米国から「ピエロ役」を押し付けられた朴槿恵(日経ビジネスオンライン)
 米国の強い要求に屈し、中国に脅されながらもTHAADの配備を認めた。というのに裏で米国は中国に「対北制裁案で譲歩してくれるなら配備をやめてもいい」と言っているようだ――という展開に、韓国人は腰が抜けるほどショックを受けたのです。(中略)

 中国は、米国が切ってきた「THAAD配備」というカードを上手に加工して「碁石」とし、反米用の素材として韓国に撃ち込んだのです。この寄稿はそれが功を奏したいい例です。

 もちろん中国が「碁石」と揶揄したのは、韓国が小憎らしかったこともあったでしょう。米国の軍事力を背景に「THAADを配備するぞ」と言い出した韓国――。中国人の目には、元・属国のくせに生意気な振る舞い、と映ったはずです。
(引用ここまで)

 いつもの鈴置氏のコラム。
 ここのところ、何回か紹介をスキップしてきましたが今回はかなり面白いのでチェックしてみましょうか。
 北朝鮮のミサイル危機とTHAADの外交カード化、それをいやがる中国という図式がなかなか面白いです。
 楽韓Webのように渦中にある状態からピックアップしていくのとは違って、事態があるていど全体を見渡せるくらいに落ち着くようになってからまとめるという手法ですから理解しやすく文章が展開されています。
 アメリカからははしごを外されて、中国からは属国のように扱われる。
 見事な等距離外交を演じて、米中両方から求められるモテモテ国家だったはずなのに、いつの間にか両方から手玉に取られる……というか蹴鞠のようにリフティングされてはパスされるような状況に陥っていたわけです。

 これまでは地政学的に斬り捨てづらい位置にあったのでなんだかんだでなだめすかしながら韓国の相手をしてきたわけですよ。
 でも、まず日本がそこから離脱して第三者的立場に転じた。イ・ミョンバクの天皇謝罪要求あたりが分水嶺でしたね。
 ついでアメリカも日本ほどではないけども、韓国への過剰な肩入れをやめはじめている。
 少なくとも去年のシャーマン発言の頃から、日本との歴史問題を言い訳にした離反を許さなくなった。

 これまでコウモリ外交って話をしてきましたが、これは波と潮に揺られるだけのクラゲ外交ですね。
 コウモリであれば少なくとも自律して動くこともできましたが、現状はほぼ他国任せにならざるをえない。韓国が自分から選択肢を提示する立場ではないのです。
 まあ、望んでこの立場になってますよね。中国が韓国に主体的外交を認めるわけがないし、中国傾倒をあからさまにしてきた韓国の動きをアメリカが許すわけもなし。
 さて、どこに漂って行くのでしょうかね。

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