イランとの金融取引拡大へ 動き出す韓国政府と銀行業界(聯合ニュース)
イラン「韓国口座から資金移す」(中央日報)
【噴水台】イランから仕返しを受ける韓国(中央日報)
 金融業界によると、企画財政部や外交部など政府と、ウリィ銀行や中小企業銀行(IBK)など銀行の実務者が30日からイランを訪問する。イランの中央銀行の関係者らと会い、ウォン建て決済の維持や、ユーロなどドル以外の国際通貨を利用した決済の拡大などについて協議するようだ。

 今月半ばに国際社会がイランに対する経済制裁を解除したことを受け、韓国企業はイランと自由に貿易と投資をできるようになった。しかし、金融取引はまだ限定的だ。対イラン取引における韓国銀行(中央銀行)の許可制は外されたが、米国の法令の関係でドルの使用は引き続き禁じられている。

 韓国企業はウリィ銀行か中小企業銀行を通じウォン建て決済でイランと金融取引を行える。イランへの経済制裁が始まった2010年に、韓国政府はこの2行にイラン中央銀の名義のウォン建て口座を開設し 対イラン輸出入代金を決済できるようにした。政府はこうしたウォン建て決済を維持する一方、決済できる通貨をユーロなどにも広げていこうとしている。
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「イラン発特需」を期待していた国内の企業と政府が伏兵にあった。複数の政府関係者によると、イラン側は経済制裁のため2010年から国内の銀行口座で凍結されていた石油輸出代金を本国に移すという意向を表した。

この口座は2010年にウリィ銀行と企業銀行に開設されたイラン中央銀行の韓国ウォン口座で、その間、国内企業のイラン輸出入代金の精算に使われてきた。

政府関係者は27日、「対外資産凍結措置が解除され、イラン側が口座にあった資金の一部を国内に移したいという意向を表したのは事実」とし「政府はひとまず引き止め、韓国ウォン決済口座を維持しようと伝えている」と述べた。

イラン中央銀行名義の韓国ウォン口座と3兆−4兆ウォン(約3000億−4000億円)と推算される残額は、現在、国内企業がイランと安定的に貿易するうえで必要な手段だ。米国が依然としてイランとのドル取引を制限しているからだ。

しかしイラン側は口座を維持してほしいという韓国政府の要請に返答していない。このため政府は今月末に担当者を現地に派遣してイラン中央銀行と協議し、来月末予定の韓・イラン経済共同委でもこの問題を協議することにした。
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年金利0.1%の当座口座に5000万ウォンあり、1年以内に1000万ウォンを使うとしよう。多くの人は残りの4000万ウォンを利率が高い他の預金に回すだろう。

ところが銀行が当座口座だけを使うよう強要すればどうなるのか。これは騒ぎを招く横暴だ。こういうことが国内であった。数年前に苦境に陥ったイランを相手に。

西側の要求で2010年、韓国もイラン制裁に加わらなければならなかった。核心制裁の一つがドル取引禁止だった。石油導入の中断とともにイランの2500余りの輸出業者が致命傷を受けるところだった。苦心の末に出てきた妙案が韓国ウォン決済システムだ。韓国ウォンを支払って石油を輸入するものの、イランが受けた代金を国内銀行の口座に置いて、韓国の商品を輸入する時に使わせるというものだった。

最初はよかった。しかしウリィ・企業銀行に開設した口座の残高が予想以上に多い4兆−5兆ウォンに増えると、問題が生じた。年金利が0.1%にすぎないため、イラン側が一部を定期預金にしてほしいと何度も要求したのだ。「3%の定期預金でも年1000億ウォン(約100億円)をはるかに超えるが、正当な利子を受けていない」という主張だった。

しかしこうした要求は徹底的に無視された。怒ったイラン側は中央銀行副総裁まで韓国に派遣し、銀行を変えようとしたが、これも叶わなかった。

こうした状況が報道されるまで両銀行は特別な負担なく4兆−5兆ウォンを運用した。暴利論争が出てくると、2012年8月にようやく利子を上げた。しかし年1.6%だった。1年満期定期預金が3%を超えていた時期だった。

当時、イランに精通した人たちは「近いうちに制裁が解除される見込みだが、このようにしていれば不利益にあう」と心配した。

その予想通りイラン制裁は3年後に解除された。いまイランは数兆ウォンの預金を引き出そうとする状況であり、銀行が慌てている。預金を移さないよう交渉団を送るなど大騒ぎしているが、あらかじめ適切に対応していれば雰囲気ははるかによかったはずだ。利子をめぐり葛藤が深まった時に実務者として訪韓し、屈辱的な対応を受けたのが、現在、中央銀行海外担当副総裁を務めるメディ・グダジ氏だ。

銀行はイランに対して「甲」の立場で数百億ウォン以上の利益を得て、当局はこれをほう助した。国益という仮面をかぶった不義だ。当時、銀行の高位層は蜜を吸ったが、結局、その負担は後任者と国がそのまま負うことになった。当面の利益に目がくらみ、国格の失墜はもちろん、長期的に国益を害することになるのなら、今からでも非難を受けて当然だ。
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 イランへの経済制裁が解除されたことをもって、「さあ韓国でもイラン特需を享受しよう!」とばかりに金融機関がイランへの進出を拡大しようとしたところ、イランから「韓国国内にあるウォン建て口座を解約するから」と通告を受けたのですね。
 先週半ばに報道されたのですが、その原因が中央日報に掲載されていました。

 韓国からイランへの原油代金はウォンで韓国のウリィ銀行にプールされて、韓国からの輸入代金として使われる。アメリカからの経済制裁を潜り抜ける手法だったのですよ。
 でも、当時の原油価格は1バレル75〜100ドルの高値安定状態。
 ウリィ銀行へのウォン預金は増えることはあっても減ることはなし。
 たまりにたまって5000億円規模になったと。

   で、その莫大な金額にまったく利子をつけることなくキープさせておいて、クレームがきたらほんのわずかな利子をつけることでごまかしていた……ということですね。
 実はこれ、最初のニュースが報じられた時点でソースを探していて見つけられずにいたのです。
 イランとの取引をする当時から「いまはいいかもしれないけど、制裁解除されたあとのことを考えてないでしょ?」という意見はあったのですよ。
 さすがにそこまでの細かい事情は当時の日本語版では報じられていなかったので、過去エントリにはないのですが。
 2012年当時にイランから原油を買う買わない、輸入に際してイランのタンカーを使う使わないっていう話になったのもこのあたりの話と関連しているのでしょう。

 韓国の特徴が出てますね。
 数年後の1万円より明日の1000円。明日の1000円よりも今日の100円。
 明日の信頼よりも今日の100円。
 なんでそこまで刹那的になれるのかっていうのがちょっと疑問なのですよね。
 いまだに「ウリとナム」が社会の中に生きているので、このあたりも伝統的なものを引き継いでいるのでしょうけども。

 しかし、これって「仕返し」でもなんでもないけどな……。
 ちなみに2番目の記事のタイトルは当初、『イラン「韓国銀行からお金抜く」』だったのです。自分たちはなんら悪くないという意識が垣間見えて面白いですね。
 これだけの額のウォンが一気にドルに替えられるとすると為替市場にも影響がありそうですが。