お金はずっと稼いでいるのに...ますます増える家計の負債(SBS/朝鮮語)
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所得は横ばいなのに負債が急速に増加し、私たちの家計の借金負担がますます大きくなっています。ただでさえ低迷した内需が家計負債のため、より泥沼に陥るかと懸念されます。
シムオソプ記者が報道します。

<記者>
会社員のキム・ヒョングク氏は昨年、高騰する不動産費用(訳注:賃貸のチョンセのこと)を耐えられなくなり、融資を受けて家を買いました。
しかし、給料の3分の1ほどが銀行に直行しているために毎月の生活費が不足している状況です。

キム・ヒョングク(仮名)/会社員「カードでのキャッシュサービスで埋めるができなければマイナス通帳(発行を)頼ることになるでしょう。負債にさらなる負債を加えているので、困難に陥っているのです」

昨年このように住宅ローンが急増し、年末基準で家計負債が1千206兆9000億ウォンとなった。
これは、税金等を抜いて家計が自由に使うことができる年間の純処分可能所得の1.5倍に達しました。
韓国では家計が1年間使う資金をすべて集めて借金を返したとしても、400兆ウォン程度が足りないという話です。
さらに、所得に対する家計負債比率がここ数年というもの急上昇しており、借金返済がますます困難になるものと分析されました。

ジョ・ヨウンム/ LG経済研究院研究委員:「より速く増えている非銀行圏ローンやクレジットローン市場において今後金利が上昇したとき、家計への負担増として作用して家計負債不健全化のリスクを高めるでしょう」

実際に融資がある世帯のうち、70%までが元利金の返済に負担を感じると調査され、消費景気回復に相当な負担として作用する見込みです。
(引用ここまで)

 家計負債が異常な速さで増殖しているというニュースは何度も何度も繰り返していますが。やっぱり年内に1200兆ウォンに到達していましたか。
 それには3つの大きな要因があります。

 1)歴史的な低金利
 韓国史上、これまでなかったほどの低金利で内需を刺激しようとしています。まあ、それが成功しているかどうかは別として。

 2)不動産投資に対しての規制緩和
 一昨年夏に不動産投資に対して行われた規制緩和で、より簡単にお金が借りられるようになりました。それでなくとも、韓国人には「投資をするのであれば不動産で!」という概念があるので誰しもが飛びついたのです。
 1と2には相乗効果がありますね。
 去年の6月に政策金利が1.5%になったときには、もうとんでもない勢いで不動産投資が増えました。

 3)チョンセの高騰による持ち家ブーム
 そして記事にも書かれているのですが、韓国独特の賃貸方式であるチョンセがかつてないほどに高騰しています。
 というのも当然のことで、チョンセは「一定金額を大家に預けることで2年間、賃貸料を無料にできる」という方式となっています。大家はこのお金を再度、他の物件獲得に回したり、利子を生活資金にしたりというようにしてきたわけなのですが。
 こんな制度、高度成長期に伴う異常な高金利でなければ成立しないのですよね。かつては物件を売買するときの半分ていどとされていたチョンセですが、現在では売買価格を上回ることも珍しくないほど。
 低金利ですから、元手を大きくしておかないと大家も困るわけですよ。

 で、チョンセをもはや諦めて、家(この場合は日本でいうところのマンションであることがほとんど)を買う家庭が増えたのです。
 この3つの要因が重なりあって、正直なところバカみたいな速さで家計負債が増えていったわけです。

 特に3つめの要因で「無理な借金」をしている人が多く、もはや可処分所得をかき集めても借金の額に届かない状況。
 以前から「次に韓国経済に大問題が生じるとしたら、為替ではなく内需から」という話をしていますが、その最大の要因がここにあります。

 もし、ここで政策金利が引き上げられたら、恐ろしいことになりますよ。
 これまででもうすでに辛かった返済がさらに増える。滞る。せっかくの不動産を売り払わなくてはならない事態となるわけですね。
 すると市場に不動産があふれる。必然的に値が下がる。
 事態がここで止まればいいのですが。問題は「韓国の資産の9割が不動産である」という状況でして……。
 ここからの不動産爆弾炸裂シミュレーションは、3年半前に書かれたこちらのエントリをご覧ください。
 ……ますますリアリティを持ってきたように思うのですけどね。
 炸裂する時期は韓国国内では2017年であるといわれています。

狂気とバブル