いつものようにそれほど新鮮味はないのですが。より深く掘り下げているって感じです。

 習近平、プーチン、そしてパク・クネ。
 天安門でのスリーショットは本当に威力があったのですよ。
 写真というのは時として決定的な威力を持つものなのですね。
 100の言葉を重ねるよりも、こうして1枚の写真を見せたほうがはるかに説得力を持つことがある。

 LIFE誌に掲載された「上海南駅の赤ん坊」や、湾岸戦争での「原油まみれの海鵜」なんかがその典型ですが。
 これらがプロパガンダの恐れがあったことのに比べ、パク・クネのスリーショットはまぎれもない事実。そして、圧倒的な分かりやすさがあった。
 「この3人は同じ側(レッドチーム)にいるのだな」ということが一目でわかる、とてもいい写真なのです。

 事前から「習近平と一緒の写真がアメリカの対韓感情を一気に変える可能性がある」というようなことはさんざん言われていたのです。
 その危険性を承知した上で、「抗日戦勝パレード」なるものに参加したのですから、むしろ本望というべきでしょう。
 日本の集団的自衛権に反対し、AIIBに合流し、抗日戦勝パレードでも中国側についた。

 この記事でいうところの「ルビコン川に自ら飛び込んで、外交の場という急流で揉みくちゃにされて中国側に漂着」したわけですよ。
 中国に抗しようとする力もなければ意志もない。
 で、あればブルーチーム側からはレッドチーム(中国)側であると認識されてもなんの問題もないはずなのですけどね。
 なぜか「日本はアメリカ側についた!」と文句を言ってくる不思議。
 隣国とはいえ、チームが分かれたのですから行動に文句を言われる謂われはないのだけどもなぁ……というのが現状ですかね。