格安コーヒー専門店も乱立で共食い 不況の韓国で気軽な開業が裏目に(ハンギョレ)
 事の発端は“白茶房(ペクタバン)”だった。 昨年、韓国コーヒー市場の地殻変動は「1000ウォン台コーヒー」(1円は約10ウォン)から始まった。 それまで“星茶房”、“豆茶房”の愛称で呼ばれた4〜5千ウォン台コーヒー専門店は「食事代並みのコーヒー代」という厳しい視線を受けながら韓国コーヒー市場の急成長を牽引した。 低価格型ブランドといっても「EDIYA」のように2千ウォン台が一般的だった。 しかし、今や1000ウォン台のコーヒー専門店が雨後の筍のように増えている。 雇用寒波と不況の中で「安い」 「大きい」を叫ぶ低価格型コーヒーフランチャイズが予備創業者に「カフェの社長さん」の夢を吹き込んでいるわけだ。

 白茶房は最近放送活動で有名になった白種元(ペクジョンウォン)氏(50)の率いる飲食企業ザ・ボーンコリア系列だ。 この企業は“ハンシンポチャ(幌車)”、“セマウル食堂”等のフランチャイズ本部として良く知られている。 事実、白茶房の出発点ははるか昔に遡る。 2006年、盛況だったスターバックスをパロディにしてロゴまで真似た「元祖バックス」というブランドを作った。 フランチャイズ事業を目的に作ったわけではなかったという。 ザ・ボーン・コリアのソ・ジョンウク管理支援本部長は「会社の母胎になったソウル、ノンヒョン洞の“元祖サムパプ(野菜包みご飯)”売場の一画を活用してコーヒー売場を開いたのが始まりだった。 肉を食べたお客さんにサービスを目的にコーヒーを安く販売した」と説明した。 だが、スターバックス側の抗議で2007年に元祖バックスは「元祖コーヒー」と名前を変える。 (中略)

 K氏は京畿道城南市盆唐区で2013年から2年以上低価格型コーヒー加盟店を営んでいる。 職場が別にあるK氏は妻が店をするつもりでこの店を開いた。 66平方メートルの店舗を開くために店舗の賃貸保証金を別にしてフランチャイズ加入費、インテリア費用、什器購買費など1億3千万ウォン(約1300万円)を投資した。K氏は「コーヒー関係の装備やインテリアに欲を出せば費用がさらに上がるので、抑えた結果」と説明した。

 この店舗の1カ月の経費は1800〜1900万ウォンだ。賃貸料が200万ウォン、電気料金などの管理費が100万ウォン、アルバイト2人の人件費が300〜400万ウォン、コーヒー豆など材料費が1200万ウォンかかる。1億ウォン台の投資額を考慮すれば、売場管理者である妻の人件費には目を瞑っても月間売上が2000万ウォンでかろうじて損益分岐点を越える。 この店のアメリカーノの価格は1000ウォンであり、計算上は月2万杯、一日に666杯を売ってようやくトントンになるわけだ。 (中略)

 このような困難にもかかわらずフランチャイズ コーヒー専門店の増加傾向は爆発的だ。 先月統計庁が発表した「2014年サービス業部門調査」によれば、2014年のコーヒー専門店加盟店数は1万2022店で、2013年(8456店)より3500店余り、率にして42.2%増えた。 総売上額も1兆3300余億ウォンから2兆200余億ウォンで52%増えた。 最近の低価格型コーヒー専門店加盟事業の躍進傾向を見る時、2015年にも店舗数は大幅に増えたと予想される。 これはトレンドの変化にともなうコーヒー市場の成長と見ることもできるが、“雇用不安”という社会的負担がこの頃の創業トレンドの中心にある低価格型コーヒー専門店分野に過度に押し寄せていると見ることもできる。
(引用ここまで)

 韓国の特徴なのですが、とにかく流されやすい。
 驚くくらいに多様性がないのですよね。
 ノレ房(カラオケボックス)、PC房、チキン売り、そして低価格カフェ。
 「○○は儲かるぞ!」ってマスコミがやったら、そこに大挙して押し掛ける。
 そして、どれも手間のかからない労働強度の低いものばかり。

 それもそのはず。
 韓国の人たちはやりたくてこういった自営業をやっているわけではなく、40代後半から肩を叩かれて「名誉退職」に追い込まれるので、なけなしの蓄えと退職金をはたいて「年金までのつなぎ」のために自営業をやっているのです。

 もちろん、こういったカフェ経営なりなんなりをやりたくてやっている人もいるでしょうけども。
 大学を主席で卒業した人が、その大学の前で「主席の店」というラップトーストの店をはじめたところ、「大学の恥だ」なんていわれる国ですからね。

 やりたくてやっているわけでもないからには、「楽に儲けられる」というのが絶対的な条件なのです。
 ま、そんな根性でやっているカフェやらチキン屋が長生きできるわけもなく。
 なけなしの退職金を失った上に、借金まみれになって店をたたむのが大半というわけです。
 で、残された道はひとつ……ということですかね。

 今朝のエントリで「パク・クネの定年延長や年金増額は韓国政府のやるべきことをやっているだけ」と書きましたが、こういうパターンがあまりにも多いので執るべき政策ではあったのです。
 まあ、元から歪んでいるものの歪みをさらに大きくしただけって気もしますけどね。