[取材ファイル] KF-Xレーダー「選手交代」に姿を消した490億ウォン、そして...(SBS/朝鮮語)
韓国空軍の未来ともいえる韓国型戦闘機KF-X事業の最高核心技術であり、KF-Xの目玉となるアクティブ位相配列AESAレーダーシステム開発の優先交渉対象企業に、予想を覆しハンファタレスが選ばれてから議論が起こっています。 AESAレーダーを軍と共同で10年もの間、研究開発してきたLIGネックスワンの脱落が合理的に説明されていないためです。これまでの「LIGネクスウォンの技術があるから、AESAレーダー国産独自開発が可能である」という軍の説明も無意味になっています。

さすがに納得できない点が多々散見されます。LIGネクスウォンの脱落で、10年の間AESAレーダーの開発のためのLIGネックスワンに投資された国の資金490億ウォンが蒸発しました。共同研究してきた軍​​の最高の武器の研究機関である国防科学研究所ADDは、自らの10年の研究成果を否定したも同然です。

優先交渉対象企業を選定する際に不適格評価委員が参加したことのADDの釈明も虚偽であることが明らかになりました。選定過程でLIGネックスワンは協力対象中小企業を9社ほど確保したにもかかわらず、LIGネックスワンの中小企業協力加点が0点として処理されたことも疑問です。

「政府合同10年AESA研究」LIGネックスワンの脱落は、AESAレーダー事業の開発成功の可能性を下げます。 AESAレーダーの成否は、KF-X事業と大韓民国空軍戦闘力の成否とほぼ同じ意味を持っています。不安が増大しています。

政府はAESAレーダー核心技術開発事業を通じて、2006年から2013年までの応用研究1、第2段階を終えた2014年から2019年までの試験開発第1段階を進めています。ここで出てきた成果は、そのままKF-X用のAESAレーダーに適用する計画でした。 LIGネクスウォンは応用研究1、ステップ2と試験の開発1の手順を実行したメーカーです。

応用研究と試験開発10年の間に630億ウォンが投入されました。このうち490億ウォンは政府からのの公的​​投資であり、140億ウォンはLIGネックスワンによる投資です。政府は10年の技術の積み重ねも捨て490億ウォンも失っているというわけです。防衛事業庁に「490億ウォンと技術を返還する方法があるのか​​」と問い合わせましたが、いま現在まで返答がありません。

AESAレーダー優先交渉対象企業の評価は、LIGネックスワンに点数を与えるときには最小限のものを与え、削減する場合には大いなる削減点数となっています。 10年間にAESAレーダーを研究開発したLIGネックスワンと、AESAレーダーを施策したことすらないハンファタレスの技術スコアの差が1点もないことが判明しています。技術評価は総点100点のうち80点という大きな項目ですが、LIGネックスワンが0.97点上回ったに過ぎません。納得できない得点差です。

さらに技術力と技術計画に分かれた技術評価でLIGネックスワンは、技術力だけで上回っています。技術計画得点に至ってはAESA技術を開発したことがないハンファタレスに凱歌が上がっています。 AESAレーダーを開発したことのないメーカーの開発計画得点が、AESAレーダーを10年間試作開発しているメーカーのスコアよりも高いとは怪しさを感じられずにはいられません。

LIGネクスウォンが受けた中小企業協力加点は0点であることも受け入れられるものではありません。ハンファタレスは協力中小企業を20社、LIGネックスワンは9社提示しており、それぞれの点数は1.42点と0点です。 LIGネクスウォンが中小企業を1社すら協力企業として挙げなかったのであれば0点を得るかもしれません9社を提示したにも関わらず0点だったのです。

このようなでたらめな評価が判明すると、中小企業の協力加点はLIGネックスワンを落とすための仕掛けであったのではないかという憶測が国防部の内外から出ています。技術と価格評価でハンファタレスを引き離しているLIGネックスワンを中小企業加点0点にとは。

誰がどのように評価をしたか、そこに視線が集まります。AESAレーダー優先交渉対象企業の評価委員会にハンファタレスの研究課題を遂行中の教授が評価委員として参加したというニュースを、27日にSBS 8ニュースを介して伝えました。評価を主管したADDの釈明は、「会社に関連していない教授を探すのは難しかった」というものでした。

ところが、評価委員10人のうち民間人教授は問題になった評価委員1人だけでした。大韓民国でLIGネックスワンやハンファタレス研究課題を遂行していないレーダー専攻教授がただ1人もいなかったでしょうか?  ADDの釈明は嘘なのです。

評価委員10人のうち5人はADD側であり、3人は軍の人事、1人の防衛技術品質院のスタッフでした。民間の専門家中心の評価委員会が客観的に両社のAESAレーダー技術を評価したほうが、より公平であったことは想像に難くありません。

10年の間にAESAレーダーを開発しつづけてきたLIGネックスワンであってもKF-X用AESAレーダーの開発に成功する可能性は高くありません。米国と欧州でも30年近く試行錯誤して作り上げたAESAレーダーを、韓国はそれらを反面教師にして一気に開発するという計画だからです。研究の経験のないハンファタレスであれば、成功の可能性はさらに小さくなります。

一方、KF-X用のAESAレーダーを海外から導入する蓋然性は高くなりました。 AESAレーダーを輸入してKF-Xを開発する場合、外国の戦闘機を丸ごと買うのと大差ありません。お金を捨てて時間も捨てて性能改良も思いのままできない「うわべだけ国産」であるKF-Xとなることが危惧されています。苦難の独自開発を放棄して、外国AESAレーダーを輸入して簡単にKF-Xを作成しようとする者だけ気持ちよく過ごしている今日この頃です。
(引用ここまで)

 先日、技術評価委員のひとりがハンファタレスから研究費用を受けている教授であったという話が暴露されていましたが、話によるとKAISTの教授なのだそうですよ。
 でも、その民間の教授ひとりだけでLIGネックスワンからハンファタレスにできるわけないってされていまして。
 10人が共謀して行った……というか軍そのものから、そうしようとする意向があったのではないかという疑惑が生まれています。
 まあ、そりゃそうですね。

 で、その目的というのが「純国産」ではなく「外国から部品を買ってきて取りつける」という安易な方向性に傾いたからではないか、というもの。
 ハンファタレスはちょっと前にサムスングループからハンファへのいわゆる「ビッグディール」で売却された企業で、その名の通りにフランスのタレス社との合弁企業です。
 んでもって、フランスのタレスが最近になってラファール用のAESAレーダーの開発に成功しているのですね。
 韓国国内に「これを買ってきてつけりゃいいんじゃない?」っていう勢力があるのでしょう。
 むしろそうすることのほうが独自開発するよりも利点が多い、と考えたのでしょうね。

 ただ、以前も書いたように、参考例としているらしいグリペンNGは最初から「レーダー、アビオニクスその他諸々いろいろな企業から集めて統合しますよ」という前提でそれぞれの企業に呼びかけているのです。
 KF-Xはアビオニクスはおそらくロッキード・マーティン製。そこにAESAレーダーをタレスから導入するとしたら、全仕様をタレスがロッキード・マーティン側に開示する必要があるのですが……そんなことができるんですかね。

 そもそもKF-X自体、最初から「アメリカ製の部品を購入して組み立てるだけなんじゃないの?」という危惧はされていたのですが。
 多国籍になってなおのこと難しくなるような……。
 ま、どっちにしても「いつもの韓国独自」ならともかく、本当の意味での「韓国独自の戦闘機」なんてできるわけがないのですから、より現実的な解を求めるというのは理解できないわけではないですね。