「北朝鮮並み」の日本、「ロシア並み」の韓国(日経ビジネスオンライン)
木村:「日韓関係はべったりとした昔には戻らない」。こう言い続けてきましたが、ようやく政治家や官僚の方々――日本の政策を決める人々に理解してもらえるようになりました。

 日韓は米国を媒介とした準・同盟国でなければ友好国でもない――。この現実を前提に新たな関係を考える必要があるのです。

鈴置:そう言えば、ジョン・ホプキンス大学のケント・カルダー(Kent Calder)教授が最近、木村先生と似た議論をしています。

 日韓関係をロシアと隣国との関係に見立てる意見です。朝鮮日報がインタビューし「韓日が不信を克服したいのなら、首脳の政治的な勇気が要る」(10月31日、韓国語版)という記事で紹介していました。

木村:ケント・カルダー教授は日韓関係の1つの落とし所を「Cold Peace」と表現しています。「信頼関係は存在しないものの、紛争にも至らない平和的な状態」という意味だと思います。

 「信頼関係の構築」などという高いハードルは諦めて、とりあえずは「紛争のない状態」を目指し努力すべきだ――とのアドバイスです。

 逆に言えば、米国のアジア専門家からそんな忠告をされるほどに、日韓は微妙な関係になったのです。

鈴置:上手に管理すれば軍事的な衝突は避けられる――つまり、下手したら戦争になるぞ、ということですからね。ついに第3者から見ても、日本にとって韓国は「ロシア並み」の国になったわけです。
(引用ここまで)

 ちと独り語りを。
 Web版時代からの読者のかたはご存じかもしれませんが、うちは軍事ネタをかなり苦手としていまして。
 基本的な知識に欠けていたのです。ファランクスと聞いたらマケドニアを思い浮かべるほうでした。大戦略をやっててF-15よりもF-16のほうが数字が大きいのに弱いのはなぜだろうと思っていたくらいですね。

 でも、「これからの韓国関連はどうしても軍事ものを扱うことになる」と思って勉強したのです。まあ、Googleに頼り切りでしたが、図書館通いなどもしたものでした。 
 いまでも得意分野ではありませんが、それなりに語れるくらいにはなったとは思います。

 その危惧を抱いたのがノ・ムヒョン政権後期。特別談話を出したときに「日韓関係は戦争まで行く可能性があるのだな」と感じたのですよ。
 実際に本来の特別談話は日本への宣戦布告に近いものが出される予定で、測量船を撃沈するつもりだったとされています。 Wikileaksでは駐韓アメリカ大使が「ノ・ムヒョンが狂った行動に出るかもしれない」と危惧していたことが暴露されていましたね。

 それを考えるとまあ、イ・ミョンバク政権の間はそれなりに静かでした。 最後の半年でえらいことになりましたけども。

 で、現在はCold Peaceを考慮すべき時代になったわけです。
 安易に「日韓断交」なんて叫ばないのは、こういう部分があるからなのですよね。
 いまでいうところの南シナ海事態が「管理された対立」であるように、対立部分があるにしても対話は必要。
 不測の事態を引き起こしたくはないし、万が一引き起こしたとしても対話のチャンネルがあればなんとかなる。

 そこまで日韓関係はきているということを常に考慮に入れたほうがいい時代になったのですよ。
 パク・クネがこれまでやってきた対日外交というのは、そういうことなのですよね。

 今週分で木村幹教授との対談が終わるかと思って先週分はスルーしたのだけども、まだ続くそうです。この感じだと来週完結かな。

日韓 悲劇の深層 (祥伝社新書)
西尾 幹二・呉善花
祥伝社
2015-10-02