【萬物相】韓国社会に深まる「世代間の絶壁」(朝鮮日報)
最近韓国のジェネレーションギャップは常識的水準を超えてしまっているようだ。「基礎年金VS青年手当て」「定年延長VS青年の働き口」。世代間の対立構図が激化したことで、「ゼロサムゲーム」をするような格好になってしまった。そして今では、ジェネレーションギャップを超えて「世代絶壁」という言葉までが登場した。朝鮮日報の新年号世論調査を見ると、その言葉が実感できる。20−30代は「共に民主党」、40代は「安哲秀(アン・チョルス)新党」、50代以上は「セヌリ党」をそれぞれ最も多く支持した。

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の国政運営をめぐっては「うまくやっている」が20−30代では20%前後にとどまった。この割合が50代では64%、60歳以上では実に83%にも上る。また、20代は所得分配を、50代以上は経済成長をより重視した。あるテレビ局の慰安婦交渉世論調査でも、ジェネレーションギャップが明確に現れた。40代以下は「満足しない」が、50代以上では「よくやった」がそれぞれ最も多かった。こうした中でも幸いだったのは、安保については異見がほぼなかったという点だ。世論調査では「北朝鮮がわれわれの警戒対象、または敵対的対象」という20−30代の認識が50−60代を上回った。

 親と子、中年以降の世代と若い世代が経験する現実は、まるでコインの両面のようだ。詩人の具常(ク・サン)はずいぶん前から「中年以降の世代や新世代は同じ状況を生きているパートナーであり、毎日毎日バトンを渡しては受け取らなければならない同一線上の走者」と説明する。さらに「これら世代の協力なしには人生の共同基盤であるこの国、この社会を前進させることはできない」と言う。より良い未来を望んでいるのは同じだが、各世代同士が戦争でもするかのように見えるのは、現実がそれほど厳しいということを物語っているのだろう。
(引用ここまで)

 別にいまになって世代間の乖離、対立構図が強くなったわけでもないですしね。
 そもそもがパク・クネ対ムン・ジェインだった大統領選挙の対決の構図は、そのまま韓国人の高齢層対青年層の戦いだったのですよ。
 ムン・ジェインを支持する20代、30代がインターネットで投票を同世代に促していて、逆転されるのではないかという恐れからパク・クネ陣営の投票率が上がったという状況だったのです。
 要するに50代以上の数の力に押し切られたのです。人口動態にやられたとでもいうべきでしょうかね。

 そこからずーっとその対立構造は続いているのですよ。
 パク・クネによる年金増額や、定年延長なんかがある度に青年層からはブーイングが上がっていまして。
 まあ、そりゃあ自分の票田に水と栄養をやらないとっていうのはあるのでしょうが、それ以前にその両方とも現状の韓国に必要な措置ではあるのですがね。

 でも、そのふたつの措置を根本的な構造改革を伴わずにやっているので不公平感はなおのことひどくなるのですよ。
 こうしている状況の中、就職率は50%ちょぼちょぼだし、正規職に就けるのは全体の30%だけ。
 20代にまでリストラの対象は広がりつつある
 この記事も革新系であるハンギョレが書くのであればなんの不思議もないのですが、保守系本丸である朝鮮日報が書いているところにこの世代間対決の構図が本格的な行き詰まりを見せていることがわかりますね。

 お、なんだかちゃんとした韓国ウォッチャー的なエントリ。 

 で、さらに次の総選挙、その次の大統領選でも革新側、すなわち青年層の勝利が危うい理由もありまして。
 記事中にあるように20-30代は「共に民主党」を支持、40代はアン・チョルスの「国民の党」、50代以降はセヌリ党。
 ま、こうして分裂した以上はそんな構図は織りこみ済みなのでしょうが。4月の総選挙はともかく次の大統領選挙までの2年間でなんとかできる目算とかあるんでしょうかね。
 なさそうだけどなぁ……。