【時視各角】「負債比率6905%」を生んだ大統領の時間(中央日報)
韓国石油公社4兆5003億ウォン(約4372億円)、韓国鉱物資源公社2兆636億ウォン。

4日に2つの公企業が2015年決算の結果、過去最大の赤字を記録した。負債比率は石油公社が453%、鉱物公社が6905%(!)に膨れあがった。そこに寒波が押し寄せている。人材をそれぞれ30%(1258人)と20%(118人)減らし、賃金も最大30%までカットするという。

直接的な原因は石油、銅、ニッケル価格の急落だ。しかしその根源には李明博(イ・ミョンバク)政権の「資源外交」がある。当時買い入れた海外子会社の不良が反映され始めたのだ。鉱物公社の損失の大部分はメキシコのブレオ銅山など主要鉱区の評価額急落から始まった。どうしてこんな有り様にまでなったのだろうか。

監査院の監査結果報告書(2015年11月)を探してみた。「海外資源開発事業」の成果は惨憺たるものだった。石油部門に13年間20兆8000億ウォンを投資したが、非常時に導入可能な石油量は該当国の搬出規制などにより全権益の24%にとどまっている。韓国の1日当たり消費量で換算すると2.2%の1日6万バレル。非常状況に備えて海外資源を確保するという趣旨は消え、探査・開発より既存の海外企業の株式を取得することに目が向いていたことを示すものだ。 (中略)

「2008年に李前大統領が就任し、エネルギー・資源自主開発率を高めることが至上課題となりました。20%だ、25%だと話ばかりが多かったです。公企業大型化の方針に続き2009年に自主開発率を経営評価指標に含ませると公企業は先を争って海外投資で規模拡大に乗り出したのです」。

もどかしいのは今後さらにどれだけかかるかわからないという事実だ。自転車は止まれば倒れるもの。これまで石油公社、鉱物公社、ガス公社の169件の事業に35兆ウォン以上が投資されたが、このうち48件の事業に46兆ウォンが追加投資される予定だ(39ページ)。追加投資額のうち3分の2を既存事業の収益で調達するというが、はたして可能なことだろうか。7年間に当初計画より9兆7000億ウォンが追加で支出された。 (中略)

「資源外交はその成果が10年から30年にかけて現れる長期的な事業だ。退任して2年もたたない状況で資源外交を評価し問題を提起しようとするのは『井戸に行ってお湯を求めるようなもの』(せっかちなこと)と考える」。李前大統領の回顧録『大統領の時間』は抗弁する。そんなに長い観点で推進されなければならない海外資源開発をなぜ5年任期内の事業として進めたのか。井戸に行ってお湯を求めた人は李前大統領自身だった。 (中略)

捨てるべきものは資源開発ではない。大統領のタイムテーブルだ。資源外交の教訓は朴槿恵(パク・クネ)大統領にも有効だ。大統領が自らの目標に中毒になっていたことを悟ることができない限り、5年単位の「国政中毒」は繰り返されるほかない。
(引用ここまで)

 「資源外交の毒」が廻ってきましたね。
 韓国政府でいま一番忙しいんじゃないかって思われるのがこの監査部門。軍も気象庁もエネルギー関連公社もえらいことになってます。

 大統領の命令で高値掴みをしてしまったもので、もう身動きの取りようがない。カナダのハーベスト社のように売却できるのであればまだいいほうで、そのほとんどが塩漬けにするしかない。
 これが株だったら塩漬けにすることで評価損はあっても、それ以上の損失はでないのですが。
 でも、資源外交で買ったのは鉱山やら油井やら。維持費もかかる。
 だらだらと流血を続けていくしかないのですね。

 そもそもが資源の高騰というのは中国が爆買いして逼迫が予想されるからという前提だったのです。
 これまでの世界の需要に加えて、「経済成長著しい中国」が自国での生産のために原油も鉄も非鉄もみんなかき集めるんじゃないかとされていたのですよ。
 そこでイ・ミョンバクの「自主開発率20%を達成する!」っていう鶴の一声で資源外交が行われたわけです。
 何度も書いているように韓国の大統領というものは圧倒的な権力を保持しています。
 むしろ、「王」であるといったほうが正しいくらい。

 当時、「韓国はトップダウンで資源確保を行おうとしている」っていう形で日本でも報道されていましたっけ。
 でも、その結果がこれ。
 資本主義の基本である「景気の循環」を無視した結果、ですかね。
 中央日報はそれを「大統領任期のうちにすべてを行うとしたからだ」というように言及しているのですが。
 でも、それありもしないダイヤモンド鉱山を開発するって話をインサイダー取引の材料に使って、しかもそれがすべて虚偽だったとか。
 ペルー政府から直々に「この会社は買わないほうがいいんじゃない?」って言われていたにも関わらず、手を出したのは韓国人ならではですよね。
 いわゆる「パリパリ」で考える前に動く。それが是となることもあることはありますが……。

 当時、ガソリンの小売り価格がリッター200円を超えるかも、なんて言われていた頃もありましたね。
 国会議長を監禁したガソリン値下げ隊なんてのもいたなぁ。あのときは「日本の国会も韓国並の民度に成り下がったか……」って思ったものですが。
 まあ、高値掴みした当時はそれが高値掴みであると気がつかないものです。

 「資源外交、その敗北の歴史」なんかにまとめてありますので参照してください。実はノ・ムヒョン政権の頃から地味に続けてきた政策ではあるのですけどね。