可処分所得の24%で借金返済、韓国の家計債務が過去最大に(朝鮮日報)
【時視各角】危機でないようで危機の韓国(中央日報)
【時視各角】応答せよ1998=韓国(中央日報)
 韓国統計庁、金融監督院、韓国銀行が21日、共同で発表した「2015年家計金融・福祉調査」によると、家計の可処分所得に占める債務の元利償還額の割合は24.2%で、調査を開始した2010年以降で最も高かった。初回調査時の16.1%に比べ、8.1ポイントも上昇したことになる。(中略)

 家計の債務負担が増え続け、可処分所得に占める元利償還額の割合が最高を更新したのは、所得と資産が増えない状況で、伝貰による借家住まいにつかれた人が生活費やマイホーム費用を工面するために借金をしたことを示す現象だ。金利が上昇すれば、1200兆ウォン(約124兆円)に達する家計債務が韓国経済の時限爆弾になるとの警告が現実として忍び寄っている。

 1997年の通貨危機前は、韓国経済の問題は企業の放漫経営にあり、家計は健全だった。96年の個人の純貯蓄率は16.3%に達し、1世帯当たりの負債は1100万ウォン(約113万円)程度だった。これに対し、企業は国内外で高金利で資金を借り入れ、事業拡張に走っていた。96年の製造業の平均負債比率は317%、非金融企業の貯蓄率は11%で個人を下回っていた。

 ところが、家計と企業の財務状況は通貨危機を経て一変した。企業は厳しい構造調整とコスト削減で負債比率を抑制し、現金を積み上げた。14年時点で製造業の負債比率は89%、非金融企業の貯蓄率は19%に達する。対照的に、家計は2002年のクレジットカード債務問題、06年の住宅価格高騰を経て、借金が雪だるま式に膨らみ、家計債務問題は限界に達した。

 1世帯当たりの負債は2012年の5291万ウォン(約546万円)から15年には6181万ウォン(約638万円)へと16.8%増加し、同じ期間の資産の増加率(8.7%)の約2倍に達した。金融負債は3599万ウォン(約371万円)から4321万ウォン(約446万円)へと20%増えた。統計は借金がない世帯も含めて平均した数値で、借金がある世帯だけで集計すれば、さらに状況は深刻だ。

 全世帯のうち借金がある世帯の割合は、12年の65.2%から15年の64.3%へとやや減少したが、平均債務は同じ期間に8365万ウォン(約863万円)から9614万ウォン(約992万円)へと1300万ウォン増加した。

 借金の理由も変化している。以前は投資目的で不動産を購入するためにローンを組んだが、最近はマイホームを購入する目的での借り入れが目立つようになった。11年当時の借り入れ理由は、「自己居住以外の不動産を購入」が18.0%、「事業資金」が29.0%で、「マイホーム購入」は30.3%だった。それが15年にはマイホーム購入」が36.3%でトップとなり、「自己居住以外の不動産を購入」「事業資金」はそれぞれ15.7%、24.1%に減少した。「生活費確保」のための借り入れも同じ期間に5.3%から6.5%に増えた。

 家計の台所は黒字だが、消費が減る現象も目立つ。統計庁が先月発表した家計動向によれば、全国の2人以上の世帯の家計収支は102万ウォンの黒字で、黒字幅は過去最高だった。所得が前年に比べ0.7%増加する一方、支出が0.5%減少したためだ。今回の家計金融・福祉調査でも、負債がある10世帯のうち7世帯が「元利返済が生活の負担になっている」と答え、うち78%が「返済負担のために貯蓄や消費が減少した」と答えた。

 しかし、企画財政部は「今回の調査には(政府が推進する)『安心転換融資』など家計債務の構造改善実績が反映されていない。返済能力を考えると、家計債務が不良債権化する可能性はまだ限定的だ」との認識を示した。
(引用ここまで)

 ここのところ、唐突にニュースが入ってきたりしてうまいこと出せなかった経済関連のニュース3本。
 年末なのに暗い雰囲気はまるで1997年の年末を思い起こさせるという話もあるそうです。
 ま、大丈夫。
 1997年と違っていて、今回なんかあるとしたらあの時みたいな外貨切れではなくて、家計負債か企業負債に端を発する「経済構造の再調整」(オブラートに包んだものの言いかた)ですから。

 それにしても、この2週間くらいでいきなり韓国メディアから「やばい、韓国経済が本当にやばい。どうすればいいんだ!」みたいな記事がだだ漏れになってきていまして。
 なんか指標の発表でもあったのかなと思って検索してみたのですが、別にそういうわけでもなく。
 あえていうのであれば、先日の「韓国に不況が来たら失われた10年にはならない(それ以前に破綻するので)」っていう報告書や、IMFからの「韓国企業の状況は相当にまずい」という警告があったくらいですかね。
 「くらい」、で流すにはだいぶキツい話か。
 でも、本当に一斉に不況がやってきて身動きがとれないという記事が増えているのですよね。

 さて、朝鮮日報の借金の話がちょっと面白かったので、メインとしてピックアップしてみましょう。
 2015年の傾向としては「マイホーム購入のための借り入れ金」というのが多くなっているそうです。
 かつては不動産投資が多かったものですが、もはや韓国独特のチョンセがあまりにも高騰してしまっていて、借家のためのお金を借りるくらいだったら小さめのマイホームを買ったほうがいいという判断の下、ちょっとしたマイホームブームになっているそうです。
 去年から今年にかけての不動産ローン規制緩和で、大きく建設と不動産が伸びたのは何度か紹介していますが。

 まあ、返せる借金であれば経済成長にも寄与しますし、それほど悪い話ではないのです。
 ですが、朝鮮日報の記事タイトルにあるように「可処分所得の24.2%で借金を返済」しているということは、それだけ消費が萎縮するということでもあるのですね。
 デフレの第一歩でもあるわけです。
 ちなみにこの24.2%という数字、今年の日本の国家予算で国債費に充てられている割合とほぼ同じ(24.4%)です。
 そして、今年の韓国が「史上最低の金利水準」であったことにもチェックが必要です。
 アメリカの利上げにともなってキャピタルフライトを防ぐためにも、これから韓国は利上げ基調になるでしょう。まだアメリカが0.25%で韓国は1.5%。それなりにバッファがあるので、連動して利上げするわけでもないでしょうが、それなりのペースでは利上げされるでしょう。
 マイホームを購入するとか投資目的で不動産を購入していた層が、固定金利で借りていればともかく、変動金利であれば……。
 まあ、きっと多くの人が固定金利で借りているんで安心なんじゃないですかねー(棒読み)。