FIFA 腐敗の全内幕(文春e-books)

 この本の中に、韓国代表に関する記述がありました。というわけでちょっと引用してみましょう。
・韓国を勝たせなければならない
 ゼップ・ブラッターは二〇〇二年のワールドカップについて、頭を抱えていた。彼が世界のテレビ局に巨額の放映権料をこれまで通り請求し続けるには、スタジアムを満杯にする必要がある。問題は韓国だった。韓国の人々は韓国代表が出場する試合はすべて見たがった。だが、自国代表が敗退した後の試合のチケットを、買おうとするだろうか。野球とバスケットボールもサッカーと同じほど人気が高い。ブラッターは現場担当役員に、スタジアムを満杯にするよう指示を出した。
(引用ここまで)

 このあと、韓国の「不可解な勝利」「驚異的な運の良さ」が語られていて、それは全世界が知っている事実ですね。
 あと、90年のワールドカップで主審を務めた審判であるエドガルド・コデサルが、韓国の勝利に対して嫌悪感を示して審判委員会を辞任したことと。
 コデサルが韓国−スペイン戦ではスペインのセンタリングをゴールキックに判定した線審にするよう、圧力を受けたことを明らかにしていた、ということがはじめて知った事実でしたね。

 なるほど、示唆するところが色々とありそうです。
 ただ、ボリューム的にはほんの少し。 約400ページというボリュームの中の数ページ。

 今回の本では追及されたのはアヴェランジェ、ブラッター、ティシェイラ、ブレイザーを中心としたストーリーなのです。
 その他の理事も出てきますが、チョン・モンジュンはほぼ出番ゼロ。脇役なので。アリ王子に追い出された厄介者といった位置です。ブラッターの視点から見て厄介者で、なぜ厄介者なのかは語られていないのですけども。
 会長の椅子を狙っているっていう意味でかな?

 ただ、FIFA本体の腐敗具合はよく分かります。
 かなり骨太なノンフィクションです。面白いですよ。

FIFA 腐敗の全内幕 (文春e-book)
アンドリュー・ジェニングス
文藝春秋
2015-10-30