韓国サムスンに市場ガッカリ、ささやかれる「スマホ撤退」…イノベーションのジレンマにはまった!?(産経WEST)
 サムスンが1月8日に発表した2015年10〜12月決算(暫定値)は、営業利益が前年同期比15%増の6兆1000億ウォンの増益だった。

 しかし、その結果は市場を満足させる内容ではなかった。

 ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均に比べ、5400億ウォン低く、トムソン・ロイター・エスティメーツのアナリスト予想でも5千億ウォン少なかった。四半期ベースでみれば、15年7〜9月期比17%減で、5四半期ぶりの営業減益だった。

 ロイター通信は、業績を支えてきたメモリーチップやディスプレーの販売が減少、利益全体を押し下げている可能性を指摘。半導体などの部品関連も低迷していることから、「スマホ業界は低成長局面に入った」(アナリスト)との意見を伝えた。

 ブルームバーグは、韓国在住のアナリストの厳しい見方を報じた。業績をカバーしてきた電子製品の需要の回復の兆候がみられないことから、「状況は悪化の一途をたどっており、16年1〜3月(第1四半期)の利益は一段と落ち込む可能性が高いとみられる」と分析した。

 さらに米ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、サムスン製スマホが「欧州やアフリカ、中東市場で事業拡大を目指す中国ブランドの攻勢にあうだろう」(アナリスト)とし、戦線の広がりを予想した。(中略)

 米ネットメディアでは昨年秋ごろ「5年以内に携帯電話ビジネスから撤退する可能性がある」(クリエーティブ戦略アナリストのベン・バーリン氏)との見方も出るようになった。それほど、スマホ技術は汎用化が進み、利益が出にくい構造になっているのだ。同氏は、巨大企業が自社製品の「いいとこ取り」を後進メーカーにされて、不振に陥る「イノベーションのジレンマ」にサムスンがはまっていると分析する。苦境を脱する術はそう簡単にみつかりそうにない。
(引用ここまで)

 「サムスン電子がスマートフォン製造から撤退するのではないか」といわれている理由を軽く書いてみましょうか。

 現状、チップメーカーが制御用のソフトウェア込みでいわば「スマホ製造セット」みたいなものを販売しているのですよ。
 その他の周辺チップやらディスプレイやらを持ってくれば「靴屋でも明日からスマホメーカーになれる」と言われている状況なのです。
 もちろん、そういうチップメーカーによるセットは半導体製造におけるスケールメリットを最大限に活かして安くなっているわけです。

 いくらサムスン電子がスマートフォンのトッププレイヤーで垂直統合ができているとはいえ、その安さに対抗することは難しいというのが現状。
 格安スマホメーカーはDRAMにしろディスプレイにしろ一番安いところから購入すればいいわけです。
 そういった状況の中、かつては山寨(ニセモノ)タブレットやら山寨スマフォと言われていた中国製Android機は地味にノウハウを積み上げています。
 まともに動くようになっているのは見ての通り。
 そこそこのお値段で、そこそこのスペックのスマートフォンが市場にあふれるようになった。であればなにもサムスン電子のものでなくてもいいというのは当然の流れです。

 この構造が2年ほどで一気に進行しました。
 サムスン電子は現状はまだ戦えていますが、これまで強みだった垂直統合が逆に足を引っぱっている状況。
 サムスン電子もインドのマイクロマックスや、中国のシャオミのようにその時々で安い部材を使えばいいのですが、それでは垂直統合で全体の売上ボリュームを増していた「旨み」がなくなってしまう。

 これまで何度かAppleのAppストアやGoogle Playのようなソフトウェア環境を提供することで「なにもすることなく収入を得る」ことにチャレンジしてきたのですが、なにもできていません。
 BadaとかTizenのように新しいOSもやっていましたが、なにひとつものになっていない。
 損益分岐点をまたぐ前に撤退があってもなんら不思議ではない、というところでしょうか。

 まあ、携帯電話もモトローラからノキア、ノキアからサムスンへと盟主が引き継がれてきたのです。
 それと同じことが起きるというだけなのですけどね。

メモリ2GBでももはやこの値段とか恐ろしいわ……。