[FT]世界の資金、韓国から逃避 (日経新聞/FT.com)
 北朝鮮が、同国初の水爆実験後間もなく行ったミサイル発射は朝鮮半島で最も注目を集めている話題だろう。だが、朝鮮半島への投資家がもっと懸念しているのは、韓国の産業の競争力低下と頼りない企業統治だ。

 韓国の株式は、中国経済や原油安への懸念が引き金となり、アジアの新興国市場で売りの主な標的となった。過去3カ月間で韓国の株式市場から引き揚げた世界の資金は64億ドルで、これはブルームバーグが追跡したアジア7カ国の中で最も多い金額だ。 (中略)

 アセットプラス・インベストメントのバイスプレジデント、チョイ・クワンウォック氏は、「外国の投資家は過去の経験から、地政学リスクが高まったときは実は買いの機会だという教訓を学んでいる」と話す。

 だが、企業の収益低下や株主への還元の少なさが市場の下げ圧力となっているほか、通貨ウォンの下落――年初来対ドルレートは2.1%下落――で為替差損の懸念が生じ、投資家心理に水を差している。

 韓国の総合株価指数(KOSPI)は、昨年12月上旬以降37日間連続で売られ、年初来で2.2%下落した。これは韓国史上最長の記録だ。

 同国市場は年金基金など国内の機関投資家の買いに支えられたため、下落幅は他の大半の市場に比べて小さい。だが、海外投資家による大量売りは、中国の需要に支えられて豊かになった輸出主導型経済の輝きが世界経済が減速する中で失われつつあるかもしれないことを警告するものだ。

 バンクオブアメリカ・メリルリンチの韓国リサーチ責任者、ブライアン・ソン氏は「韓国経済は明らかに成長の勢いを失いつつある。つまり、新興国市場としての投資家への魅力は相当失われたということだ」と語った。 (中略)

 チョイ氏は「韓国の製造業にとって外部環境は良くない。今年は利益拡大の余地がほとんどない」と言う。「円安に加えて人民元も切り下げられる見込みで、より厳しい状況になるだろう」 (中略)

 投資家は依然として企業統治水準の低さや親族で支配する財閥の規制問題についても懸念している。米ヘッジファンド運営会社のエリオット・アソシエーツはサムスングループの2つの部門の合併を阻止する運動を主導した後、開示ルール違反問題で制裁に直面している。

 ナ氏は、後継問題に絡む企業再編の多くは親族の利益を守ることが目的だと話す。

 「財閥の企業統治に関してはほとんど進展していない」と同氏は言う。「多くの海外投資家にとって韓国はいまだに株主の積極的な働きかけが通用しない未発達の市場だ」
(引用ここまで)

 さまざまな数字も問題ではあります。
 中小の財閥は赤字に苦しんでいるし、大企業の純利益は下落している。中国から日本から追いこまれているのも実際のところ。
   でも、最大の問題は国外からの韓国企業に対する視線、ですね。

 フィナンシャルタイムズにこう書かれてしまうことで、なおのこと外国人投資家が疑心暗鬼になってしまう。
 それでなくてもキャピタルフライトが危険視されている中でこれはきつい。

 記事中にあるのはサムスン物産と第一毛織の合併に関しての話ですが、ローンスターの問題もあるようにこういった話は枚挙にいとまがない。
 資金提供している時はいいお客さんなのですが、儲けがあったということで株を売り払って引き上げようとすると「悪」の認定をされてどんな方法でも構わずに損をさせる。
 このあたりも国民の気分優先なのですよね。韓国で憲法の上に存在する「国民感情」次第。
 怖くて大規模投資とかできませんわな。

 去年、ローンスターはこの件についてFTAのISD条項に基づいて訴訟を起こしていましたが、その行方も楽しみですね。